自由への道 ゲーム化した現実で姫を味方につけての勇者冒険(chatGPT 利用作品)

にとろ

文字の大きさ
5 / 12

第一幕その5

しおりを挟む
 冒険の日々は続いた。
 その中で、俺は長老会議が気になっていた。向こうも俺を調べているらしい。

「どうしたの?」

 ある日、ユウナと城下町を歩いている時のことだ。
 彼女が俺の顔を覗き込んで言った。

「わからない。カイトと会うのは嫌な予感がするんだ。何かが違う気がするんだ」

 俺は彼女へ正直な気持ちを言った。
 カイトとのやりとりは出会ってから何度もあった。
 だけど、彼は長老会議の事になるとひどく慌てる。何かを隠している。
 それはわかっているからこそ、彼が知っていることを聞き出すことにしたのだ。

「だけど違う気がする」

 もう一度、俺は言った。この言葉は彼女に向けたものでは無かった。自分に言い聞かせる為に言った。

「大丈夫。カイトは悪い人ではないですし、私もついています」

 ユウナは俺に微笑んで、剣の柄に指を添えた。

「そうだな」
「言いたいことはわかるわ。でも、私たちは前に進まなければなりません。長老評議会が何を隠しているのか、突き止める必要がある……ですよね?」

 カイトの家に近づくと、建物を取り囲むような暗く不吉なオーラに迎えられた。
 ユウナは身震いしながらも、俺に近づく。

「どうしてここに?」

 玄関に姿を見せたカイトは、よそよそしく飄々としていて、その視線は冷たかった。
 そして「なぜ、ここに来たのか」彼は厳しい声で問いかけた。

 俺達は決意に満ちた眼差しで一歩前に出た。

「俺たちは長老評議会の真実を知りたい。彼らは何かを隠している。そしてカイトは何かを知っているのだろう?」

 俺は単刀直入に尋ねる。
 カイトは厳しい笑いをこぼした。

「長老会議が何かを隠していると思うのは愚かなことだ。彼らはこの世界の支配者であり、その権限は絶対だ」

 やはりいつもと違う。何かに怯えている。

「でも、ダークロードはどうなの?」

 ユウナが一歩カイトへと近づく。
 ダークロードというのは魔物達の王らしい。世界の常識の一つとしてユウナ達との会話で聞いた。俺が元の世界で遊んでいたゲームでも設定上はいたと憶えている。

「かの存在は長老会議と協力しているという噂を聞いたことがあります。それは本当ですか?」

 カイトは表情を曇らせ、怒りに満ちた目を光らせた。

「ダークロードは侮れない存在ですが、長老会議の同盟者ではありません。彼らは対立し、この世界の支配をめぐって常に争っているのだ」

 俺とユウナは顔を見合わせた。もし、長老会とダークロードが対立しているとしたら、それは自分たちの世界と未来に何を意味するのだろうか。
 ユウナはダークロードの件を、俺は自分がこの世界に招かれた理由を。
 それぞれ知りたい事ができて、カイトを問い詰めることにした。
 そしてカイトは何かを知っている。

「もういいだろう。僕は忙しい」
「カイト、貴方は一体何を知っているの?」

 カイトの家でやりとりをしていると、兵士たちがやってきた。

「長老会議から召集がかかっている」と、そのリーダーが告げた。

 仕方なく俺とユウナは兵隊についていき、評議会の本部に向かう。
 会議場に入ると、長老たちが高座に座り、軽蔑の眼差しで彼らを見下ろしながら迎えてくれた。

 長老の一人が、「お前たちは、この世界に問題を起こしてきた者たちだ」と言った。
 さらに別の長老が続ける。

「お前たちは質問し、非難してきた。すぐにやめないと、ひどい目にあうぞ」と。

 まるで監視していたような物言いだ。いや、監視していたのだろう。きっと俺を。

 俺は決意して、前に進み出た。

「俺は真実を見つけるまで止めない。俺は危険なゲームの駒として、誰にも使われることは無いんだ」

 長老たちは笑い、その笑い声が会議室に響き渡った。

「お前はもういい。別の者を招くことにしよう」

 彼らは一斉に言い続ける。

「我々はダークロードの力を手にしている。躊躇なくそれをお前たちに使ってやろう」

 長老たちが両手を挙げ、その力を解き放つ。
 俺とユウナは突然、鮮やかな光に包まれた。
 そして、その光が消えたとき、俺達は暗く不気味な森の中にいて、不気味な存在と対面していた。
 それが何なのかは直ぐに分かった。ダークロードだ。

「私の世界に迷惑をかけたのはお前たちか」

 ダークロードは怒りに満ちた声で言った。

「だから言っただろう? 僕も監視されていたんだ」

 そこにはカイトもいた。彼は困った顔で苦笑する。
 だけど、話をする余裕は無い。

「邪魔をした報いを受けろ」

 ダークロードが言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった

黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった! 辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。 一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。 追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!

処理中です...