異分子マンション

カナデ

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【side.テツジ】7

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 ……でも。
 ぼくはハルくんたちの手間を増やしている。その事実は確かだ。

「……迷惑かけてごめんね。二時からバイトしてるリツコさんはレジ業務もやってるみたいなのに……」

「リツコさんはリツコさん、テツジさんはテツジさんですよ。それぞれのペースで、それぞれできることをやればいいんです。無理しなくていいですからね」

 ハルくんは優しく微笑んでくれた。
 ファミリアに入居するまで、家族以外の人とまともに会話できなかったぼく。そんなぼくに対し、ハルくんはいつも温かく接してくれた。

 そして、コンビニの仕事を辞めたシュンスケくんも。彼はぼくのことを「友達」だと言ってくれた。そんなふうに接してくれた人は初めてだ。勢いの良さに最初は戸惑ったが、ぼくみたいな奴を気に掛けてくれるのが嬉しかった。

 ぼくがコンビニで働くことは、二人を助けることにもなるのだ。
 やっぱり――役に立ちたい。

「あの、ハルくん……。今度の月曜日、レジの使い方を教えてくれないかな?」


(Next Resident→)

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