運命のいたずら世界へご招待～

70 夜がけ朝駆け亭

午前4時
早いグループはもう出発したみたいね。

「さて、私たちも行きましょうか」
「本当に大丈夫か」
「大丈夫よ」

寝袋や圧縮瓶が入ったバックパック型のインベントリをパンパンすると、扉を開けて階下へ。
ルームキーを店主の男に渡すとすっと外へ出て行く。

別にあなたのお宿のおかみを捕まえていますなんてことは言わない。
あなたもグルの可能性もあるし、私の宿泊していた部屋に入ったのが悪いのよ。

印刷屋さんに向うけれど、食堂でご飯を食べたいわね。
どこかいいところがないかしら？…ああ、MQコードというのがあったわね。
これで調べると…出た。

MQコードから朝やっている食堂で、印刷所に近い場所へと移動した。
『夜がけ朝駆け亭』
移動した先の食堂は宿屋併設の店だった。
名前の通りなのか、既に食堂は開いていて結構な人がいるようだ。
店に入るとすぐに給仕をしている女性が近づいてきて、

「いらっしゃい、どこでも好きな場所に座って。２人ね、すぐに食事を持ってくるわ」

どうやら食事内容は固定で人数だけを確認するとすぐに持ってくるらしい。
２人で開いている席に座ると、すぐにプレートに載った食事が運ばれてくる。

「お代は、銀貨２枚よ。２人だから４枚で、食べ終わったらそのまま出て行っても良いわ」
「はい、４枚」
「毎度ありがとうございます」

そして朝食を食べ始めたのだった。