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第1章 始まりの壁
1-07:炎VS鎖
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「炎進舞!」
「水鋭珠!」
竜巻のような炎と砲丸のような水を野口にくらわせたいところだが、
「開鎖守!」
こちらも多くの鎖を張り巡らせて攻撃を防ぐ。
こうした小競り合いを続けているが両者譲らない攻防で少しずつ息が上がってきている。
「恵さん大丈夫か?」
「はい、私は何とか。先輩の方はどうですか?」
「俺の方も何とか。しかしこのままではマズイな」
「はい、まったくもって」
「余所見している場合か、乱鎖弾!」
鎖を凝縮し、鉄の弾に変化させ2人に投げ飛ばす。
「炎流塞!」
地に手をつけてゴオオオッと炎の壁を展開させ鉄の弾を受け止め溶かす。
「クッ…。しぶとい奴らだ」
「やられるわけにはいかないものでね」
時光の頬から流れる汗も少しずつ増えてきたところで恵が心配そうに言う。
「先輩、何も私のところまで大丈夫でしたのに…」
「いや、野口はここにきてまた少しずつ力を上げてきているから危ないと思って」
「だからって無理し過ぎですよ!」
「余計な気を回してしまったようでごめん」
恵の強めの口調に時光は謝る。
「さてそろそろいくぞ、縛鎖門!」
鎖の数がまた更に増えただけではなく仕掛けてくる攻撃の速度も上がり時光たちに襲い掛かる。
それを可能な限り裁いては回避しと繰り返すうちに厳しくなり、やがて恵が足をくじいてしまい鎖にかかってしまう。
「きゃあ!」
「恵さん!」
「さて1人捕まえた。おとなしくしてもらうぞ」
「せ、先輩。私のことは…。いいですから早く…」
鎖に縛り付けられた恵は身動きが取れず宙吊りにされる。
「野口、後悔するなよ」
口調こそ静かなものの怒気が篭っている。
「早くその女を助けたければ全力で来い」
「いいだろう。お望みならば」
腰を低く抜刀の構えを取り詠唱する。
「灯絶つことなき心眼の礼、一気一炎が見極めたる生々流転の地、炎裁持って悪行を払う!業尭・炎羅極刀!」
魔法陣が展開され柄がスーッと出てきたところを右手で掴み中段の構えを取る。
「それでいい、さあ来い!」
野口の言葉に耳を傾けず時光は目を閉じ静かに深呼吸してそれから、
「蛇炎!」
「包鎖網!」
テニスのフォアハンドのフォームから放たれる鋭い軌道の炎を飛ばし、対して鎖でその炎を包み込み勢いを殺そうとするが殺し切れず鎖が焼き払われ、その勢いのまま野口に向かう。
「ぐううううっ!」
後方に飛ばされ倒れるも立ち上がり構え直す。
「ならば、十鎖進!」
「炎斬波!」
すかさず時光も刀を斜めに振り、十字の炎の軌道で野口の攻撃を相殺させる。
「これでも駄目なのか⁉」
「貴方はもう俺には勝てない」
野口が少しずつ動揺の色を見せ、時光は今までよりも冷静な態度で告げる。
そう言われた野口は痺れを切らして、
「言わせておけばー!」
「炎舞双拳!」
高く放たれた鎖が野球のカーブの軌道で時光に襲い掛かり、対して時光は刀を一旦手放し、両腕に炎を纏わせ、その場で跳躍して竜巻のように回転する。
「そらああああ!」
「はあああああ!」
ガキン、ギィンと互いの攻撃がぶつかり合い、鎖の方から先に勢いがなくなり地面にジャランと落下した。
同時に時光も着地して刀を握り直す。
「せ、先輩…」
今にも気を失いそうな恵が必死に何かを訴えようとするが時光の耳には届かなかった。
「ク、クソがあー!」
最後の悪あがきで鎖を放つが、
「これで終わりだ、炎漸裁真・刻!」
両腕で横に薙ぎ払うように刀を振り、炎の軌道を気付く頃には既に野口に達して、
「うあああああー!」
なす術なく攻撃をくらい後方の壁まで飛ばされて勢いのあまり、うつ伏せになって倒れた。
今まで宙吊りにされて体をがんじがらめにされた恵が鎖から解放されフッと落下してくる。
時光は慌てて恵を抱きとめ呼びかける。
「恵さん!しっかり!」
時光の必死な呼びかけが聞こえたのか、うっすらと目を開け拙い声で反応する。
「先輩…。すいません…」
「いやいいんだ。俺がもっとしっかりしていれば」
余程悔いているのか、歯を噛みしめてその先の言葉が出せなかった。
その気持ちを汲み取って恵が声を振り絞って時光を励ます。
「い、いえ。先輩は…悪くありません…」
力尽きて恵は気を失ってしまった。
