魔法犯罪の真実

水山 蓮司

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第1章 始まりの壁

1-03:捜査開始!

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「ただいま戻りました」
「「おかえり」」
「おわっ」
 警視庁から戻ってきた時光は本部にいる皆に報告しようとする前に早々、志穂と美穂に抱きつかれて押し倒された。
「トキちゃん会いたかったよ」
「ずっと待っていたんだよ」
 幸せそうな顔をして時光を見て言うものだから2人を怒るに怒れなかった。
「志穂さん、美穂さん、いつまでそうしているつもりですか!」
 代わりに恵が厳しく注意する。
「もうメグミちゃんいつも怒ってばかり」
「もう少しこのままいさせてもらってもいいじゃん」
 2人は不満気に反論するが、ここで時光が少し言いづらそうに口を開く。
「2人ともごめんな。今は皆に大切な話があるからどいてもらえると助かるな」
「トキちゃんがそう言うなら」
「そういえばトキ君、朝は総監に呼ばれていたんだよね」
 2人は時光の言うことに素直に聞きその場からどく。
「大丈夫でしたか先輩」
「ああ大丈夫だよ。ありがとう恵さん」
「いえ。それで話とは一体何ですか?」
「うん。その前にこの部屋にいない若弥、舞香さん、修助君、綾菜さんは何処にいるのかな?」
 その質問に真奈が答える。
「綾菜はまだ来ていないし多分寝坊だと思うわ。修助は事件のプロファイルの整理で少し遅れるとさっき連絡が来たわ。若弥と舞香については今貴方が総監と話をしてきた内容を聞いてから答えるわ」
「わかった」
 そう言って鉄茂と話した内容をつまんでメンバーに話をした。
 最近になって廃棄された工場が壊されていること、確認出来る件数、2人の男の犯行による可能性であること、メンバーは時光の話に口を挟むことなく聞き、その話が終わると真奈が一息ついて口を開く。
「やっぱり、私が推測したこととほぼ一致していたようね」
「やっぱりって、それじゃあ俺が総監と話をしに行く前から検討がついていたってこと?」
「ええ、おおむね」
「総監と話をつける前にある程度、話をしてくれれば助かったんだけどな」
 少し納得いかず愚痴ってみせる。
「ごめんなさいね。その時は半信半疑だったから。これで間違っていたら迷惑かけていたし、でもここに戻って来た貴方の雰囲気を見て間違いないと思ったのよ。それで舞香には一足早くその廃棄された工場に捜査しに行ってもらって、若弥にもそのことを伝えたら「別の角度から探りを入れてみる」とメッセージが来て2人とも現在捜査中よ」
 ニコッとして時光に告げる。
「やることが早いね、恐れ入るよ」
「当然よ。一体何年幼馴染おさななじみやってきたと思っているの?」
 真奈にしては珍しく少し勝ち誇ったようなどこか嬉しそうな顔して言うと時光はフフッと笑って答える。
「家族を除けば付き合いが長いのは真奈さんだから違いない、敵に回したくない人だよ」
「敵に回さないように注意してね」
 時光と同じく真奈も笑い答えを返す。
 そのやり取りを見て志穂と美穂がつまらなさそうに真奈に異議を唱える。
「マナちゃん、今のはずるいよ!」
「サラッと独占しようとしていたでしょ!」
 対して真奈は涼しい顔して切り返す。
「あら、私は本当のことを言っただけで、ずるはしていないわ。それに幼馴染は選ぶものではないし、選ばれるものでもないわよ。そこのところを勘違いしないように」
 その言葉に2人は何も言えなくなった。
 どう声をかけていいか考えている時、ドアが開いた。
「おはよう皆、何か入っちゃいけなかったかな?」
 入室してきた修助が少し戸惑った。
「おはよう修助君、別に入ってきちゃいけないわけではなかったし、むしろ助かったよ」
「俺は何もしていないけど時光くんがそういうなら。話が変わるけど若弥に舞香さんに綾菜さんは何処に?」
 時光が答えようとする前に真奈が割って入ってくる。
「丁度良い時に来たわね修助、早速だけど――」
 その先を言う前にドアが開く。
「おはよう皆。ふわぁ~」
 綾菜が大欠伸をしながら目をこすり部屋に入ってきた。
「ちょっと綾菜、一体この時間まで眠っていたの?少し遅いわよ」
 真奈が呆れながら綾菜に言うと、
「そこまで言わなくても。昨日は時光ちゃんたちと遊んで家に帰ってゆっくりしようとした時に医療機関から呼び出されて夜遅くまで怪我人を治療していたんだよ」
 真奈の発言に不満を持ち不機嫌になりながら答える。
「そうだったの…。ごめんなさいね。でも遅れるなら連絡はちゃんと入れてね」
 ここで綾菜はそれをいいことに真奈に要求する。
「それじゃあ真奈ちゃん、罰として今度私とえっちなことをしてもらうから」
「何でそっち方面に持っていこうとするの⁉」
「当然よ」
 真奈は思わず全力でツッコミを入れ、綾菜はさもありなんと言わんばかりの態度を取り、また場の空気が滅茶苦茶になった。
 これではいけないと思った時光が切り出した。
「そういえば真奈さん、修助君に何か言いかけていなかった?」
 言われてハッとした真奈は落ち着きを取り戻し修助に告げる。
「そうだった。修助、早速だけどオペレート室に行って舞香の安否を確認するわよ」
「構わないけど、ある程度状況を話してくれれば助かるんだけど」
「オペレート室に行って舞香の安否が確認でき次第話すから今は強力をお願い」
「わかった。それじゃあその時によろしく」
 やや緊急を要することだと察して、これ以上追求はしなかった。
 真奈と修助がオペレート室に向かう前に、
「ちょっと真奈ちゃん、私に出来ることは何かない?」
 綾菜に呼び止められ答える。
「舞香のことだから大丈夫だろうけど、もし怪我していてもすぐに治療出来るようにそれまで待機してくれると助かるわ」
「修助ちゃんの言っていた話はしてくれないの?」
「それも含めてちゃんと話すから」
「えっちなことは?」
「ああもうっ!えっちでも何でもするから今は後にして!」
 とうとう真奈はヤケになり、今言った台詞を聞いた綾菜はニマッとして話を続ける。
「わかった。私はそれまで待機させてもらうよ」
 先ほどまでの不機嫌はなくなり、機嫌が良くなった。後で恐ろしいことになりそうだが、そこはあまり考えないようにした。
「それじゃあ俺たちも舞香さんのところに行こう」
「もちろんそのつもりですよ先輩」
「言わなくてもそうするよトキちゃん」
「早くマイカちゃんのところにね」
 恵、志穂、美穂がそれぞれ述べる。
「真奈さん、修助君、オペレートお願いするよ」
「わかっているわ」
「承ったよ」
 メンバーが捜査に動き出した。
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