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18.エドゥアール視点
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とうとうこの日を迎えた。
父が女遊びを繰り返す俺に心底憐れんだように「お前は好きな人がいないんだなぁ。可哀想に。」と言っていたのを思い出す。
好きな人と過ごす夜は特別だ。
今なら分かる。
相手に幸せを感じさせる夜の過ごし方なんて今まで考えた事は無かった。
けれど今は、この夜がルビールにとって幸せであるようーーそう願う。
ーーコンコンコン
「……はい。」
お互いの部屋の間にある寝室をノックすると消え入りそうなか細い声で返事が聞こえた。
寝室に入るとルビールはベッドの上で腰掛けて待っていた。
後ろからでも首筋と耳が真っ赤に染まっているのが見える。肩は硬く縮こまり、その座っている姿だけで彼女の緊張が伝わるようだ。
ルーシーに支度を整えられ、薄い夜着を身に付けた彼女は、小さな肩とほっそりとした身体のラインが儚げで………。
強く抱くと壊れてしまいそうで不安になる。
彼女の緊張を解すにはどう声を掛ければいい?
それすらも分からないほど頭の中は真っ白だ。
ーーギシッーー
ルビールの隣に腰を下ろすが彼女は俯いたまま……。
肩に手を回すと、彼女の身体がびくりと跳ねた。
「緊張するね。」
彼女は尚も俯いたままでコクンと頷く。
未だ表情が見えないことに不安が募った。
彼女は俺と身体を重ねることが嫌なのだろうか?
「ルビール、……嫌?」
「いやじゃ…ない…です。」
拒否されなかったことに安堵し気づかれないよう小さく息を吐いた。
彼女の初めての時間を最上のものにしてあげたい。
「出来るだけ優しくするから、どうか俺に全部任せて。」
正直初めての女性を相手にしたことは何度もある。
経験豊富な俺が相手だと安心だと言っていた。
けれど緊張で俯いたままの愛しい人が、どうすれば顔を上げてくれるのか、それすらも分からないでいた。
恐る恐る彼女の顔を覗き込むと、涙目になった茶色い瞳が見える。
俺と目を合わせる事が出来ずに恥ずかしそうに視線を反らす。その仕草が愛らしくてそっと唇を重ねた。
「んっ。」
甘い吐息が漏れる。
その吐息ごと奪うように深く口づけると、ほんの少し口紅の香りがした。
そのまま頭を支えるように手を回し、彼女をゆっくりとベッドに押し倒した。
薄く施した化粧が何ともいえない色香を醸し出し、少し頬に掛かる髪も、色づいた唇も全てが完璧に美しく見えて、俺を煽る……。
無垢な彼女を自分が今から汚してしまうのだ。
神をも冒涜するような背徳感に自然と気持ちが昂った。
「ルビール、いい?」
夜着に手を掛けると彼女の瞳に怯えの色が浮かんだ。
性急になって怖がらせてはいけない。
自分の心を落ち着けるように、小さく深呼吸した。
ルビールは恥ずかしそうにしていて、俺との視線が合わない。
少しでもその瞳に自分を映して欲しく彼女を至近距離から見つめた。
「ルビール、俺を、見て。」
おずおずというようにゆっくり視線が合わさる。
「あ、あの…。何をするかは分かったのですが…どうすれば良いか……。」
「大丈夫、……俺に全部委ねて欲しい……。」
唇が触れそうな距離で囁いてそのまま口づける。
「肌を合わせたところの体温を感じて……。」
角度を変えて、少し深く口づける。
「ぅん。」
少し開いた唇から舌を入れ、口腔内を柔らかく刺激する。
遠慮がちに差し出された舌を絡めとり擦り合わせると、彼女の身体から力が抜けた。
「ほら……触れたところが温かくて気持ちいい。」
彼女の緊張を解すように、背中を撫でる。
「緊張しないでいいよ。俺がちゃんと解すから。……だから…俺を受け入れて……。」
耳元で囁いて、そのまま耳朶を食んだ。
「ん。」
「可愛い。好きだよ。」
そのまま首筋に舌を這わせるとルビールは擽ったそうに肩を上げて身を捩る。
そのまま夜着をずらそうとすると、ルビールは夜着がはだけないように硬く布地を握りしめた。
「恥ずかしい?」
微かに震える彼女の腕を取る。手首の下の部分、柔らかい肌の内側に吸い付いて、赤い痕を残した。
肌に付いた赤い印を見せつけるようにして、ルビールの瞳を見つめる。
「俺のだって印……いや?」
「…うれしい…です。」
眉をへにょりと下げて、消えるような小さな声で呟く。
ルーシーの選んだ夜着は薄くて、胸の頂の色がほんのり透けている。
全てを脱ぐのを恥ずかしがる彼女が可愛いくてレースの上から舌を這わせた。
胸の頂には触れないようにその周りだけを舌先で刺激すると彼女から甘い吐息が漏れだした。
「あっ、んぅ……。」
唾液で薄布が肌に貼り付いてその頂の形を露にする。
ほんの少し濃いその色が扇情的で……俺を誘う……。
父が女遊びを繰り返す俺に心底憐れんだように「お前は好きな人がいないんだなぁ。可哀想に。」と言っていたのを思い出す。
好きな人と過ごす夜は特別だ。
今なら分かる。
相手に幸せを感じさせる夜の過ごし方なんて今まで考えた事は無かった。
けれど今は、この夜がルビールにとって幸せであるようーーそう願う。
ーーコンコンコン
「……はい。」
お互いの部屋の間にある寝室をノックすると消え入りそうなか細い声で返事が聞こえた。
寝室に入るとルビールはベッドの上で腰掛けて待っていた。
後ろからでも首筋と耳が真っ赤に染まっているのが見える。肩は硬く縮こまり、その座っている姿だけで彼女の緊張が伝わるようだ。
ルーシーに支度を整えられ、薄い夜着を身に付けた彼女は、小さな肩とほっそりとした身体のラインが儚げで………。
強く抱くと壊れてしまいそうで不安になる。
彼女の緊張を解すにはどう声を掛ければいい?
