遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第151話 実習2 クラウストラ

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そうやって、罠の迷宮を進み出口が見えたときは実習とは言え安堵したのは間違いない。

罠には一度も引っかからず、さらに罠の種類や作動手順、毒やら毒矢やらレッドスライムの話しも聞けて、本当の実習という感じになった。

ただし、これはランク1というのを思い出して、憂鬱になった。

「おめでとう。ノーミスだったようだね。作動したのは分かったけれど、被害なしってあったからねぇ」

「どこかで見ることができるのか?」

「はい。特別に見せましょう。こちらへ来て下さい」

そういうと梯子横の石壁の下の欠けているところに手を入れて何かをしているようだ。

カチッ

そんな音がすると、石壁がゆっくり中へ開いていく。

中は、結構広くて5人が入ってもまだまだ余裕だった。
そして部屋の中心にあったのは、球形の何か。

「これは、一般的に迷宮に不可欠と呼ばれている、迷宮管理球です。そのままですが、ダンジョンコアというのが俗称です。これが、迷宮にあるギミックを動かす原動力になっています」

「はい」

「はい。誠くん」

「使ったら、消える?」

「いいえ、ダンジョン内では魔力を吸収し続けています。この魔力は魔力路を通して迷宮管理球…単なる球体といいましょう。この球体に蓄えられます」

「魔法を使った時か?」

「それだけではなく、迷宮に入った時から、本人が気がつかないほどの魔力が流出しています。また、迷宮を壊すほどの魔力は迷宮自体から魔力が一気に引かれます。結果、そんなに大きい過激な魔法は使えません」

「なるほど、迷宮にはそういうカラクリがあるのか。で、罠は?」

「…まぁ、みなさん驚かれないと思いますので、普通の操作をしてみます。」


「球体…だめかな」

『そのような名前を頂いておりません』

「やっぱりダメか」

『当然です』

先生が頭をかいている。
何か間違えたっぽい。

そして、さっき聞えた声。
憮然とした声が誰かに似ていた。

「では、クラウストラ。通常起動」

『了解』

すると球体を中心としてスルーモニターが出現した。
スルーモニターは、空中に表示されるもので、そこにはタブレットなどの機器がある訳ではない。

科学技術側のもので、融合異世界になってから魔法技術側でも使われるようになった。
似たようなものはあったらしいが。

ここで、何かを忘れていると気がついた。
何か、かなり重要なことだ。
今、そもそも何をしているのだろう。

しかし、先生が発した言葉で、さーっと忘れてしまった。

「朝日さん。ぼーっとしていると説明始まりますよ」

アレ?
なんだっけ?
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