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2章
6.
今日は、魔石の採掘場の視察に同行している。
リュート王国では魔石がとても重要で、王族の方々が定期的に視察に来ている。
違法取引がないか役人を見張る目的もあるが、労働者への労いのためだ。
リュート王国では王族が国民に大人気だ。
担当者が採掘現場の案内をしてくれている。
周囲には人々が集まっていて、騎士達が警備を行っている。
担当者の説明に耳を傾けていると、突然三人の騎士が斬りかかってきた。
「謀反だ‼取り押さえろ‼」
騎士は私の方に向かってきたけれど、私はシオン様の防御魔法で透過する。あっと言うまに犯人は他の騎士に取り押さえられてしまった。
犯人が縛られると、犯人の周りの魔法が解除されたのが分かる。
すると、認識阻害の魔法が解けて急に姿を現した陛下と王妃様に捕らえられた犯人達が驚いている。
「どうして陛下が……」
犯人達は状況を確認するよう辺りを見回す。
「ゴメット侯爵に騙されたんだ。陛下を狙うなんて聞いていない‼」と叫んでいる。
騎士隊長が縛られた犯人の前に来て尋問する。
「お前達の雇い主は?」
「ゴメット侯爵だ。」
「お前達の目的は?」
「シオン殿下の婚約者の令嬢を殺すよう頼まれた。」
「ここにはいないが?」
騎士隊長が訝しげな表情で口調を強くする。
犯人達は驚いて私の方を見る。犯人達以外には私は見えていない。
「嘘じゃない‼報酬が高すぎるのと、令嬢一人に三人も騎士を雇うなんて怪しいと思っていたんだ。騙されたんだ‼」
一人喚く男の横で黙って俯いている二人にも確認する。
「この男の言っていることは本当か?」
「ああ。本当だ。」
「俺も怪しいと思ってた。」
「誰を狙おうと、お前達が陛下に剣を向け襲いかかったのは事実。多くの証人もいる。」騎士隊長に冷たく言われ、縛られた男達は騎士に馬車に詰め込まれ連れていかれた。
ゴメット侯爵視点
この国の王族は欲がない。魔石の取引を上手く利用すれば、国はもっと潤うだろう。
他の国の平和なんてこと考えなければ、魔石の値段はいくらでもつり上げられる。
この国の三男のシオン殿下は膨大な魔力を持っている。本当の属性は秘匿されているが。
シオン殿下は野心が全く無くていつもへらへら笑っているような人柄だ。カトリーナをシオン殿下に嫁がせ、真面目で善良なこの若造を利用すれば、もっと政治に干渉出来る。
まずは我が家が後ろ楯になって、王位を継がせなければ。
☆☆☆☆☆☆
シオン殿下がティネス王国へ留学した。計画に遅れが生じた。シオン殿下の取り込みは学園卒業まで待たなければならない。
そんな中、ティネス王国の公爵令嬢と婚約したと連絡が届いた。
なんてことだ。なんとしてもこの縁談を潰さなければ。
そう思っていたところに、シオン殿下が婚約者を連れて王宮に帰って来た。
令嬢の評判を落としてやろうと画策するが、上手くいかない。
毒も効かない。調査すると令嬢は闇属性の魔法が使えるらしいので自分で解毒したのだろう。
忌々しい。
こうなれば、騎士に殺させよう。
ここはリュート王国だ。連れてきた従者と侍女も殺せばいい。
適当に窃盗の罪でも被せ、捕らえる途中に抵抗して斬られたことにしよう。たった一人の令嬢のためにティネス王国も戦争は起こさないだろう。
ただ、いつもシオン殿下が付いているし厄介だ。確実に殺すため騎士を多めに雇おう。
シオン殿下の婚約者が魔石の発掘現場に視察に行くらしい。
騎士に襲わせるチャンスだ。
大勢の騎士が屋敷に押し入ってきた。
「ゴメット侯爵。あなたに謀反の容疑が掛かっています。ご同行願えますか?」
謀反?
何が起こったのだ!
謁見の間で拘束されたまま、陛下の前に連れて来られた。
陛下は無表情で私を見下ろす。
側に控える宰相が罪状を読み上げる。
ファーマイド公爵令嬢への毒の混入は知っているが謀反とはどういうことだ?
「ゴメット侯爵。貴殿は騎士を3人買収し、陛下と王妃の魔石採掘現場視察の日に襲わせた。それに相違ないな?」
「陛下と王妃は狙っていない。」
「確かに騎士はファーマイド公爵令嬢を狙うよう指示されたと証言している。」
「しかし、大勢の民の前で、貴殿の雇った騎士達が陛下と王妃に斬りかかったのは事実。目撃者も多数おるぞ。」
「騎士三人もゴメット侯爵に雇われたと証言しています。また、その証言する様子もも大勢の民が目撃しました。」
「もう言い逃れは出来ん。今までの国への貢献も考慮して、極刑は避けよう。ゴメット侯爵は終身刑、領地は没収し暫く王家が管理する。娘と奥方は修道院へ。」
陛下の後ろでシオン殿下が冷たい笑みを浮かべる。
こんな表情が出来る男だったか?
