恋愛系短編集

夜空のかけら

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7 四つ子に婚約破棄された王子さま

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初回公開日時 2022.02.18 22:49  文字数 830  累計ポイント 3,802 pt
ジャンル 恋愛
完結:この作品は、他の小説とは独立した作品となっています。

話のタイトル あなたのこと、嫌いなの
---本文

「あなたの事、嫌いなの」

そう婚約者に言ったのは、メイ

「なぜだ。あんなに尽くしたのに。何が悪かったのか」

メイは笑う。

「妹と会っていたでしょ。私をのけ者にして。何を笑っていたのかしら」

「誤解だ。君の欲しい物を誕生日に送ろうと思っていて、それを聞いていただけだ」

「妹ねぇ~」

何を考えているのか、何も言わず。

「信用してくれないなら、ここまでだな」

早くこうすれば良かった。

「君との婚約を破棄しよう。その代わり君の妹と婚約することにしよう」

「妹…か。誰よ」

「誰とは?分からないなら教えてやろう。マイだ」

部屋の外からマイが覗いていたことを知っている。

「あなたのことは知らないわ」

部屋に入ってきたマイは開口一番そう言う。

「何を言っているんだい。あれほど語り合ったじゃないか」

メイとマイは姉妹である。

そっくりだから双子だろうと思っていたが…

まだ外から覗いている者がいるようで、

「外にいるのは誰だ!」

と鋭く言うと、メイとマイにそっくりな双子が出てきた。

「はーい。私が会っていました」

最後に入って来た子が言う。

「君か。マイではなくて名はなんていう」

「マーイよ。お姉様と似ているから間違えちゃったのね」

確かに似ている。

しかし、4人も見分けが付かないぞ。

今話した子は誰だ。

まぁいい。

「君と婚約したい。受けてくれるな」

この子がマーイだと思って手を取ろうとすると、手を払われてしまう。

「あなたの事は嫌いと言ったはずよ」

しまった、これはメイだったか。

めげずにその隣に手を出すと。

「あなたの事は嫌いと言ったはずよ」

は?

今、隣で同じセリフだった。

俺には分からないと思っているのか。


「「「「あなたの事は嫌い」」」」

「「「「婚約破棄しましょう。するなら私たちも助かるわぁ。恐怖があなたを襲う前に」」」」

4人が揃って耳元で囁く。

底知れぬ恐怖がもぞもぞと身体を覆っていく。

「分かった」

こうして、言いようのない恐怖から脱出できたのだが…

姉妹がいる家との婚約が出来なくなってしまった。

あの感覚を思い出すから。


---著者から一言
みんな同じ顔なので、混乱したのです。
一卵性双生児じゃなくて、一卵性四生児。
現実にはあり得ないと思いますが、可能性としてないかと言われるとそうとも言い切れないと思います。
なので、姉妹がいる家との婚約が出来ないのではなく、双子は無理というお話でした。
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