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第1章 始まりの壁
1-09:医療機関の名医!その人物とは…
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日本最先端医療機関
医療界で優秀な医者が多く存在する中、その更に上をいく怪物級の医者が集うところ。
その医療機関に真奈たちと合流するため志穂と美穂は一足早く目的地付近で待っていた。
「「マナちゃんここだよ」」
真奈たちの姿が見えてきたところで2人は手を振る。
「2人とも待ってくれたんだね。ありがとう」
「ううん。マナちゃんたちを待たないまま入ったら周りの人から色々話を求められてきそうだと思って」
「捕獲するのに時間かかってごめんね」
大きく目立った外傷は見られないが、服がビリビリに破れ、擦り傷や掠り傷が見られる。
その様子を見て真奈が労いの言葉をかける。
「オペレート室で見ていたからわかっているわ。2人とも本当にお疲れ様。よくやってくれたわ」
少し照れくさそうに2人は頬をかく。
それからして、志穂が真奈と来ていた舞香に尋ねる。
「マイカちゃん、体の方は大丈夫なの?」
「うん、もう大丈夫だよ。綾菜が真剣に治療してくれたおかげでね」
「舞香ちゃん、真剣には余計だよ」
舞香の隣にいた綾菜がニコッとしながら軽くチョップを入れた。
「そういえばワカ君は何処にいるの?」
今度は美穂がこの場にいない若弥の場所を尋ねると真奈が首を横に振って答える。
「それについては何とも言えないわね。とにかく今は中に入って3人の状況を確認しましょう」
エントランスに入って、受付にいる女性看護師にIDカードを見せて尋ねる。
「JSIAの夕里真奈です。ここへ搬送された野口秀人と大山佑太という男性2名と私たちと同じJSIAに所属する中野院恵さんという女性の治療を担当された先生はいらっしゃいますか?」
その問いに間を空けることなく返答する。
「はい、先ほどその先生の姿が見られたのでお呼びするまで空いている席でお待ちください」
「わかりました」
互いに礼をして看護師は担当の先生に電話して、真奈たちは空いている席に座る。
少しの間、沈黙が続いたが、やがて志穂が口を開く。
「ねえマナちゃん、トキちゃんの様子はどうだった?」
真奈は首を横に振って答える。
「かなり気がまいっちゃっているみたいだったわ。相手を怯ませるどころか重傷を負わせた上に意識不明の状態にさせたからね。それだけじゃなく恵を早く助けられなかったことも相当気にしていたみたいで声すらかけられなかったわ…」
それに続き修助も口を開く。
「俺も何か一声かけようと思ったんだけどさすがにあの表情を見るとね…」
今度は舞香が自分を責めるような口調で、
「やはりあの時、私が捕らえていれば!」
「いいえ、貴女は最善を尽くしたんだから落ち度はなかったわ。むしろ私が全体の状況を見てつけ入るところがあればサポート出来たはず!」
後半につれて声を荒げて悔しそうに自分に言い聞かせる。
自分たちの声量に周囲にいた患者や看護師が見ていることに綾菜が気付き、舞香と真奈に急いでフォローを入れる。
「2人とも、反省するのはいいけど後悔はよくないよ。それに自分の出来ることを精一杯やったんだからグチグチあれこれ言っちゃ駄目だよ。次同じ失敗しないようにまた頑張ればいいんだから。ね?」
綾菜は2人の気持ちを落ち着かせ、それが確認出来たところで周囲に頭を下げる。
次に志穂と美穂の近くに行って肩に手を置き自分のところにきゅっと抱き寄せる。
「志穂ちゃんも美穂ちゃんも後で本部に戻って治療しようね。本当にお疲れ様」
「「あ、ありがとう」」
普段のエロボケとは考えられない優しく心温まる態度にドキッとしながらも2人は口を揃えてお礼を述べると、綾菜はその表情に満足してニコッと微笑み空いている席に座る。
