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小話
レベック視点
辺境の民皆が崇拝する閣下の元に来た婚約者は小さな小動物のような少女でした。
その少女はあっという間に恋をしたことがない閣下の心を掴み皆が驚いたものです。
辺境伯家に仕えるみんなが閣下が恋に堕ちる瞬間を目撃しました。
「わー、堅物で有名な閣下がデロデロですねぇー!!」
隣で喋ってるのは婚約者様の専属侍女になる予定のエリーゼ。婚約者がちょこちょこ歩いているのを見て喜んでいます。いえ、私も目が離せませんが……。
「婚約者様かっわいいですねぇー、私お仕えするの楽しみです。」
そしてキオネ様は領主邸の宝として、みんなから大切にされることになりました。
~・~・~・~・~
「レベックさん、これで全部ですか?」
キオネ様は来て直ぐに、ユピテル辺境伯家と交流のある他家への挨拶状をお書きになりました。
見かけこそ可愛らしいですが、しっかりと教育されたご令嬢。
挨拶文もそつが無く、軽い確認作業で充分です。
訓練で疲れた閣下や兵士のために領主邸を居心地良くしようと心を砕く彼女に、私たち使用人も彼女を心からお守りしようと思うようになっていきました。
今日も閣下に抱きかかえられて尻尾をブンブン振っています。
この光景を見て癒されるのは私だけでは無いでしょう。
~・~・~・~・~
「俺が留守の間キオネを頼む。」
大規模討伐の遠征に出掛ける前、閣下にそう頼まれました。
これは、責任重大です。
何せ、キオネ様は閣下の宝。
これは命を賭して守る覚悟が必要です。
「はっ、命に代えましても。」
私は直ぐにエリーゼに相談しました。
閣下不在時に問題となるのは閣下に思いを寄せる女性たち。
閣下はこの年まで独身でモテないと思われがちですが、辺境の女性たちには人気があります。
まず自警団の女性兵士
殆ど閣下との接点を求めて志願してきます。
そして、出入りの裕福な商家の娘たち。
そして、我がユピテル領の隣の伯爵領のご令嬢。この方は閣下が毛嫌いしています。
閣下不在時にキオネ様を追い出そうとやって来てもおかしくありません。
「兎に角、キオネさまが誤解なさっては大変です。閣下が不在の間は商人との品物の受け渡しも領主邸の中には入れずに、門番の休憩場所を整理して使いましょう。きっと父親に付いて来るお嬢様方が居ますよ。それと、自警団との会合も中止がいいのでは?閣下に憧れる女性の中には狂信的な方もいますから、理由をつけてキオネ様に会おうとするかもしれません。」
「そうですね。で、伯爵令嬢は?」
「閣下の許可無く誰もお屋敷には入れられないと突っぱねましょう。閣下もあの方は嫌ってますし、キオネさまを守るためと言えば怒られませんよ。きっと閣下不在を狙って来るに違いありません。」
伯爵令嬢を追い返しても閣下が怒ることは無いでしょう。その点については私も同意です。
女性であるエリーゼに相談して良かったです。やはりそれくらいの警戒が必要のようですね。
「分かりました。キオネ様にもしものことがあれば一大事。警戒してし過ぎることはありませんね。エリーゼの言う通りにしましょう。」
私とエリーゼの相談の結果領主邸は厳戒態勢を取ることになりました。
~・~・~・~・~
「だから、婚約者様に挨拶に来たの。通して頂戴。」
「申し訳ありませんが、閣下不在の今、誰であろうと中に入れるなとの命令であります。」
「わたくしが直々に出向いたのよ?一言の挨拶くらい良いじゃないっ!!」
「こ、困ります。」
「わたくしに触らないでっ!!」
門番の制止を振り切り、ケラプラ伯爵令嬢が敷地内に入って来ようとしたため、待機していた女性使用人が素早く対応しました。
「ケラプラ様、困ります。」
数名の女性使用人で囲んで伯爵令嬢を敷地の外へと追い出します。女性だと触れたとしても問題が無いため対応しやすいようです。
「門を閉めてっ!!」
エリーゼの合図で、ケラプラ様が敷地の外へ出たのを確認して目の前で門が閉められました。
「ここの使用人たちは教育がなって無いわっ!こんな失礼なことをしてっ!エヴァン様に言い付けてやるっ!!」
門の鉄格子を掴んで叫ぶケラプラ様。
令嬢としての気品もありませんね。
彼女を追い出すことが出来たのでもう一安心です。
本来ならこのような失礼な対応は出来ないのですが、ご令嬢に男性門番が触れて騒がれたら困るので、門番と共に女性使用人を配置しました。
エリーゼの作戦が成功したようです。
「やっぱりでしたね。男性が触れないのを良いことに強引に入って来ると思ったんですよ。」
流石はエリーゼ、やはり女性の行動については同性の方が詳しいようです。
こうして恙無くキオネ様をお守り出来ました。
明日はいよいよ帰還です。
「キオネさま、うぶなので、閣下の居ない隙に恋愛小説をオススメしておきましたっ!キオネさま勉強熱心で三冊も読破しましたよっ!」
エリーゼが悪戯っぽく笑います。
閣下に怒られても知りませんからね。
討伐隊が帰還する事を伝えると、閣下不在の間、ずっと見れなかったキオネ様の耳と尻尾がパタパタと揺れて私たち使用人を癒してくれます。
キオネ様が本当に閣下の事が大好きな事が私たち使用人にも伝わるから、この方を大切にしたいと思わせてくれるのです。
