32 / 48
第9章 理の使命2
91 魔法と封印
しおりを挟む
私の部屋になる、エリーさんの隣の部屋の準備が終わらないけれど、もう1つくらいは封印が解けない?とか言われたけれど、封印の存在自体を前回身をもって知った私は、トラウマになりそうな状況を教えてもらってから、悩むことが多くなった。
創世の女神と言われていたはずなのに、今も昔もそんな感じじゃなかった。知識でこそ、お姉ちゃんと同じくらいだと思ったのに、全然違った。お姉ちゃんだけじゃなかった。あいつもお姉ちゃんと同じくらいの能力を持っていた。
しかも、あの人は私と対を成す存在だった。
今は、違うということらしいし、その相手はこの部屋の持ち主である、王族。
第一王女だった。
エリーさんは、自分で言っていたような、落ちこぼれじゃなかったと思ったのだけど。どうやら、落ちこぼれていたのは、魔法の分野だけだったらしい。
その証拠に、街というより街を含んだこの空間全体(エリーさんは、箱船と言っていた)を覆う結界の維持管理や必要な物資の生成、街区ごとの人員配置、人外住民のための地下迷宮の開放、地下迷宮そのもの維持管理、街のほとんどの人が別の空間から追い出されたり弾かれたりしていた人たちで、そういう人たちの救済のためにこの箱船を差し向けることまでしていた。
王族もそれぞれ違う仕事をしているそうで、王妃は、こことは違う場所で指示を飛ばしているのだとか。
あの人は、そのエリーさんを自分の対となる存在として、エリーさんの能力を底上げする形で、箱船関係の作業権利を得て、今はそちらの作業の手助けをしている。
エリーさんの中には、エリーさんが眠っている時だけ表に上がって来られる、お姉ちゃんとあいつの意識がいる。本来の肉体はなくなってしまったそうだけれど。
そして、私に課せられたもの。
創世の女神として覚醒するために、12の封印を解くこと。
しかも、なるべく早く。
あの人がそれを強く望んでいるとエリーさん。
1つ目の封印である、金の封印は、みんなで開けてもらった。物凄く痛かった。
2つ目の封印は、1つ目の封印の対になるから、封印解除は、比較的簡単だと言われた。でも、私にどうすればいいのかが分からなかった。答えを探すヒマもなく、ここで2つ目の封印解除の準備に入るように言われたけれど、何をどうすればいいのか全く分からない。
まだ、隣の部屋では、作業が続けられているようだ。
気が付けば、外は夕闇を通り越して、夜に差し掛かろうとしていた。
箱船で、本来は昼夜というものはないはずなのに、諸般の事情により、昼夜もあるし四季もある、晴れの日や曇りの日もあるそうだ。雨だけは、魔法で作っていて余剰分がないので移動中は無理だとか。
悩んで悩んでそれでも、何をどうすれば分からない。
外は真っ暗。夜の時間になってしまった。
ところが、いつもなら部屋の灯りが付くはずなのに、夜と同時に部屋は真っ暗。
思わず、隣の部屋で作業をしている人たちに聞こえるように扉の前までになんとか行き、
「灯りが付かないの、どうしてなの。ねぇ…。」
と扉だと思うところを叩いてみた。
なんだか、扉じゃないみたいと思ったら、どうもそうらしい。明るかった時に覚えていたはずだったのに、暗闇で方向がずれたようだった。
光の魔法が使えれば、問題はないのになぜそんな簡単な事を学ぼうともしなかったんだろうと、少し自分が嫌になってしまった。でも、いつまでも暗闇の中にいることもできない。
ふと、最初に開放した封印の事が頭を過った。
あれは、確か”金の封印”。金って、何かの何だっけ?