それすらも分からないほど頭の中は真っ白だ。
ーーギシッーー
ルビールの隣に腰を下ろすが彼女は俯いたまま……。
肩に手を回すと、彼女の身体がびくりと跳ねた。
「緊張するね。」
彼女は尚も俯いたままでコクンと頷く。
未だ表情が見えないことに不安が募った。
彼女は俺と身体を重ねることが嫌なのだろうか?
「ルビール、……嫌?」
「いやじゃ…ない…です。」
拒否されなかったことに安堵し気づかれないよう小さく息を吐いた。
彼女の初めての時間を最上のものにしてあげたい。
「出来るだけ優しくするから、どうか俺に全部任せて。」
正直初めての女性を相手にしたことは何度もある。
経験豊富な俺が相手だと安心だと言っていた。
けれど緊張で俯いたままの愛しい人が、どうすれば顔を上げてくれるのか、それすらも分からないでいた。
恐る恐る彼女の顔を覗き込むと、涙目になった茶色い瞳が見える。
俺と目を合わせる事が出来ずに恥ずかしそうに視線を反らす。その仕草が愛らしくてそっと唇を重ねた。
「んっ。」
甘い吐息が漏れる。
その吐息ごと奪うように深く口づけると、ほんの少し口紅の香りがした。
そのまま頭を支えるように手を回し、彼女をゆっくりとベッドに押し倒した。
薄く施した化粧が何ともいえない色香を醸し出し、少し頬に掛かる髪も、色づいた唇も全てが完璧に美しく見えて、俺を煽る……。
無垢な彼女を自分が今から汚してしまうのだ。
神をも冒涜するような背徳感に自然と気持ちが昂った。
「ルビール、いい?」
夜着に手を掛けると彼女の瞳に怯えの色が浮かんだ。
性急になって怖がらせてはいけない。
自分の心を落ち着けるように、小さく深呼吸した。
ルビールは恥ずかしそうにしていて、俺との視線が合わない。
少しでもその瞳に自分を映して欲しく彼女を至近距離から見つめた。
「ルビール、俺を、見て。」
おずおずというようにゆっくり視線が合わさる。
「あ、あの…。何をするかは分かったのですが…どうすれば良いか……。」
「大丈夫、……俺に全部委ねて欲しい……。」
唇が触れそうな距離で囁いてそのまま口づける。
「肌を合わせたところの体温を感じて……。」
角度を変えて、少し深く口づける。
「ぅん。」
少し開いた唇から舌を入れ、口腔内を柔らかく刺激する。
遠慮がちに差し出された舌を絡めとり擦り合わせると、彼女の身体から力が抜けた。
「ほら……触れたところが温かくて気持ちいい。」
彼女の緊張を解すように、背中を撫でる。
「緊張しないでいいよ。俺がちゃんと解すから。……だから…俺を受け入れて……。」
耳元で囁いて、そのまま耳朶を食んだ。
「ん。」
「可愛い。好きだよ。」
そのまま首筋に舌を這わせるとルビールは擽ったそうに肩を上げて身を捩る。
そのまま夜着をずらそうとすると、ルビールは夜着がはだけないように硬く布地を握りしめた。
「恥ずかしい?」
微かに震える彼女の腕を取る。手首の下の部分、柔らかい肌の内側に吸い付いて、赤い痕を残した。
肌に付いた赤い印を見せつけるようにして、ルビールの瞳を見つめる。
「俺のだって印……いや?」
「…うれしい…です。」
眉をへにょりと下げて、消えるような小さな声で呟く。
ルーシーの選んだ夜着は薄くて、胸の頂の色がほんのり透けている。
全てを脱ぐのを恥ずかしがる彼女が可愛いくてレースの上から舌を這わせた。
胸の頂には触れないようにその周りだけを舌先で刺激すると彼女から甘い吐息が漏れだした。
「あっ、んぅ……。」
唾液で薄布が肌に貼り付いてその頂の形を露にする。
ほんの少し濃いその色が扇情的で……俺を誘う……。
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