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空を見上げる竜の涙
第三話
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事務所のまとめ役であるはずの自分の思い通りにならない現実に重光は苛々していた。なぜ、社長になったのに……。そんな鬱屈した重光の思考は纏まりがない。あちこちに、やり場のないストレスが散漫としている。
「ふむ、いい加減かな」
充は、そう小さく呟くとニコリと重光に笑いかける。
「重光さん。あなたは良き社長さんだ。然るに私は少し反省しようと思う。その意をこめて1週間、謹慎というのはいかがだろう?」
「は?」
重光は鳩が豆鉄砲をくらったように面を食らった顔をしている。当然だろう。あれだけボロクソに言われたあとに、反省の言葉をいきなり言われても頭に理解が追いつかない。いや到底、理解なんて誰もできない気まぐれにしか思えない対応の変化だ。
籠からバケットを取りだし胸一杯に匂いを吸い込む充は、目を瞑ってムシャリとバケットをかじった。
「思うに僕は、あまりに謹みや敬いが足りていないと自覚を持たなくてはなりませんよ。と、常々気づきなさいと言われてきました」
「お、おう?」
重光は、いまだピンときていない様子でよくわからない相槌をうつ。
「少し、私は調子に乗っていたのかもしれません。と、いうことでありまして。自主的に謹慎とさせていただきたい」
食べかけのバケットを指揮棒のようにふりまわして充は、満足気に頷くと椅子から立ちあがり事務所の出口に手をかけた。
「それでは。社長、失礼いたします」
「ん? こら! まだ承諾はしていないぞ!」
むなしく、重光の声がこだました気がした社員たちだった。
「ふむ、いい加減かな」
充は、そう小さく呟くとニコリと重光に笑いかける。
「重光さん。あなたは良き社長さんだ。然るに私は少し反省しようと思う。その意をこめて1週間、謹慎というのはいかがだろう?」
「は?」
重光は鳩が豆鉄砲をくらったように面を食らった顔をしている。当然だろう。あれだけボロクソに言われたあとに、反省の言葉をいきなり言われても頭に理解が追いつかない。いや到底、理解なんて誰もできない気まぐれにしか思えない対応の変化だ。
籠からバケットを取りだし胸一杯に匂いを吸い込む充は、目を瞑ってムシャリとバケットをかじった。
「思うに僕は、あまりに謹みや敬いが足りていないと自覚を持たなくてはなりませんよ。と、常々気づきなさいと言われてきました」
「お、おう?」
重光は、いまだピンときていない様子でよくわからない相槌をうつ。
「少し、私は調子に乗っていたのかもしれません。と、いうことでありまして。自主的に謹慎とさせていただきたい」
食べかけのバケットを指揮棒のようにふりまわして充は、満足気に頷くと椅子から立ちあがり事務所の出口に手をかけた。
「それでは。社長、失礼いたします」
「ん? こら! まだ承諾はしていないぞ!」
むなしく、重光の声がこだました気がした社員たちだった。
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