遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第57話 入城

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翌日。
 トーコと一緒に街の中央に位置する王城と呼ばれる場所へ話ながら歩いていた。
 時間的に朝早い時間だったからか、昼間に比べて少ない人しかいなかった。

「まだお店もやっていないわね。やっているのは、夜から早朝にかけての営業をしているお店くらいかな」
「それにしても、喧噪がないとこんなに静かなんだな」
「まぁ、お店への呼び込みも多いし、規制しないと」
「規制?」
「そう、この時間まではお店を開けちゃいけないとか、この日は全休だとか、この日は特定の業態のお休みの日とか。そういう日。じゃないと働き続けちゃうから、面倒ごとが起きやすいのが理由のひとつよ」
「へ~、ちなみに今日は何か設定されているのか?」
「今日はね…。呼び込みが禁止の日」
「呼び込み」
「そう、呼び込みがないってことは、お客さんに静かにウィンドウショッピングを楽しんでもらえるっていうこと」
「少し寂しい感じもあるが」
「それなら、普通の日に来れば良いだけ。いろいろな日の決定はここのヒマ王が決めているの」
「ヒマ王?」
「あなたも会ったこと、あるわよ」

 そして、王城へ入るための門に到着した。

「おはようございます。入城の許可を頂いておりますので、少しお待ちください」

 大きな門が降りてくる側にあった詰め所に身分と名前を告げると、門兵は金属で出来た筒の中に声を入れている。

「お待たせしました。大門を開きますので、こちらでお待ちください」

 大門とは、いわゆる堀に掛ける橋のことらしい。平時には大門を閉めてしまう。上に上げた状態にすれば侵入できないということ。
 そして、さっきの金属製の筒。

「ありがとう。さっき、金属筒に話かけていましたよね。あれは何ですか」

 そう言うと、門兵は不思議そうな顔をした。

「申し訳ありませんが、何を言っているのか分かりません」

 トーコは、知っているようだったので。

「あれ?あれは伝声管よ。声で金属を震えさせて遠方に届けるためのものよ。糸電話の金属版と考えれば簡単かしら。もっとも…」

 それを聞いていた門兵は、合点がいったという感じで

「伝声管のことでしたか。いつも使っているから分かりませんでした。なにせ、フリですので」
「フリ?」
「ええ、実際は無線つ…いえいえ何でもありません」
「無線か。ま、まぁ雰囲気は大事だよな」
「ええ、まぁ。あはは」

 王城自体は、外見は西洋に見られる形だった。
 しかし、その周囲は日本に見られる土地地系。高い城壁と外部と内部に張り巡らされた堀。
 そして、これらを壊すかのように存在する円筒形の建築物が王城の真ん中を貫くようにある。
 しかも、雲を突き抜けていて最上部は見えない。

「さ、こっちから行きましょ」

 トーコはそういって、完全に下ろされた大門ではなく、門兵に

「直通路、使えるわよね」
「もちろんです。どうぞこちらへ」
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