遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第132話 どんどん行きましょう 29番

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「さて、次は29番」

「お、お姉さん。ぼ、僕は、な、なにになるんでしょう」
「そんな引いたような口調って、そういえば、そういう金属だったわね」

どんな金属なんだ。
そして、この金属は丸棒のようなまま置かれている。
金属にしか見えないものからの声は、相変わらず異質だ。

「これを作ります」

出してきたのは、8面体を持つ形。
ピラミッドのように、2つ四角錐の底辺。
四角いところに2つ互いにくっつけたような形。

「これを2つ作ってみます」

ということは、さっきの8面体が2つできるということになるな。

「まずは、こいつを…」

いきなり口調が?

「たたき直します!」

そういうが早く、丸棒状の銅を炉に突っ込んだ。

「真穂。少し強めで」
「はいはーい。鍛え直すのね」
「そうよ」

ゴーパチパチブオッ

「この辺でいいか」

何も言わずに、溶けた銅がスライム状で出てくる。

「ああ、生まれ変わったかのようだ。ご主人さま、感謝します」

「あ、やりすぎた。変な方向へ向かったかも」
「根性を入れまくりました」

さっきは弱々しかったのに、今度は…

「ああ、ご主人さま。わたくしにご命令ください」

これは、何か違うものが混じっているとしか。

「ごほん。では、あなたは2つのこの形になりなさい」

出してきたのは8面を持つサイコロ状なもの。

「仰せのままに」

形が変わっていく。
ぐねぐね形が変形して、2つの8面体が作られた。

「「ご主人さま。仰せの通り、姿を変えました」」

2つになったためか、回答がステレオで聞える。

「よし、あなたたちは、しばらくそのままでいなさい」
「承知…。わ、わかりました」

「あ~、もう時間切れか。まぁ、目的の形になったから、よしとするか」

「結局、なんだったのだ。性格が問題なのか」
「そうよ。8面体に正確に形を作るなら、躊躇していたんじゃ、なれない」
「そんなに難しいものだとは、思えないけれどな」
「気がついている?これ、表面は8面体だけど、その中に球体の空洞があるの」

元の8面体を見ても、全然分からない。

「外側の8面体と中側の球体を同時に形作るには、あの29番では出来なかったの。思い切りと自分の力が無いとね。いつもは、硬貨になっているから、あそこまでの決断力などは、無関係なんだけれど、今日は特殊だから」
「で、何を使用としているんだ」
「多面方向からの魔力充填と、一点突破のための魔力開放のための練習器具よ。29番はね、この器具を作るのに適しているのよ。時間が経つと勝手に抜けるし」

浄化作用?
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