彼と彼女の暴走日記

夜空のかけら

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第17話 ??日 お姫様の本音と貴族の欲望

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 士長と共に場所を移した先は、そのまま魔導士隊の持つ塔だった。
 中は、魔法などで動くエレベーターのようなものがあって、上下だけじゃなくて水平方向にも動いていた。

「なんだか、すごいですね」

 みんなが上を見ながら、鈴がそうつぶやく。

「初めてここに入った人は、みんな周りを見て、驚くんですよ」

 確かに、これはすごいと思った。
 思ったより大きいし、これだと高さもかなりあるんだろう。

「まずは、皆さまに最上層まで上がって頂き、そこでお話をしましょう。大丈夫、みんな、あなた方の味方です」

 いきなりの不穏な言葉。
 3人で、黙って頷くと、床面が何の音もせずに上昇し始めた。

「わ!びっくりしたー」
「いつもと同じように動かしてしまいました。申し訳ない」
「いえいえ、でも、床面の下が見えるということは、その反対だと困るのですが」

 彼女らは、学校の制服。
 要は、スカートの中身が見えてしまうことを危惧していたのだ。

「ああ、それはありません。上昇中は3重の安全装置で、外から中が見えなくなります。中から外は見えるのですがね」
「3重の安全装置?」
「それについては、機会があれば次の時に説明しましょう」

 どうやら、最上層に到達したらしい。
 そこは、透明な壁に囲まれた場所らしく、外が見える。
 だが、奇妙なことに気が付いたのは、梢だった。

「あれ?あっちの山の方が高い?」

 指を指した方に、山脈らしきものが見える。
 しかし、距離がかなりあった。

「ああ、ここでは高いものはどこからでも見ることができるのですよ」
「え?普通、どんなに高い建物でも、遠くから見ると小さく見えるけれど」
「ここは、いわゆる球体な世界ではないんですよ。あえて言うなら、平面な世界でしょうか」
「ということは、あの山は、この塔より高いっていうことになるか」
「あれは、連山ですね」
「「「連山?」」」
「ええ、周囲の深い森とセットで語られる、精霊が住むと言われている都市群がある場所です」
「精霊ですか?」
「精霊は、人前に姿を現すことは、あまりありません。だからでしょうか、姫様が精霊を欲しがってしまい、今回の召喚を行うことになったのです」
「迷惑なお姫様なんですね」
「ええ、ただし、本当の目的を隠したまま呼んだようで…」
「本来の目的?」
「この国は、王国なのですが、貴族の領地面積に増減がないまま500年も経ってしまい、貴族は自らの待遇に不満を持っているのです。それで、隣国や深い森の先にある街に戦争を起こし、自らの領地としたいのでしょう」
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