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第一章 放浪
15話 原因
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鍛冶屋から出た2人は再び街の中央を目指して街道を駆ける。
「メア!手、もう自分で走れるから」
シオンが小さく呟くと、まだシオンの手を握ったままだったことを思い出す。
その手を離したことで左手が空いたメアリーはそのまま左手を鞘の方へと滑り込ませた。
「シオン、この先に何があるか分からないわ。でも戦う準備はしておいて」
そう言われるシオンも果たして何と戦うのか分からなかった。
そもそも今回何が原因でこうなったのだろうか、シオンは思考を巡らせる。
(誰かが暴れた?それにしては被害が大きすぎるし。じゃあ自然災害?にしてはなぜあれほどまで局地的にしか被害が出ない?)
そう考えるも答えは一向に浮かんでこない。
そんなシオンに対してメアリーは考える事をやめていた。何が原因であっても彼女は切り捨てるのみである。
しかし、相対的な考えをしていた2人だが、真実を目の当たりにした第一声は一致する。
「「どうして」」
2人は固まるが、それも僅かな時間。
メアリーはシオンよりも先に硬直状態から逃れ動き始める。
「シオン!」
そう言って再び手を取り走り出す。
「メアリー様!」
そう聞こえて2人が振り返ると、自分達が通ってきた街道。その上に佇む1人の女性がいた。
「ヘスカさん....」
「すいません、緊急事態応急対策としてお二人様に依頼させて下さい」
そう言われて2人は固唾を飲む。
「中央公園の上空を舞うこのアイスドラゴンの群れを討伐していただけませんか」
そう言われて2人は断るわけにはいかなかった。
元々この惨劇の原因を突き止め、それを止める為に向かってきたのである。
なぜこの街の住民ではない2人がこんな事をするのかと思われるかもしれない。
だが、2人は山脈での異変に関する依頼で自らの実力を評価されていた。
その実力を持っておきながらこの街に危機が迫るなか最前線で戦わなくてどうしようか。
「分かりました、出来るとこまでやってみます」
まだ固まったままのシオンを置いて歩き始めたメアリーは、
「朝にしては寒すぎるわ」
そう言って右手で剣を引き抜くと剣先を地面に引き摺らせて歩く。
その刀身は、アイスドラゴンによって発生した冷気に反応してさらに輝きを増している。
「シオン様は行かなくてもよろしくて?」
「僕はメアとは違って上手く戦えません。いつも足を引っ張ってしまうんです」
そう言って自分を卑下するシオン。
しかし、それはヘスカからすれば的外れな意見である。
「そうですか....」
そう呟いてメアリーの方へと視線を移す。
数メートル先から彼女の方へと伸びた線を伸ばしながら進む彼女を見てシオンはどう思っているのだろうか。
それはヘスカにも分からなかった。
「メア!手、もう自分で走れるから」
シオンが小さく呟くと、まだシオンの手を握ったままだったことを思い出す。
その手を離したことで左手が空いたメアリーはそのまま左手を鞘の方へと滑り込ませた。
「シオン、この先に何があるか分からないわ。でも戦う準備はしておいて」
そう言われるシオンも果たして何と戦うのか分からなかった。
そもそも今回何が原因でこうなったのだろうか、シオンは思考を巡らせる。
(誰かが暴れた?それにしては被害が大きすぎるし。じゃあ自然災害?にしてはなぜあれほどまで局地的にしか被害が出ない?)
そう考えるも答えは一向に浮かんでこない。
そんなシオンに対してメアリーは考える事をやめていた。何が原因であっても彼女は切り捨てるのみである。
しかし、相対的な考えをしていた2人だが、真実を目の当たりにした第一声は一致する。
「「どうして」」
2人は固まるが、それも僅かな時間。
メアリーはシオンよりも先に硬直状態から逃れ動き始める。
「シオン!」
そう言って再び手を取り走り出す。
「メアリー様!」
そう聞こえて2人が振り返ると、自分達が通ってきた街道。その上に佇む1人の女性がいた。
「ヘスカさん....」
「すいません、緊急事態応急対策としてお二人様に依頼させて下さい」
そう言われて2人は固唾を飲む。
「中央公園の上空を舞うこのアイスドラゴンの群れを討伐していただけませんか」
そう言われて2人は断るわけにはいかなかった。
元々この惨劇の原因を突き止め、それを止める為に向かってきたのである。
なぜこの街の住民ではない2人がこんな事をするのかと思われるかもしれない。
だが、2人は山脈での異変に関する依頼で自らの実力を評価されていた。
その実力を持っておきながらこの街に危機が迫るなか最前線で戦わなくてどうしようか。
「分かりました、出来るとこまでやってみます」
まだ固まったままのシオンを置いて歩き始めたメアリーは、
「朝にしては寒すぎるわ」
そう言って右手で剣を引き抜くと剣先を地面に引き摺らせて歩く。
その刀身は、アイスドラゴンによって発生した冷気に反応してさらに輝きを増している。
「シオン様は行かなくてもよろしくて?」
「僕はメアとは違って上手く戦えません。いつも足を引っ張ってしまうんです」
そう言って自分を卑下するシオン。
しかし、それはヘスカからすれば的外れな意見である。
「そうですか....」
そう呟いてメアリーの方へと視線を移す。
数メートル先から彼女の方へと伸びた線を伸ばしながら進む彼女を見てシオンはどう思っているのだろうか。
それはヘスカにも分からなかった。
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