ここで担当の先生に電話をした女性看護師が先生の姿が見えたのを確認出来て「あちらに座っている方たちです」と場所を示して礼をする。
その先生は「ありがとう」と言って真奈たちのいる場所に向かう。
「遅くなってごめんね真奈ちゃん。患者さんの診察が長引いちゃって」
紺色のスーツに白衣を着て首元にはワインレッドのスカーフが巻かれていて、見た目30代前半と言っても通じる若々しい女性である。
背中あたりまで伸ばした髪はヘアゴムで束ねていて、フレンドリーな口調をしているところから初対面ではなさそうである。
「絵実先生、ご無沙汰しております。お忙しい中お呼び立てして申し訳ございません。その中でも時間を割いていただきありがとうございます」
「ううん。大丈夫だよ」
真奈は頭を下げ、絵実と呼ばれた先生は頭を上げるように真奈を促す。
ここで志穂と美穂が尋ねる。
「マナちゃんの知り合い?」
「一体何処で?」
その疑問にフフッと笑って答える。
「こちらの方は森園絵実さん。この医療機関の主任をされている方よ。世界でも指折りの名医で時光の母親でもあるの。私は幼い頃から知って怪我や病気をした時にお世話になったことがあるのよ」
そう解説し終えると2人は口をポカンと開けて、それを見た絵実が口元を抑えて上品に笑い名乗る。
「改めてこの医療機関の主任であり、時光の母親の森園絵実です。時光のことをいつもありがとうね」
「倉ノ葉志穂です。こちらこそトキちゃんと親しくさせていただいています」
「倉ノ葉美穂です。トキ君にいつも助けていただいています」
「「「先生ご無沙汰しています」」」
2人は緊張して慣れない言葉で挨拶した後に、口を揃えて挨拶した修助、舞香、綾菜は真奈と同じく絵実のことを知っていた。
挨拶が済んだところで早々に真奈が要件を言う。
「絵実先生、早速ですが野口と大山という男性2名と私たちと同じJSIAに所属する恵さんの状況はどうですか?」
尋ねられた絵実は真っ直ぐ目を見据えて答える。
「まず恵ちゃんだけど、かなりの力でがんじがらめにされていたようだけど、目立った外傷や炎症は診られなかったわ。もちろん骨も折れていなかったし、ヒビも入っていなかったわ。体力と魔力の消耗が激しかったことは否めなかったけど今日一日安静すれば明日の朝に退院出来るように処置を尽くしたわ」
「そうでしたか。ありがとうございます」
ホッと胸を撫でおろす真奈を見て続けて絵実は説明する。
「話を続けると、大山という男の方は左手首にヒビに右腕が軽い炎症、肋骨が2本折れていて背中には大きな掠り傷を負っていたけど、肋骨2本を修復したところ以外はあえて全回復させず痛みを噛みしめてもらおうと思って生活に影響しない程度まで施したわ。他にも違法薬を服用していたようだからその副作用となるものも処置したから全身に効果が及ぶことはないわ。意識もハッキリしていたからすぐに警視庁に引き渡して、JSIAの本部でも取り調べをしてもらうように依頼もしたからね」
大山の状況を説明した後に、これから真奈がやろうとしていたことを見越して絵実は手筈を整えていた。
その言葉の最後にウィンクしてみせて真奈たちを安心させた。
「ありがとうございます。お手を煩わせるようなことをさせてしまって…」
真奈は申し訳なさそうに慌てて礼を述べる。
「いいのよ真奈ちゃん。それに必要だったんでしょ?私なら大丈夫だから」
「先生…」
絵実はニコッと言ってみせて真奈はホッとする。
ここまでは良かったが問題はこの先で絵実は目を閉じて一息ついて話を続ける。
「そして最後に野口という男の方は、全身に打撲と両腕を骨折、背中もどうやら壁に強く打ちつけたようで内出血していたわね。両足も立てないくらいに炎症という結果だったけど、大山という男と同じくらい生活に影響しない程度まで治療を施したわ。当然、違法薬の副作用もね」