読み間違えた。
気付いたのが遅かった。
リュート王国では魔石がとても重要で、王族の方々が定期的に視察に来ている。
違法取引がないか役人を見張る目的もあるが、労働者への労いのためだ。
リュート王国では王族が国民に大人気だ。
担当者が採掘現場の案内をしてくれている。
周囲には人々が集まっていて、騎士達が警備を行っている。
担当者の説明に耳を傾けていると、突然三人の騎士が斬りかかってきた。
「謀反だ‼取り押さえろ‼」
騎士は私の方に向かってきたけれど、私はシオン様の防御魔法で透過する。あっと言うまに犯人は他の騎士に取り押さえられてしまった。
犯人が縛られると、犯人の周りの魔法が解除されたのが分かる。
すると、認識阻害の魔法が解けて急に姿を現した陛下と王妃様に捕らえられた犯人達が驚いている。
「どうして陛下が……」
犯人達は状況を確認するよう辺りを見回す。
「ゴメット侯爵に騙されたんだ。陛下を狙うなんて聞いていない‼」と叫んでいる。
騎士隊長が縛られた犯人の前に来て尋問する。
「お前達の雇い主は?」
「ゴメット侯爵だ。」
「お前達の目的は?」
「シオン殿下の婚約者の令嬢を殺すよう頼まれた。」
「ここにはいないが?」
騎士隊長が訝しげな表情で口調を強くする。
犯人達は驚いて私の方を見る。犯人達以外には私は見えていない。
「嘘じゃない‼報酬が高すぎるのと、令嬢一人に三人も騎士を雇うなんて怪しいと思っていたんだ。騙されたんだ‼」
一人喚く男の横で黙って俯いている二人にも確認する。
「この男の言っていることは本当か?」
「ああ。本当だ。」
「俺も怪しいと思ってた。」
「誰を狙おうと、お前達が陛下に剣を向け襲いかかったのは事実。多くの証人もいる。」騎士隊長に冷たく言われ、縛られた男達は騎士に馬車に詰め込まれ連れていかれた。
ゴメット侯爵視点
この国の王族は欲がない。魔石の取引を上手く利用すれば、国はもっと潤うだろう。
他の国の平和なんてこと考えなければ、魔石の値段はいくらでもつり上げられる。
この国の三男のシオン殿下は膨大な魔力を持っている。本当の属性は秘匿されているが。
シオン殿下は野心が全く無くていつもへらへら笑っているような人柄だ。カトリーナをシオン殿下に嫁がせ、真面目で善良なこの若造を利用すれば、もっと政治に干渉出来る。
まずは我が家が後ろ楯になって、王位を継がせなければ。
☆☆☆☆☆☆
シオン殿下がティネス王国へ留学した。計画に遅れが生じた。シオン殿下の取り込みは学園卒業まで待たなければならない。
そんな中、ティネス王国の公爵令嬢と婚約したと連絡が届いた。
なんてことだ。なんとしてもこの縁談を潰さなければ。
そう思っていたところに、シオン殿下が婚約者を連れて王宮に帰って来た。
令嬢の評判を落としてやろうと画策するが、上手くいかない。
毒も効かない。調査すると令嬢は闇属性の魔法が使えるらしいので自分で解毒したのだろう。
忌々しい。
こうなれば、騎士に殺させよう。
ここはリュート王国だ。連れてきた従者と侍女も殺せばいい。
適当に窃盗の罪でも被せ、捕らえる途中に抵抗して斬られたことにしよう。たった一人の令嬢のためにティネス王国も戦争は起こさないだろう。
ただ、いつもシオン殿下が付いているし厄介だ。確実に殺すため騎士を多めに雇おう。
シオン殿下の婚約者が魔石の発掘現場に視察に行くらしい。
騎士に襲わせるチャンスだ。
大勢の騎士が屋敷に押し入ってきた。
「ゴメット侯爵。あなたに謀反の容疑が掛かっています。ご同行願えますか?」
謀反?
何が起こったのだ!
謁見の間で拘束されたまま、陛下の前に連れて来られた。
陛下は無表情で私を見下ろす。
側に控える宰相が罪状を読み上げる。
ファーマイド公爵令嬢への毒の混入は知っているが謀反とはどういうことだ?
「ゴメット侯爵。貴殿は騎士を3人買収し、陛下と王妃の魔石採掘現場視察の日に襲わせた。それに相違ないな?」
「陛下と王妃は狙っていない。」
「確かに騎士はファーマイド公爵令嬢を狙うよう指示されたと証言している。」
「しかし、大勢の民の前で、貴殿の雇った騎士達が陛下と王妃に斬りかかったのは事実。目撃者も多数おるぞ。」
「騎士三人もゴメット侯爵に雇われたと証言しています。また、その証言する様子もも大勢の民が目撃しました。」
「もう言い逃れは出来ん。今までの国への貢献も考慮して、極刑は避けよう。ゴメット侯爵は終身刑、領地は没収し暫く王家が管理する。娘と奥方は修道院へ。」
陛下の後ろでシオン殿下が冷たい笑みを浮かべる。
こんな表情が出来る男だったか?
読み間違えた。
気付いたのが遅かった。
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