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王都に集まる元傭兵

森のカフェに居着いたくーちゃんたち

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 幹部たちは、どうやら例に漏れず動物好きみたいで森のカフェに集まることが多くなりました。でも、何故だか森のカフェに居着いてしまう動物が後を断たない。いつのまにかいなくなっては、増えて帰ってくる。

 動物たちの溜まり場と化した森のカフェは、大人は近づかないけど子どもたちの遊び場になっている。もふもふした動物が好みらしく子どもたちに付き合う動物は。

『人の子も私たちの毛並みにやられているらしいわね』

『ふむ、俺にも近づいては来ないものか』

『ママー、パパー人間ってうるさいねー。触るなよー』

『この私を屈服させるなんて……くっ、人間こわい』

 くーちゃんのパパさんはどうやら居たらしい。出産には立ち合わないだけだったようだ。それに、くーちゃんに傷を負わせたモンスターを仲間と殺しに出ていたみたいだから夫婦仲は良さそうだ。

「なんだか気が抜けるなー」

 ユイシュさんが、だらけたパンダのようにテーブルに突っ伏しました。アイカさんの親衛隊の方で可愛らしいのです。頬っぺたがリンゴのように赤いからリンゴちゃんがニックネームです。

「ほんとですね」

 ナシュとミリを見てそう、微笑むのはマリアさんだ。まるで聖母の微笑みです。

 ナシュは触られながら悪態をつくけど、態度はじゃれているようにしか見えないから可愛らしい。ミリは人間こわいと言いながら、尻尾はフリフリお腹を出して喜んでいるように見える。平和だな、なんて思ってしまいます。

 なんだか森のカフェは、もう癒しの空間ですね。動物たちの保護が目的でしたが、住み着いてしまっては大変です。餌は与えていないのに、溜まり場になってしまうのはなぜでしょう。

「はぁ、幹部になったのはこのためかもしれません」

 ユリアさんがくーちゃんの体に抱きつきながら言いますが、それは困りました。動物を好きなのはいいんですけどねー。

「ユリア、それは職務を忘れるくらいですの? アイカ様に言いつけますよ?」

 キャスリンさんも、だいぶアイカさん愛が強い方です。ユリユリな感じに時々、頬を染め語るキャスリンさんには引いてしまいそうです。

「ひ、ひどいですよー。誤解です。モンスターは駆逐せよですね」

 あわててユリアさんは取り繕いますが、キャスリンさんは意地悪に笑うだけです。からかっているだけですね。アイカさんを団長にした部隊は仲がよろしい。

 平和ですねー。

「団長! ここにいましたか」

 ロガンくんが、慌てたように森のカフェに入ってきました。珍しいです、動物を驚かせないように普段は気を使うロガンくんが。

「元傭兵たちが各地から集まったようです。団員にしてほしいらしく……」

 それは、大変ではないですかね?! 各地から集まったなら、各地のモンスターの対応が後手にまわりますから。私は拠点へと急ぎました。
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