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アーシャント殿下視点2
「私はなんて事をしてしまったんだ。」
朝になり凄まじい後悔に襲われる。
自分のしでかしてしまった事の重大さに目の前が真っ暗になった。
裏切った。
あの聖女であるミュゼリールを裏切ってしまったのだ。
「許してもらえるだろうか?」
もう自分を見失うことはしないと固く心に誓った。
ラディールに二度と触れることはせず、彼女が起きる前に公爵邸を後にした。
それからは後悔の日々。
後ろめたさでミュゼリールとは更に余所余所しくなってしまう。もっと距離を縮めたいのに………。
私はラディールと一度だけ身体を重ねてしまったが、それ以降は何もしていない。
けれどその罪悪感や自己嫌悪で自分が汚れたように感じる。あの清廉なミュゼリールに触れることすら躊躇ってしまう。
しかし、聖女と私が白い結婚だと広まると不味い。
ミュゼリールとの関係を修復する必要がある。
このままではいけない。そんな思いで、私はラディールの所に通う事を止める事を決断した。
そんな事を考えながら過ごしていたある日、書類仕事が一段落着くと、ノクティスが徐に口を開いた。
「王宮に行儀見習いに上がっている令嬢数名がミュゼリール様に嫌がらせしています。対処してはいかがでしょう?」
「なに!そんな不届きな者が?」
「いますね。彼女たちの実家も後ろ暗い事がありますし、不正の証拠も揃えてあります。どうされますか?」
「分かった。早急に対処しよう。」
ノクティスはテキパキと文官達に指示を与える。
「それから、もうすぐミュゼリール様の誕生日です。どうされますか?」
「ドレスと、何か花を………。」
「ドレスはマダムフレルに頼みましょう。この間仕立てた服を気に入っていたようでしたし。花は何を?」
「うーん。薔薇にしようか?」
「アザレアはいかがでしょう?ミュゼリール様はよく庭園でアザレアを見ていますから。」
ノクティスがミュゼリールの好みを知っていることが意外だった。
こいつは社交界でも浮いた噂一つない。
どんなに美しい令嬢が近づいて来ても表情一つ動かさないような奴だ。
幼なじみであり、従兄弟であり、側近でもある。一番近い存在。
「どうしてそんなことを知ってる?」
ノクティスは呆れたように溜め息を吐いた。
「逆にどうして花の好みぐらい知らないのですか?」
そう言われれば従う他無い。
私はプレゼントの手配をノクティスに頼んだ。
★★★
「ミュゼリール、誕生日おめでとう。」
そう言って花を渡せば、ミュゼリールは驚いて目を丸くしている。
「私の好きな花………ご存知だったのですね。」
「……これは……ノクティスが………。」
肯定すれば良いものを、意地があったのかノクティスが選んだことを正直に話した。
「そう。ノクティス様が………。」
花を受け取ったミュゼリールは嬉しそうに花をギュッと胸に抱き込んだ。
ふんわりと柔らかな表情で花を見る。
ミュゼリールのそんな無防備な表情は普段見ることが無い。
ああ、この笑顔が私に向けられたのならどんなに幸せだろう。
「ミュゼリール、初夜は本当にすまなかった。許されるなら、そなたと本当の夫婦になりたい。私の愛を受け入れて欲しい。」
私は彼女に愛を乞うよう、そう口にした。
朝になり凄まじい後悔に襲われる。
自分のしでかしてしまった事の重大さに目の前が真っ暗になった。
裏切った。
あの聖女であるミュゼリールを裏切ってしまったのだ。
「許してもらえるだろうか?」
もう自分を見失うことはしないと固く心に誓った。
ラディールに二度と触れることはせず、彼女が起きる前に公爵邸を後にした。
それからは後悔の日々。
後ろめたさでミュゼリールとは更に余所余所しくなってしまう。もっと距離を縮めたいのに………。
私はラディールと一度だけ身体を重ねてしまったが、それ以降は何もしていない。
けれどその罪悪感や自己嫌悪で自分が汚れたように感じる。あの清廉なミュゼリールに触れることすら躊躇ってしまう。
しかし、聖女と私が白い結婚だと広まると不味い。
ミュゼリールとの関係を修復する必要がある。
このままではいけない。そんな思いで、私はラディールの所に通う事を止める事を決断した。
そんな事を考えながら過ごしていたある日、書類仕事が一段落着くと、ノクティスが徐に口を開いた。
「王宮に行儀見習いに上がっている令嬢数名がミュゼリール様に嫌がらせしています。対処してはいかがでしょう?」
「なに!そんな不届きな者が?」
「いますね。彼女たちの実家も後ろ暗い事がありますし、不正の証拠も揃えてあります。どうされますか?」
「分かった。早急に対処しよう。」
ノクティスはテキパキと文官達に指示を与える。
「それから、もうすぐミュゼリール様の誕生日です。どうされますか?」
「ドレスと、何か花を………。」
「ドレスはマダムフレルに頼みましょう。この間仕立てた服を気に入っていたようでしたし。花は何を?」
「うーん。薔薇にしようか?」
「アザレアはいかがでしょう?ミュゼリール様はよく庭園でアザレアを見ていますから。」
ノクティスがミュゼリールの好みを知っていることが意外だった。
こいつは社交界でも浮いた噂一つない。
どんなに美しい令嬢が近づいて来ても表情一つ動かさないような奴だ。
幼なじみであり、従兄弟であり、側近でもある。一番近い存在。
「どうしてそんなことを知ってる?」
ノクティスは呆れたように溜め息を吐いた。
「逆にどうして花の好みぐらい知らないのですか?」
そう言われれば従う他無い。
私はプレゼントの手配をノクティスに頼んだ。
★★★
「ミュゼリール、誕生日おめでとう。」
そう言って花を渡せば、ミュゼリールは驚いて目を丸くしている。
「私の好きな花………ご存知だったのですね。」
「……これは……ノクティスが………。」
肯定すれば良いものを、意地があったのかノクティスが選んだことを正直に話した。
「そう。ノクティス様が………。」
花を受け取ったミュゼリールは嬉しそうに花をギュッと胸に抱き込んだ。
ふんわりと柔らかな表情で花を見る。
ミュゼリールのそんな無防備な表情は普段見ることが無い。
ああ、この笑顔が私に向けられたのならどんなに幸せだろう。
「ミュゼリール、初夜は本当にすまなかった。許されるなら、そなたと本当の夫婦になりたい。私の愛を受け入れて欲しい。」
私は彼女に愛を乞うよう、そう口にした。
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