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【事件がないなら起こそうぜ!】
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しおりを挟む【マリア】というカリスマモデルが殺害された事件。ラジオで速報を聞いていたノア&エリックは――
ノア
「犯人は楽屋の缶コーヒーに毒物を仕込み、マリアの殺害を目論んだんじゃねーかな。容疑者はマリアの楽屋を出入りした4人に絞られてるらしい」
エリック
「缶コーヒーの指紋は? 検出されているのか?」
ノア
「マリア含め5人の指紋が検出されてる。マリア以外の4人と、当日彼女の楽屋に入った4人の指紋が一致した――だから容疑者になったという感じ」
エリック
「マリアの楽屋に入った全員が、飲みもしないのに、同じ缶コーヒーを手に取っていた……ということか? ご都合主義というか何というか……。そのコーヒーがどういった経緯で楽屋に置かれたのか不明だが、たとえばスーパーで購入したものなら店員の指紋も出てくるんじゃ?」
ノア
「今回問題となる缶コーヒーには、容疑者4人+被害者の指紋しか残ってねーの!」
エリック
「毒物が仕込まれたのは缶コーヒーの飲み口部分……何かしら塗ってあったということだよな? マリアが口を付けなくても、別の誰かが素手でその部分を触り、手を洗わないまま粘膜に触れたりする可能性もあるわけで。計画殺人としてはあまりに杜撰すぎると――」
ノア
「今回はそういう可能性を除外して考えるヤツなの!」
エリック
「無茶苦茶じゃねーか……(;´・ω・) この事件、いろいろ不自然だぞ。下手すぎるアナウンサーに原稿を任せた点も含め、何かウラがありそうだ……」
ノア
「不自然でご都合主義なのは目をつむってくれよ(´・ω・`) 本作は推理小説じゃなく、あくまでオレが〝探偵トレーニング〟を行うコメディだから。この事件もオレが起こしたんだ」
エリック
「……は?(・・;)」
ノア
「さっきのニュース速報は、オレの書いた脚本をマリアに読んでもらったもの。全部〝ドラマ仕立てのフィクション〟なんだ」
エリック
「……要するに、マリアは死んでないってことか?」
ノア
「そういうこと(*^▽^*) 今回の事件はただの脚本だから、マリアは生きてるし本物の殺人犯が出てくることもない。サスペンスドラマを見る感覚で話を進めてくれれば大丈夫!」
エリック
「文才も何もないノアが考えた事件だから設定も雑なのか……」
ノア
「だってオレ、そんな賢くねーもん。推理作家の先生みたいにすごい事件なんて考えられねーよ。現代文のテストなんか赤点だったし……(;'∀')」
エリック
「事件がフィクションだということは理解したが、さっきのラジオ速報は? ノア、CDからラジオに切り替えていたよな。どうやって電波をジャックしたんだ」
ノア
「あれは本物のラジオじゃなくて、マリアが事前収録したCD。ラジオに切り替えるフリをして、こっそり再生ボタンを押したんだ(^ν^)」
エリック
「マリアってのは一体何者なんだ。本来俺たちが登場する作品のどこにも存在しないだろ」
ノア
「本作限定のオリジナルキャラだよ。殺害された役だから絡みは一切ないけど(;´∀`)」
エリック
「……まぁいい、話を先に進めよう。この珍事件を解決しない限り終わらないんだろ?」
ノア
「そのとおり! 【マリア殺人事件(脚本)】を繰り広げる撮影スタジオへ行こうぜ!」
エリック
「スタジオ?」
ノア
「ドラマの撮影スタジオだよ。これから殺人事件の脚本をみんなで演じるんだ。そのためには楽屋とかを再現したセットが必要じゃん?」
エリック
「なるほど。ニセ事件の容疑者役は全員、そのスタジオ内で台本を読みながらスタンバイしてるんだな? そこへ探偵役の俺たちが登場し、ひとりずつ事情聴取して犯人を導き出す……という流れか」
ノア
「さすがアニキ、話が早いぜ! ちなみに容疑者役はオレたちの仲間だからなっ(>ω<)」
エリック
「……あいつらも登場するのか」
ノア
「ただ、オレたち以外のメンバーは〝記憶がない状態〟で召喚されてるんだ。オレたちにとって大事な仲間も、この探偵パロディではただの役者ってことになる」
エリック
「この世界――邪道な迷宮にいるあいつらは俺たちのことを知らない、って意味だな?」
ノア
「うん。ちょっと寂しいけど、こっちでは本作限定のルールで楽しもうぜ!」
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