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58 時間はどうやって知ったのか

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懸念した通り、外は真っ暗。
失敗したなぁ。
ハジメがダブルベッドを見て、私を見て、何かに気がついた。

「ここは…」
「私は気にしないわよ。なんだったら、する?」
「しない。俺が気にする」
「そっかそっか。ベッドはダブルだけれど、向こうでバッチリ寝てきたからこっちじゃ眠くないしなぁ」
「俺もだ」

なら何をするかという話だよね。
そうだ、あれのことは言っておかないと。

「そうそう、ともえ様が言っていた転職はなしになったから。お婆ちゃんが掛け合ってくれて、形は出向という形にしてくれたの。今は、出向先からここへ出張中ってことで話がついたわ」
「それは良かったじゃないか。ちょっと気にしていたんだ」
「ちょっとか。まぁ、そうよね」
「ん?」
「なんでもない」
「しかし、余った時間をどうしようか。今の時間は…何時だ?」
「今の時間は…」

結局、そこが問題なのよね。
時計を見るためのポーズを決めて、

「21時半ね」

ハジメが時間を言ったのを不思議に思ったらしい。

「…それは何をしたのかい」

あれ?知らない?それなら教えておかないと。

「同じようにしてみて」
「同じように」

右手をまっすぐに伸ばして、握りこぶしを作るようにぎゅっとやってみせる。
ハジメも同じポーズを取る。
驚いている。

「時間は?」

時間以外にもステータスとかが出ていると思うけれど、とりあえず時間が知りたいのか。

「表示行を増やすか聞いているでしょ、そこを選択してみて」
「選択。これか」

コア・ブレインと話をしていると、心の中で選択をする方法というのを学んでしまう。
本来ならもっと迷うのだけど。
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