辺境の民皆が崇拝する閣下の元に来た婚約者は小さな小動物のような少女でした。
その少女はあっという間に恋をしたことがない閣下の心を掴み皆が驚いたものです。
辺境伯家に仕えるみんなが閣下が恋に堕ちる瞬間を目撃しました。
「わー、堅物で有名な閣下がデロデロですねぇー!!」
隣で喋ってるのは婚約者様の専属侍女になる予定のエリーゼ。婚約者がちょこちょこ歩いているのを見て喜んでいます。いえ、私も目が離せませんが……。
「婚約者様かっわいいですねぇー、私お仕えするの楽しみです。」
そしてキオネ様は領主邸の宝として、みんなから大切にされることになりました。
~・~・~・~・~
「レベックさん、これで全部ですか?」
キオネ様は来て直ぐに、ユピテル辺境伯家と交流のある他家への挨拶状をお書きになりました。
見かけこそ可愛らしいですが、しっかりと教育されたご令嬢。
挨拶文もそつが無く、軽い確認作業で充分です。
訓練で疲れた閣下や兵士のために領主邸を居心地良くしようと心を砕く彼女に、私たち使用人も彼女を心からお守りしようと思うようになっていきました。
今日も閣下に抱きかかえられて尻尾をブンブン振っています。
この光景を見て癒されるのは私だけでは無いでしょう。
~・~・~・~・~
「俺が留守の間キオネを頼む。」
大規模討伐の遠征に出掛ける前、閣下にそう頼まれました。
これは、責任重大です。
何せ、キオネ様は閣下の宝。
これは命を賭して守る覚悟が必要です。
「はっ、命に代えましても。」
私は直ぐにエリーゼに相談しました。
閣下不在時に問題となるのは閣下に思いを寄せる女性たち。
閣下はこの年まで独身でモテないと思われがちですが、辺境の女性たちには人気があります。
まず自警団の女性兵士
殆ど閣下との接点を求めて志願してきます。
そして、出入りの裕福な商家の娘たち。
そして、我がユピテル領の隣の伯爵領のご令嬢。この方は閣下が毛嫌いしています。
閣下不在時にキオネ様を追い出そうとやって来てもおかしくありません。
「兎に角、キオネさまが誤解なさっては大変です。閣下が不在の間は商人との品物の受け渡しも領主邸の中には入れずに、門番の休憩場所を整理して使いましょう。きっと父親に付いて来るお嬢様方が居ますよ。それと、自警団との会合も中止がいいのでは?閣下に憧れる女性の中には狂信的な方もいますから、理由をつけてキオネ様に会おうとするかもしれません。」
「そうですね。で、伯爵令嬢は?」
「閣下の許可無く誰もお屋敷には入れられないと突っぱねましょう。閣下もあの方は嫌ってますし、キオネさまを守るためと言えば怒られませんよ。きっと閣下不在を狙って来るに違いありません。」
伯爵令嬢を追い返しても閣下が怒ることは無いでしょう。その点については私も同意です。
女性であるエリーゼに相談して良かったです。やはりそれくらいの警戒が必要のようですね。
「分かりました。キオネ様にもしものことがあれば一大事。警戒してし過ぎることはありませんね。エリーゼの言う通りにしましょう。」
私とエリーゼの相談の結果領主邸は厳戒態勢を取ることになりました。
~・~・~・~・~
「だから、婚約者様に挨拶に来たの。通して頂戴。」
「申し訳ありませんが、閣下不在の今、誰であろうと中に入れるなとの命令であります。」
「わたくしが直々に出向いたのよ?一言の挨拶くらい良いじゃないっ!!」
「こ、困ります。」
「わたくしに触らないでっ!!」
門番の制止を振り切り、ケラプラ伯爵令嬢が敷地内に入って来ようとしたため、待機していた女性使用人が素早く対応しました。
「ケラプラ様、困ります。」
数名の女性使用人で囲んで伯爵令嬢を敷地の外へと追い出します。女性だと触れたとしても問題が無いため対応しやすいようです。
「門を閉めてっ!!」
エリーゼの合図で、ケラプラ様が敷地の外へ出たのを確認して目の前で門が閉められました。
「ここの使用人たちは教育がなって無いわっ!こんな失礼なことをしてっ!エヴァン様に言い付けてやるっ!!」
門の鉄格子を掴んで叫ぶケラプラ様。
令嬢としての気品もありませんね。
彼女を追い出すことが出来たのでもう一安心です。
本来ならこのような失礼な対応は出来ないのですが、ご令嬢に男性門番が触れて騒がれたら困るので、門番と共に女性使用人を配置しました。
エリーゼの作戦が成功したようです。
「やっぱりでしたね。男性が触れないのを良いことに強引に入って来ると思ったんですよ。」
流石はエリーゼ、やはり女性の行動については同性の方が詳しいようです。
こうして恙無くキオネ様をお守り出来ました。
明日はいよいよ帰還です。
「キオネさま、うぶなので、閣下の居ない隙に恋愛小説をオススメしておきましたっ!キオネさま勉強熱心で三冊も読破しましたよっ!」
エリーゼが悪戯っぽく笑います。
閣下に怒られても知りませんからね。
討伐隊が帰還する事を伝えると、閣下不在の間、ずっと見れなかったキオネ様の耳と尻尾がパタパタと揺れて私たち使用人を癒してくれます。
キオネ様が本当に閣下の事が大好きな事が私たち使用人にも伝わるから、この方を大切にしたいと思わせてくれるのです。
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