うろ覚えだけれど、やってみる価値はあるし、今使わない手はないと思って、その魔法が使えるように祈りながら、魔法を発動させてみた。
『光よ!』
魔法体系をしらなくても、その資格があれば魔法の発動単語はなんでもいいことになっていたのが幸いして、光の魔法が発動した。
しかし、発動した光はやたら強い光になった。暗闇が一気に昼間になった。それくらいの明るさ。自分自身で発動した光を直に見てしまった私の視野は真っ白になってしまった。
真っ白な視界が少しずつ治まってきた、眼が回復してきたはずなのに、周囲はまだ真っ白だった。私が発動した光の魔法が強すぎるらしく、光以外は何も見えないというさっきとは逆の状態になってしまっている。
でも、少し安心した。これだけ強い光を放っているということは、魔力の減り方も早いはずと。その場に腰を下ろし、眼をつむって、手を目に当ててこれ以上目に光が入らないようにしてから待つことにした。
なぜか、周囲からの音も聞こえない。
少し疲れたなと思い始め、眼を開けて周囲を見渡すと、さっきよりも光る具合が弱くなっていた。光の魔法自体に光源は存在せず、明るくしたい領域全体が明るくなる。その領域のあちこちで光が弱くなっていた。それと同時に生まれるのは、光が遮蔽されたところに生じる影。影が少しずつ大きくなっていく。光が弱まると歩調を合わせるがごとく。
それは、一気に来た。
繋がったと思った次の瞬間だった。
2の封印、銅の開放が…
創世の女神と言われていたはずなのに、今も昔もそんな感じじゃなかった。知識でこそ、お姉ちゃんと同じくらいだと思ったのに、全然違った。お姉ちゃんだけじゃなかった。あいつもお姉ちゃんと同じくらいの能力を持っていた。
しかも、あの人は私と対を成す存在だった。
今は、違うということらしいし、その相手はこの部屋の持ち主である、王族。
第一王女だった。
エリーさんは、自分で言っていたような、落ちこぼれじゃなかったと思ったのだけど。どうやら、落ちこぼれていたのは、魔法の分野だけだったらしい。
その証拠に、街というより街を含んだこの空間全体(エリーさんは、箱船と言っていた)を覆う結界の維持管理や必要な物資の生成、街区ごとの人員配置、人外住民のための地下迷宮の開放、地下迷宮そのもの維持管理、街のほとんどの人が別の空間から追い出されたり弾かれたりしていた人たちで、そういう人たちの救済のためにこの箱船を差し向けることまでしていた。
王族もそれぞれ違う仕事をしているそうで、王妃は、こことは違う場所で指示を飛ばしているのだとか。
あの人は、そのエリーさんを自分の対となる存在として、エリーさんの能力を底上げする形で、箱船関係の作業権利を得て、今はそちらの作業の手助けをしている。
エリーさんの中には、エリーさんが眠っている時だけ表に上がって来られる、お姉ちゃんとあいつの意識がいる。本来の肉体はなくなってしまったそうだけれど。
そして、私に課せられたもの。
創世の女神として覚醒するために、12の封印を解くこと。
しかも、なるべく早く。
あの人がそれを強く望んでいるとエリーさん。
1つ目の封印である、金の封印は、みんなで開けてもらった。物凄く痛かった。
2つ目の封印は、1つ目の封印の対になるから、封印解除は、比較的簡単だと言われた。でも、私にどうすればいいのかが分からなかった。答えを探すヒマもなく、ここで2つ目の封印解除の準備に入るように言われたけれど、何をどうすればいいのか全く分からない。
まだ、隣の部屋では、作業が続けられているようだ。
気が付けば、外は夕闇を通り越して、夜に差し掛かろうとしていた。
箱船で、本来は昼夜というものはないはずなのに、諸般の事情により、昼夜もあるし四季もある、晴れの日や曇りの日もあるそうだ。雨だけは、魔法で作っていて余剰分がないので移動中は無理だとか。
悩んで悩んでそれでも、何をどうすれば分からない。
外は真っ暗。夜の時間になってしまった。
ところが、いつもなら部屋の灯りが付くはずなのに、夜と同時に部屋は真っ暗。
思わず、隣の部屋で作業をしている人たちに聞こえるように扉の前までになんとか行き、
「灯りが付かないの、どうしてなの。ねぇ…。」
と扉だと思うところを叩いてみた。
なんだか、扉じゃないみたいと思ったら、どうもそうらしい。明るかった時に覚えていたはずだったのに、暗闇で方向がずれたようだった。
光の魔法が使えれば、問題はないのになぜそんな簡単な事を学ぼうともしなかったんだろうと、少し自分が嫌になってしまった。でも、いつまでも暗闇の中にいることもできない。
ふと、最初に開放した封印の事が頭を過った。
あれは、確か”金の封印”。金って、何かの何だっけ?
うろ覚えだけれど、やってみる価値はあるし、今使わない手はないと思って、その魔法が使えるように祈りながら、魔法を発動させてみた。
『光よ!』
魔法体系をしらなくても、その資格があれば魔法の発動単語はなんでもいいことになっていたのが幸いして、光の魔法が発動した。
しかし、発動した光はやたら強い光になった。暗闇が一気に昼間になった。それくらいの明るさ。自分自身で発動した光を直に見てしまった私の視野は真っ白になってしまった。
真っ白な視界が少しずつ治まってきた、眼が回復してきたはずなのに、周囲はまだ真っ白だった。私が発動した光の魔法が強すぎるらしく、光以外は何も見えないというさっきとは逆の状態になってしまっている。
でも、少し安心した。これだけ強い光を放っているということは、魔力の減り方も早いはずと。その場に腰を下ろし、眼をつむって、手を目に当ててこれ以上目に光が入らないようにしてから待つことにした。
なぜか、周囲からの音も聞こえない。
少し疲れたなと思い始め、眼を開けて周囲を見渡すと、さっきよりも光る具合が弱くなっていた。光の魔法自体に光源は存在せず、明るくしたい領域全体が明るくなる。その領域のあちこちで光が弱くなっていた。それと同時に生まれるのは、光が遮蔽されたところに生じる影。影が少しずつ大きくなっていく。光が弱まると歩調を合わせるがごとく。
それは、一気に来た。
繋がったと思った次の瞬間だった。
2の封印、銅の開放が…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる