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二日酔いの朝
しおりを挟む「い゛、い゛だい゛~~~~っ!!」
頭の痛みで目が覚めた!
何?これ、頭の中がガンガン痛い!
「どう゛じでごんな゛に、あたまが痛いのぉ~」
「二日酔いだよ。ばぁか!何が大人だよ!」
言葉は乱暴なのに、顔は仕方が無いなという風に笑っていて……。
ルカ様は私に冷たい水を汲んできて飲ませてくれた。
そうだ!私は屋台で『清酒』を飲んで酔っぱっちゃったんだ!
「……ごめんなさい……」
頭は痛いし、吐き気もする。
せっかく番を見つけたのに、私はこの国に来て失敗ばかり……。
「気にするな。レネールで飲んでたやつより強い酒だったんだろ?これ二日酔いに効く薬」
「ありがとうございます」
「……ん。」
私が薬を飲み込むと、ルカ様は私をそっとベッドに倒し布団を掛け直してくれた。
「今日は休んどけよ。店には連絡しとくから」
「はい~」
ルカ様は大きな手を私の頭にポンッと乗せてー
「おとなしくしとけよ!」
そう言って仕事へと出掛けていった。
「これ、ルカ様のベッドだ……」
やっぱりルカ様は優しい。
それに比べて……私は失敗ばかり。
ルカ様に良いところ見せたいのにな……。
大好きな番の匂いに包まれて幸せな気分でもう一度眠った。
「おー、起きたか?」
次に起きた時には頭の痛みはスッキリと無くなっていた。
ルカ様は仕事が早く終わったと、昼過ぎには帰って来てくれたみたい。しかもお土産はラザニさんのお店で貰った消化のよいスープ。
「ほら、これ二日酔いにいいって……、ラザニさんがもってけってさ」
ルカさんはスープを温め直しお皿に入れて出してくれた。お野菜が柔らかく煮込まれたスープは少し甘くて優しい味。お腹のあたりがじんわり温かくなる。
「ごめんなさい。迷惑かけて……」
「全くだ。無理して飲むなよ」
ルカ様は腕を組んでちょっと呆れたように、わざと大袈裟に溜息を吐いた。
「家では本当にお酒に強い方だったの。お父さんはお酒を舐めるようにしか飲めないから『ゴクゴク飲めるエラトは強いね』って言われてたわ。」
昨日の『清酒』はきつくて辛いお酒だった。お父さんなら一舐めで目を回していただろう。
「レネールで飲んでたお酒ってどんなやつ?」
「えっと……甘酸っぱくてシュワシュワしてるやつ」
「ああ、あれか……」
ルカ様はそのお酒に心当たりがあるみたい。
「今度、買ってきてやるよ。だからあんまり無理して強い酒を飲むなよ?」
そう言って私の髪をそっと撫でてくれる。その優しい手つきが心地よくてうっとりと目を閉じた。
ルカ様はベッドに腰を掛けたまま、私の話をいっぱい聞いてくれた。
『お喋りエラト』って家族から呼ばれていた私は話し出したら止まらない!
獣人の国レネールの話や家族の話。ルカ様に伝えたい事はたくさんある。
ルカ様は時々笑って静かに相槌を打って、私のお転婆なエピソードに少し呆れて……。そうして私の話を全部聞いてくれた。
少しルカ様との距離が近づいた気がする。ルカ様が私を見る瞳が柔らかい。
ーーとはいえ
「うーん、全然恋人同士みたいな雰囲気にならないわ……」
ルカ様と同居生活を初めてもうすぐ一ヶ月になる。仲良くなったと思うのに、キスだってしていない。私はまだルカ様の恋人にはなれていなかった。
「何だか妹みたいな扱いなのよねー」
もしくはペット。彼にとって私は拾ってきた野良猫みたいなものなのかしら?
そう言えば、ルカ様と初めて会った時、彼はとっても大人っぽい女の人と一緒にいた。
「着ている服が好みじゃないのかも……。ちょうどお給料が貰えるし、新しい服を買おうかな?」
私は、ラザニさんのお店で貰った初めてのお給料で服を買いに行った。
「お客様、それをお買上げですか?」
「ええ、大人っぽい服が欲しいの」
「お客様にはもっとガーリッシュなスタイルの方が……」
「良いのよ!これください」
私は胸元の空いた身体の線がハッキリでるワンピースと赤いハイヒールを買った。
次はお化粧品のお店に行こう!
「お客様、そのお色味でよろしいのですか?」
「ええ」
「お客様はピンクとかオレンジ系の方がお似合いになるかと……」
「ううん。これが彼の好みなの」
お化粧のお店でつけまつげとパープルのアイシャドウ、そして深い赤のリップを購入した。
「これできっとルカ様も私の事を恋愛対象として見てくれるわ」
今日はルカ様と会ってちょうど一ヶ月記念日!
絶対に恋人同士になるんだ!
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