私は番を探しに人間の国に来ました

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レネールに帰ってきました!

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 ルカ様の提案で私はレネールに帰ることになった。ラザニさんは残念そうだったけど、番を見つけた私を祝福してくれた。

「ごめんなさい、ラザニさん。中途半端で辞めることになって」
「番が見つかったんだし、良かったよ。新しく働いてくれる人も見つかったからうちは大丈夫だよ」

 ラザニさんはそう言って私を快く送り出してくれた。






 マーヤを出てレネールまでの道中、ルカ様は小さい私の身体を気遣ってくれた。1時間ごとに「身体は大丈夫かよ?」って聞いてくるから結構過保護だと思う。

「ルカ様、この宿高くないですか?」

「あ?ベッドが小せえと俺が動きにくいし……」
 ルカ様は声を潜めて私の耳元に顔を近づけた。

「壁が薄いと、エラトの声が隣の部屋まで響くぞ?」

 え?私……そんな大きな声、出してたかなぁー?

 最中の事はよく分からない。けれど朝起きるといつも声が掠れて喉が痛いから、私の声は煩いのかもしれない。

 恥ずかしくて少し俯いていると、ルカ様が私の頭をくしゃりと撫でる。

「まあ、俺が口を塞いじまえば、そんな心配はいらねーけどな」

「え?」

 顔を上げた私の唇をルカ様の唇が素早く塞いだ。

「ん……♡」

 ええ?こ、ここ……人前です!
 恥ずかしくて、ドンと胸を押すと、ルカ様「こうすれば声は出せねーだろ?」なんて揶揄うように笑った。

 ルカ様は時々ちょっと意地悪だ。
 だけど……好き。

 私を揶揄って笑うとき、その意地悪な口調とは裏腹に、目はとても優しく細められていて……、胸がギュッとなる。

 その日は少し高級な宿をとった。そうしたら、ルカ様も私も箍が外れたように盛り上がちゃってその宿へはそのままもう1泊追加で泊まることになった。




~・~・~・~・~




 レネールに戻った私とルカ様をお父さんもお母さんも大歓迎。
 お父さんは相当私を心配していたらしく、戻ってきたその日はえぐえぐ泣いて大変だった。

「ルカくぅん、うちのエラトをよろしく頼むよー、いい子なんだぁ」
「まあ、あなたったら!ルカさん、エラトにはまだまだ行き届かない所があると思いますが、よろしくお願いしますね」

「はい。俺の全てをかけてエラトさんを幸せにします。」

 両親に会うときは、ルカ様も少し緊張してた。  
 聞きなれないルカ様の敬語。
 スーツを着てキチンと両親に挨拶しているルカ様の顔を、隣からこっそり仰ぎ見た。その真剣で凛とした眼差しを見て、彼の頼もしさに胸が熱くなる。

 ルカ様と本当に結婚するんだ!

 ルカ様は両親から結婚の許可を貰った後、改めてプロポーズしてくれた。

 獣人は番だって事が全てだから、プロポーズなんて習慣は無いけれど、人間は違うらしい。

 夕日の見える丘で片膝付いて私に指輪を差し出してくれた。その仕草は恭しくて、ルカ様らしくなくて……。

「エラト、俺と結婚してくれ。遊んでばかりいた俺だけど、これからは、生涯エラトだけを大切にする。誓うよ」

 人間のプロポーズってなんてロマンチックなの!

「はい!よろしくお願いします!」

 綺麗なオレンジ色の夕日も、ルカ様の照れた顔も、予め私の指のサイズを調べて作ってくれたダイヤモンドの指輪も、その輝きも。
 ぜんぶを瞳に焼き付けて、ルカ様の胸に飛び込んだ!

「ルカ様、嬉しい!」

 ルカ様はほっとしたように息を吐き、私を強く抱きしめた。
 こんな素敵なルカ様が番なんて最高!!


~・~・~・~・~


 私達は両親の進めで祖父母が昔住んでいた古い家に住むことになった。

「エラトはここの壁は何色がいい?」
「うーん、空色はどうかしら?」
「いいな、そうしようか」

 今日はルカ様の休日。彼はレネールに来てすぐに就職先を見つけてきた。
 ここレネールでも大工さんはお給料が高いから生活に困るような事はない。

 彼はお休みの日に、こうやってコツコツと家をリフォームしていた。
 祖父母の家には可愛い子供部屋が無いから作りたいらしい。

 私は大きくなってきたお腹を撫でながらルカ様の作業を見ていた。ルカ様は今、脚立に座って子供部屋の壁にペンキを塗っている。

 半袖のシャツを肩まで捲りあげて、日焼けした筋肉があらわ。その腕は逞しくて、色気があって……。 

(はぁー惚れ惚れしちゃう。ルカ様ってカッコイイ。)

 今私はその腕に顔を近づけてスリスリしたい気持ちを必死に抑えていた。

 私のソワソワ、ウズウズを感じとったのか、ルカ様は作業が終わると直ぐに脚立から降りて私を抱き上げてくれた。

「終わったの?」
「ん。あとは乾かすだけ」

 ルカ様の甘い匂いを胸いっぱいに吸い込む。
 顔を近づけておでこを合わせたまま微笑み合い、目を閉じて軽く唇を合わせる。

「はぁー」
「ん?どうしたの?」
「禁欲生活、つれー」

 珍しく情けない顔を見せるから思わず声を上げて笑ってしまった。

「先生が安定期に入ったから激しくなければ良いって!」
「本当か?」
「うん!」

 ルカ様が私をギュッと抱きしめてくれる。途端に強くなる甘い香り。

 ルカ様、大好き!!





天国のババ様ーー

 私の番はババ様の占い通り人間の国に居ました。愛されて今は幸せです!
 ババ様、ありがとう!!


ーー(完)ーー


稚拙なお話にお付き合いいただきありがとうございました。
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