総合的に任務は諸手を上げて喜べるものではない結果となってしまった。
「水鋭珠!」
竜巻のような炎と砲丸のような水を野口にくらわせたいところだが、
「開鎖守!」
こちらも多くの鎖を張り巡らせて攻撃を防ぐ。
こうした小競り合いを続けているが両者譲らない攻防で少しずつ息が上がってきている。
「恵さん大丈夫か?」
「はい、私は何とか。先輩の方はどうですか?」
「俺の方も何とか。しかしこのままではマズイな」
「はい、まったくもって」
「余所見している場合か、乱鎖弾!」
鎖を凝縮し、鉄の弾に変化させ2人に投げ飛ばす。
「炎流塞!」
地に手をつけてゴオオオッと炎の壁を展開させ鉄の弾を受け止め溶かす。
「クッ…。しぶとい奴らだ」
「やられるわけにはいかないものでね」
時光の頬から流れる汗も少しずつ増えてきたところで恵が心配そうに言う。
「先輩、何も私のところまで大丈夫でしたのに…」
「いや、野口はここにきてまた少しずつ力を上げてきているから危ないと思って」
「だからって無理し過ぎですよ!」
「余計な気を回してしまったようでごめん」
恵の強めの口調に時光は謝る。
「さてそろそろいくぞ、縛鎖門!」
鎖の数がまた更に増えただけではなく仕掛けてくる攻撃の速度も上がり時光たちに襲い掛かる。
それを可能な限り裁いては回避しと繰り返すうちに厳しくなり、やがて恵が足をくじいてしまい鎖にかかってしまう。
「きゃあ!」
「恵さん!」
「さて1人捕まえた。おとなしくしてもらうぞ」
「せ、先輩。私のことは…。いいですから早く…」
鎖に縛り付けられた恵は身動きが取れず宙吊りにされる。
「野口、後悔するなよ」
口調こそ静かなものの怒気が篭っている。
「早くその女を助けたければ全力で来い」
「いいだろう。お望みならば」
腰を低く抜刀の構えを取り詠唱する。
「灯絶つことなき心眼の礼、一気一炎が見極めたる生々流転の地、炎裁持って悪行を払う!業尭・炎羅極刀!」
魔法陣が展開され柄がスーッと出てきたところを右手で掴み中段の構えを取る。
「それでいい、さあ来い!」
野口の言葉に耳を傾けず時光は目を閉じ静かに深呼吸してそれから、
「蛇炎!」
「包鎖網!」
テニスのフォアハンドのフォームから放たれる鋭い軌道の炎を飛ばし、対して鎖でその炎を包み込み勢いを殺そうとするが殺し切れず鎖が焼き払われ、その勢いのまま野口に向かう。
「ぐううううっ!」
後方に飛ばされ倒れるも立ち上がり構え直す。
「ならば、十鎖進!」
「炎斬波!」
すかさず時光も刀を斜めに振り、十字の炎の軌道で野口の攻撃を相殺させる。
「これでも駄目なのか⁉」
「貴方はもう俺には勝てない」
野口が少しずつ動揺の色を見せ、時光は今までよりも冷静な態度で告げる。
そう言われた野口は痺れを切らして、
「言わせておけばー!」
「炎舞双拳!」
高く放たれた鎖が野球のカーブの軌道で時光に襲い掛かり、対して時光は刀を一旦手放し、両腕に炎を纏わせ、その場で跳躍して竜巻のように回転する。
「そらああああ!」
「はあああああ!」
ガキン、ギィンと互いの攻撃がぶつかり合い、鎖の方から先に勢いがなくなり地面にジャランと落下した。
同時に時光も着地して刀を握り直す。
「せ、先輩…」
今にも気を失いそうな恵が必死に何かを訴えようとするが時光の耳には届かなかった。
「ク、クソがあー!」
最後の悪あがきで鎖を放つが、
「これで終わりだ、炎漸裁真・刻!」
両腕で横に薙ぎ払うように刀を振り、炎の軌道を気付く頃には既に野口に達して、
「うあああああー!」
なす術なく攻撃をくらい後方の壁まで飛ばされて勢いのあまり、うつ伏せになって倒れた。
今まで宙吊りにされて体をがんじがらめにされた恵が鎖から解放されフッと落下してくる。
時光は慌てて恵を抱きとめ呼びかける。
「恵さん!しっかり!」
時光の必死な呼びかけが聞こえたのか、うっすらと目を開け拙い声で反応する。
「先輩…。すいません…」
「いやいいんだ。俺がもっとしっかりしていれば」
余程悔いているのか、歯を噛みしめてその先の言葉が出せなかった。
その気持ちを汲み取って恵が声を振り絞って時光を励ます。
「い、いえ。先輩は…悪くありません…」
力尽きて恵は気を失ってしまった。
総合的に任務は諸手を上げて喜べるものではない結果となってしまった。
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