遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

第166話 ミニ サブシナリオ3 ゴミ拾い

「次は、これよ」

と、トーコが持ってきたのは“ゴミ拾い”
ここまで来ての登場だけあって、誰かの家の前の清掃・ゴミ拾いではなくて、町全体の清掃＆ゴミ拾いだとか。

「どう考えても、1日じゃ無理だろう」
「そこは、魔法よ。もちろん、学校の上から魔法を練って放出するの」

しかし、どう考えても魔法で何をしたらいいのやら。
風が関わってくるのは、確定だろうが。

「期限は？」
「期限は、だいたい1週間で2回。1日開けてくれると助かるそうよ」
「それなら、何とかなるか」

まぁ、トーコに任せれば、期限など無いに等しい。
ただし、トーコが納得するかどうかの問題になるだろう。

「まずは、私がお手本を見せるわね」

おっと、最初はお手本で1回クリアだ。

「風をゆっくり学校側から町の路地などを抜けて、海側に押し流すのをイメージして。海側に流れてきたゴミは1カ所に集まるようにイメージも必要ね」
「ゆっくり？」
「ゆっくり」
「強風とかで風を強くすれば、あっという間にゴミなんか無くなるだろ」
「強い風でゴミ拾いをしてしまうと、洗濯物や市場の商品なども吸い上げてしまうことになるわ。それでは、依頼は失敗どころじゃなく、損害賠償をもらうわよ」
「なるほどな」

確かに、これは気がつかなかった。
洗濯物の一部は、家と家の間に張ってあるロープ上に引っかけて干していたり、屋根に干していたりする。
この学校がある地域は、天気を事前に通知されていて、その通りになる。
誤ったことは、ほとんどないという。

だから、強風も天気の一部で予定外の風は、誰がやったかすぐ分かる。
ゴミ拾いのため、そんなことも分かっているのだ。

イメージ。
押し流し、海に着いたら、渦を巻くようにゴミが集まるイメージ。
なんとか出来上がった。

「できた？最初にする？？」
「最初にするが、サポートよろしく」
「いいわよ」

1回目は、押し出す風の量が足りず、途中で消えてしまった。
次は、少し多めにしたら、トーコに多すぎるとして、魔法をキャンセルさせられ、
3回目は、町から海へ出すことができたのに、海面上ではイメージ通りにゴミの挙動が操作できなかった。
この回だけは、トーコが全部回収したので、海にゴミが散乱するということにはならなかった。

「海面上には、弱いけれど風が吹いているの。ここの風は、昼間は町から、夜間は海からという具合に。ゴミが散乱しそうになっていたのは、町から押してきた風が、海面上で流れている風とぶつかったのが原因。そこも考慮してもう一度」

後日、予定通りの週2回の清掃を終えることができた。