13 / 25
第13話 4日目 家族になりたい
しおりを挟む
当然のことだが、門兵さんは結婚している。子供はいないらしい。
結婚しているという事は、この2人には名前があるということになる。
この世界では、名前自体に呪いをかけることができると“信じられている”。実際は、どうなっているのか知っている者はいない。
ただ、知らなくても過去からの慣例は、なかなか変えることができないのも仕方のないことだ。
2人の名前は、正式な名前を伏せたまま、仮名も同時に決められて、そちらを通用名として使う。正式な名前は2人しか知らないのだ。
これは、死んでも同様で、死霊使いに悪用されないためとされている。
ただし、自然に還すという意味で土葬にするのが本来なのだが、火葬が主になっている。合葬するのに土葬では場所がなくなるからだ。
門兵さんがまず自己紹介をするようだ。
「白い塩山の街へようこそ。俺はこの街の門を預かる兵士の1人。名前をコイルと言う。気軽に名前を呼んでいいぞ」
名前を呼ぶということは、身内認定と考えてもいいとなる。呼び捨てになると家族認定ということでもある。
その妻、女性が続けて自己紹介をした。
「同じく白い塩山の街のコイルの妻で、シルフィーと言います。私も名前もいいし、呼び捨てで構わないわ。よろしくね」
2人とも名前呼びがいいとなり、シルフィーに至っては家族認定という事になる。
こちらの2人は、まだ名前がない“はず”だったが、彼女が彼の手を繋いで語り掛けてきた。
『この2人なら、信用できる。教えたい。どうしようか』
『うん、そうだね。本来の名前はダメだから、通用名でいいと思うよ。家族になりたいんだね』
『うん』
2人の子供が手を繋いているのをシルフィーが見て
「本当に仲がいいのね」
なんだか僕の名前を言うのは、自分では初めてだったから、緊張してきたのか、顔が大変なことになった様子で
「どうしたの?悩んでいることがあったら、言ってもらえると嬉しいな」
そう、シルフィーが尋ねてきたので
「ぼ、ぼくの名前は、オリオンと言います。オリオン・スパイシーです。家族になり…たいです」
その言葉にコイルとシルフィーが驚く。
そして、彼女も自己紹介をする。
「わ、私の名前は、マリアナと言います。マリアナ・スパイシーです。私もオリオンと同じく、家族に…お願いします」
名前を言うということは、この2人が結婚しているという事になってしまう。子供でも名前を持つということが特別なことであるこの世界ならではのことだ。
しかも、苗字と言える名前も持っているのは、特別な人物だけで、普通は街の通用名に続けて名前をいうのだから、これは異常事態である。
結婚しているという事は、この2人には名前があるということになる。
この世界では、名前自体に呪いをかけることができると“信じられている”。実際は、どうなっているのか知っている者はいない。
ただ、知らなくても過去からの慣例は、なかなか変えることができないのも仕方のないことだ。
2人の名前は、正式な名前を伏せたまま、仮名も同時に決められて、そちらを通用名として使う。正式な名前は2人しか知らないのだ。
これは、死んでも同様で、死霊使いに悪用されないためとされている。
ただし、自然に還すという意味で土葬にするのが本来なのだが、火葬が主になっている。合葬するのに土葬では場所がなくなるからだ。
門兵さんがまず自己紹介をするようだ。
「白い塩山の街へようこそ。俺はこの街の門を預かる兵士の1人。名前をコイルと言う。気軽に名前を呼んでいいぞ」
名前を呼ぶということは、身内認定と考えてもいいとなる。呼び捨てになると家族認定ということでもある。
その妻、女性が続けて自己紹介をした。
「同じく白い塩山の街のコイルの妻で、シルフィーと言います。私も名前もいいし、呼び捨てで構わないわ。よろしくね」
2人とも名前呼びがいいとなり、シルフィーに至っては家族認定という事になる。
こちらの2人は、まだ名前がない“はず”だったが、彼女が彼の手を繋いで語り掛けてきた。
『この2人なら、信用できる。教えたい。どうしようか』
『うん、そうだね。本来の名前はダメだから、通用名でいいと思うよ。家族になりたいんだね』
『うん』
2人の子供が手を繋いているのをシルフィーが見て
「本当に仲がいいのね」
なんだか僕の名前を言うのは、自分では初めてだったから、緊張してきたのか、顔が大変なことになった様子で
「どうしたの?悩んでいることがあったら、言ってもらえると嬉しいな」
そう、シルフィーが尋ねてきたので
「ぼ、ぼくの名前は、オリオンと言います。オリオン・スパイシーです。家族になり…たいです」
その言葉にコイルとシルフィーが驚く。
そして、彼女も自己紹介をする。
「わ、私の名前は、マリアナと言います。マリアナ・スパイシーです。私もオリオンと同じく、家族に…お願いします」
名前を言うということは、この2人が結婚しているという事になってしまう。子供でも名前を持つということが特別なことであるこの世界ならではのことだ。
しかも、苗字と言える名前も持っているのは、特別な人物だけで、普通は街の通用名に続けて名前をいうのだから、これは異常事態である。
0
あなたにおすすめの小説
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
どうぞお好きになさってください
みおな
恋愛
学園に入学して一ヶ月。
婚約者の第一王子殿下は言った。
「学園にいる間くらい自由にさせてくれないか。君が王太子妃になることは決定事項だ。だから、せめて学園に通う二年間は、僕は恋がしたい」
公爵令嬢はその綺麗な顔に冷酷な笑みを浮かべる。
「好きになさればよろしいわ」
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
いつか優しく終わらせてあげるために。
イチイ アキラ
恋愛
初夜の最中。王子は死んだ。
犯人は誰なのか。
妃となった妹を虐げていた姉か。それとも……。
12話くらいからが本編です。そこに至るまでもじっくりお楽しみください。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる