拝啓、空の彼方のあなたへ -1000の手紙-

emi

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地震のこと

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あなたへ

最近、こちらでは地震が多いような気がします。
少しの揺れでも敏感に反応してしまう私。

だって、思い出してしまうんです。
3.11東日本大震災の事を。

あの日は、家族3人、別々なところにいましたね。

私だけ他県にいて、
電話も繋がらず、携帯電話の電池は減る一方。
何の情報もないまま、ただ、不安だけが押し寄せました。

あなたなら、何があっても絶対に、あの子を守ってくれるって、
何の根拠もなく、そう信じていたけれど、
それでも、
あなたとあの子の無事が確認できるまで、
本当に生きた心地がしなかった。

夜になり、あなたとあの子が一緒にいる事が分かった時には、
全身の力が抜けた程でした。

地震から、3日後、ようやく家に帰れた私は、あなたとあの子の顔を見て、
やっと安心出来た事を思い出します。

蛍光灯は落ちて割れ、部屋中、破片だらけ。
棚のものは全て落ちて、すごい有様だったと話してくれましたね。
これでも、大体は片付けたんだよと話しくれたけれど、それでも、随分と酷かった。

あれから、余震ばかりの毎日で、本当に怖かったけれど、
地震に詳しかったあなたは、
テレビに出てくる学者並みに、
地震についての話をしてくれましたね。

強い地震が来るたびに怖くて、
その度に、地震の話をしてほしいとお願いする私に、
何度でも、その話を聞かせてくれました。

少しも端折る事なく、話してくれたあなたの声に安心し、
眠りにつくことができた事、よく覚えています。

あの時、あなたは、言いましたね。

5年後なのか、10年後なのか、100年後なのか、
本当の事は分からないけれど、また大きな地震は、来るんだよ。
その時に、正しい判断をして、身を守るしかないんだ。
自然には、逆らえないんだよ と。

怖かったけれど、あなたがいてくれたから、何となく、納得できた事も、
今は、恐怖でしかありません。

あの頃は、家族で家にいる時に、地震が来ると、
必ず、あなたの元に集合しましたね。

あなたの近くにいるだけで、安心でした。

今は、少し大きな地震が来ると、
何故か、あなたの仏壇の前に、あの子と集合してしまいます。

そんな時のあなたの遺影は、穏やかに笑っていて、
あの時みたいに、大丈夫だよって言ってくれているみたい。

あなたが、そちらに旅立っても、
いざという時には、やっぱり、
あなたを頼ってしまう私たちです。

 

 2016.09.16
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