異分子マンション

カナデ

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 ノブユキは続けて、カウンター内に立つハルの名を呼んだ。

「お前さんに渡したサプリメント、全然減っていないようだが?」

「三日は飲みましたよ。特に効果が感じられなかったのでやめました」

「あのなぁ……。サプリメントってものは三日ごときで効果を実感できるわけじゃないぞ。即効性なんかありゃしない」

「すぐ効果が出ないのなら食生活を整えた方が早いと思います。僕も叔父さんも」

「それを言われちゃ反論できないな」

 ノブユキはレトルト食品や菓子パンをたっぷり購入し、店を出て行った。足音が消えたところで、カルトンを拭いているハルに声を掛ける。

「おじさんも異彩者なの?」

「いえ。このコンビニに来る以外ほぼ引きこもり……というのは構わないのですが。酷い偏食で、妹がよく心配しています」

「そんな叔父に心配されるようじゃ、管理人さんもダメじゃないの?」

「痛いところを突きますね。でも僕は、叔父みたいに適当な食事をしているわけではないですよ? ちゃんと自分の頭で考えています」

 ハルにしては珍しく、棘のある物言いだった。
 それでも表情は柔らかい。

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