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ロビン視点
しおりを挟む「ねえ、ロビン。今日もルカは来ないの?」
「ああ、最近あいつ付き合いわりぃーんだわ」
「えー、連れてきてよー」
「そうよー、ルカが居ないと盛り上がんないじゃん」
最近、飲み仲間のルカの付き合いが悪い。仕方がないので、一人で飲みに来ると女たちが俺にルカを連れてくるように催促してくる。
ルカは金回りも良いし背が高く顔立ちも整っているから、二人で飲みに来るといつも俺達の周りには女たちが集まってきていた。
みんな、ルカ目当てだが、俺もおこぼれに与っていてそれなりに満足していた。
「じゃあね、ロビン。また声掛けて。今度ルカも来たら、皆で盛り上がろうね!」
女たちは一旦は俺に話し掛けてくるが、ルカが来ないと分かると別の奴の所へと移動する。
「なんだよ。ルカが居ねーと俺は用無しかよ」
店内には大音量の音楽が流れ、酒に酔った奴らはその音量に負けないように大声で話をしている。慣れたはずの雰囲気。だが、今日はやけに煩く聞こえた。
「この後二人で別の場所に行こうぜ!」
「えー、きゃはは!いいけどぉーどうしようかなぁー」
隣のテーブルで、男が必死に女を誘おうとしている。
(あほらし……)
チラリと横目で見ると、いつも俺達にまとわり付いてくる女だ。
(ちっ、あの女……誰でもいいのかよ)
心の中で悪態をついていると、別の女がやって来て、俺の目の前にパンッと手を付いた。
「ねー、ロビン、ルカん家知らないのー?行こーよ!」
間延びした話し方。酔ってるのか?
「この間行って追い返されたよ。ルカはもう来ねーんじゃねえ?」
「えー、どうしてよ?」
「ルカって獣人の番だったらしいぜ?」
「えー、ルカが番なんてー、その子ラッキーねー。羨ましー」
(みんな、ルカ、ルカ、ルカ、って面白くねーな。もう二度とこんな場所に来るかよっ!)
苛立った俺は女が呼び止めるのも無視して店を出た。
それ以来、飲み屋街には行っていない。
「あっ、ルカっ!」
「おお!ロビンか。久しぶりだな。ちょうど良かった。俺、レネールに移住する事にしたんだ」
「え?マジで?」
「ああ、今、挨拶回りの最中」
ルカの後ろにはあの時に会った小さな獣人の女の子。番ってことは、この子と結婚するの??
「なんでわざわざレネールに移住するんだよ」
「俺とエラトの子供が産まれたら獣人と人間のハーフになるからな。向こうの方が育て易いと思うんだ」
「そのために?」
「ああ、『番』ってやっぱスゲーな。出来る事なら何でもしてやりたくなるんだよ」
「随分、急じゃないか?」
「早く引っ越さないと、エラトが身重になってからでは動きにくいからな。じゃあな、ロビン、お前も元気でな!」
そう言って笑うルカは今まで見たことがないくらいスッキリとした表情をしていた。
(身重ってことは……ルカ、この子供みたいな女の子とヤッてんのか……)
ルカの番だというその少女に視線を移す。俺を警戒しているのか、ルカの背中から顔だけ出してちょこんと会釈して愛想笑いを浮かべている。
(ロリコンじゃ無いって言ってたのに……。ルカが嵌まるんだから、意外に床上手なのか?……獣人の房中術か……。あのルカが夢中になるんだ。かなりイイって事か……)
「おいっ!」
不埒な事を想像していた俺をルカが現実に引き戻す。
「あんまりエラトをジロジロ見んなよ!」
ルカは番を俺の視線から隠した。
「ルカらしくないな。心が狭いんじゃないか?」
「なんとでも言え!お前も最愛を見つけたら分かるさ。じゃあな!」
ルカは獣人の少女を抱きかかえ、安心したように笑って手を振った。
(最愛か……。俺も見つけたいな、最愛!)
ルカの少し浮かれた背中を見送り、俺も少し晴れ晴れした気分で歩き出した。
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