遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第131話 まずは、26番

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「初めに鉄貨を作ります」

「はい。26番」
「そこは、本名を使ってくれい」
「面倒くさいわね。鉄ちゃん」
「い、いや、その言い方に拒否感を覚える…が?」
「要求多すぎ。貨幣を作るのだから、用意して」
「へい」

サイコロ状になっている鉄に、金属製の丸棒で叩きつける。

ドンドンドンドン

これでもか!
これでもか!
これでどうだ??

ドンドンドン

一体何を作っているのか分からなくなる殴打。

ドン

最後に一打ちして、終了?

「いやー、いい汗かいたわ。これを、炉の中に入れて3分待ちます」

見せてもらったのは、いびつな形をした鉄。

「いつも思うんだが、ここまでする必要はないだろうが」
「あなたたちの相手は毎回大変なのよ。ストレス発散も兼ねているから、そこの辺りは考慮してもらわないと」
「そりゃ、無理だ」

がやがやうるさかった他の神忠製金属たちが静まりかえっていた。

そして、その神忠製の26番は、炉の中へ。

秋穂は、炉の中へ入った26番の後から、何かを投入してる。
白っぽい何か。

「はい」

礼儀正しい、誠くんの質問。

「白い粉は、何ですか」
「本当は秘密なんだけれども、特別に教えます。あれは…」
「あれは?」
「秘密です」
「えー」
「まぁ、硬貨に偽装できないようにするための材料の一つと考えてもらえば良いわ」
「何で、出来ているんだろう」
「さぁ、何でしょう。あれで分かったら、私の弟子に勧誘するわね」

3分後。

チーン

ベルが鳴る。
出来上がった?

「へい、鉄貨だ。改めまして、よろしく頼むな…。なんじゃこりゃあ」

鉄貨が出来上がったとみたら、不良品か?
なにしろ、鉄貨の一部に球が出来ていた。

金属には製造時になんらかのバリができてしまうことがある。
切ったり削ったりして、形を整えるのが本来だが、問題はこの貨幣は、神忠製だという部分。
原則として、製造時の失敗になると最初からのやり直しになる。

サイコロ状から、多数のストレス発散の殴打?炉への投入+白い粉である。

「あら、狙い目通り」
「なんだってー」

どうやら、秋穂はこういう硬貨を初めから作るつもりだったらしい。

「あなたには、特別な能力を付加してあります。形が、他の鉄貨と違いますが、ほぼある程度の鉄貨になったら、加工者専属の貨幣になりなさい」
「謹んでお受けします」

「はい」

「誠くん、どうぞ」
「専属貨幣って何ですか?」
「専属貨幣ってね。貨幣として使えるのだけど、すぐに手元に戻ってきてしまうものなの。鉄貨ではなく、79番の貨幣で専属にしたら、無限技が使えるわよ」
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