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74 錬金術で生み出す紙?

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「印刷ということは紙に印刷ですよね?紙はどこです?」

印刷所では、白紙を大量に保存している。
ロール状になった反物を印刷後に裁断して、製本の手前の段階まで加工するのが一般的だ。
しかし、メンテナンス中だからなのか分からないが、その反物が見当たらないのだ。

「企業秘密だ」

紙が企業秘密?

「は?」

ハジメはその言葉で頭を捻っている。
きっと思わぬ用語を聞いたので、不思議が深まったのだろう。
でも私は、その言葉になるほどと思った。
なぜなら、紙ではない可能性があるからだ。
そう例えば…

「錬金術みたいですね」

元々、錬金術は金を生み出すための技術系で、無から有にしたり、数々の材料を加えたりして、目的の物を生みだそうとするものだ。
なら、紙を錬金術で生みだしても不思議では無い。
そして…

「あ~、まぁ他には言わないでくれよ。特別な調達ルートがあるのだ」

当ててしまったらしい。
特別な調達ルートというのが、錬金術ということなんだろう。

話を進めている間にメンテナンスは終了したらしい。
あちこち開いていたパネルがバタバタと閉じて印刷準備が整ったらしい。

「そろそろ印刷を始めるぞ」
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