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しおりを挟むどの眼科も検査は行ってくれたが、結局「他をあたってくれ」と投げ出されてしまった。
酷い医者は「珍しいものだからお金になるかもしれませんよ」と言い、専門の研究機関に行こうと誘ってきた(もちろん断ったが)。
母さんは「今の主治医に出会えてよかった」と繰り返していたし、あたし自身感謝している。コンタクトレンズを作成してからはレンズの交換時しか足を運ばなくなったが。
「リツコちゃんはいつからそのコンタクトレンズをしているんだい?」
「小学校二年生です」
「それ以前は裸眼で生活していたんだよね? お前さんの周囲で異変が起きたことは?」
「酷いいじめに遭いました」
「そういったことではなく。たとえばお前さんの眼を見たヒトが体調を崩して倒れたとか、逆に重い病気が奇跡的に治ったとか」
昔は近所の人に不躾な視線を向けられ続けた。もしノブユキの言うような効力があるなら、早い段階で気付いていたのではないだろうか。
それに、ファミリアでも数人に眼を見せている。
少なくともあたしの知る範囲では、彼らに目立った変化はない。彼らが何かを隠しているなら話は別だが。
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