メンバーがここで本当に安堵し、絵実もここから気を緩めて補足する。
「ただし今日一日入院して取り調べなどは、どんなに早くても明日の朝になりそうね。その取り調べについても私の方からJSIA本部を優先にしておくように警視庁に伝えておくわ」
「そ、そんな何から何までありがとうございます」
至れり尽くせりのことに今まで以上に真奈が深々と頭を下げると、それに習ってメンバーも頭を下げる。
「そう何度も頭を下げなくて大丈夫よ。話が変わるけど、志穂ちゃんと美穂ちゃん、もしよければ治療しようか?」
絵実が尋ねると2人は驚き手をブンブン振って答える。
「「いえ、アヤナちゃんにやってもらうので大丈夫です」」
絵実と目が合った綾菜は目礼して胸に手をあて告げる。
「志穂ちゃんと美穂ちゃんの治療は私にお任せください」
「そう?それじゃあ綾菜ちゃんよろしくね」
「はい」
ここで一旦話がまとまり今一度改めて絵実が尋ねる。
「今更だけど、今ここにいない時光は何処にいるの?」
「絵実先生そのことですけど…」
真奈が代表して今に至るまでのことを全て話した。
途中で絵実が少し質問を挟みながらも真奈が答え、話が進むにつれて絵実はじっと話を聞いた。
真奈が話終えてからゆっくり頷き、
「そうだったの。通りで来ていないわけか。相変わらず変に真面目なところがあるから一体誰に似たのかしらね」
「そこは先生に似たのでは?」
真奈が遠慮がちに言うと絵実はフフッと笑って答える。
「私?私は変に自分を追い込むようなことはしないよ。比較的大雑把な方だから私には似ていないかな」
そう言い切って改めてこう告げる。
「でもまあそんな変に真面目なところがある迷惑な時光だけどこれからもお願いね」
「はい絵実先生。ありがとうございました」
真奈が俺を述べた後にメンバーがそれぞれ言葉を紡ぐ。
「「絵実先生お会い出来て良かったです」」
「いいえ。私もよ志穂ちゃん、美穂ちゃん」
口を揃えて微笑む2人に絵実はニコッと返す。
「先生これからもお願いします」
「こちらこそね、舞香ちゃん」
舞香の正々堂々の挨拶に絵実は手を握る。
「困ったことがあれば支援いたします」
「修助君、その時はお願いね」
力篭った言葉に絵実は修助の肩をポンっと叩く。
「お体を壊さないように気を付けてくださいね」
「綾菜ちゃんも気を付けてね」
綾菜に労われた絵実は綾菜と抱き合う。
「それじゃあ絵実先生また」
「うん、皆またね」
真奈がそう言うと絵実は手を振って真奈たちを見送った。
医療界で優秀な医者が多く存在する中、その更に上をいく怪物級の医者が集うところ。
その医療機関に真奈たちと合流するため志穂と美穂は一足早く目的地付近で待っていた。
「「マナちゃんここだよ」」
真奈たちの姿が見えてきたところで2人は手を振る。
「2人とも待ってくれたんだね。ありがとう」
「ううん。マナちゃんたちを待たないまま入ったら周りの人から色々話を求められてきそうだと思って」
「捕獲するのに時間かかってごめんね」
大きく目立った外傷は見られないが、服がビリビリに破れ、擦り傷や掠り傷が見られる。
その様子を見て真奈が労いの言葉をかける。
「オペレート室で見ていたからわかっているわ。2人とも本当にお疲れ様。よくやってくれたわ」
少し照れくさそうに2人は頬をかく。
それからして、志穂が真奈と来ていた舞香に尋ねる。
「マイカちゃん、体の方は大丈夫なの?」
「うん、もう大丈夫だよ。綾菜が真剣に治療してくれたおかげでね」
「舞香ちゃん、真剣には余計だよ」
舞香の隣にいた綾菜がニコッとしながら軽くチョップを入れた。
「そういえばワカ君は何処にいるの?」
今度は美穂がこの場にいない若弥の場所を尋ねると真奈が首を横に振って答える。
「それについては何とも言えないわね。とにかく今は中に入って3人の状況を確認しましょう」
エントランスに入って、受付にいる女性看護師にIDカードを見せて尋ねる。
「JSIAの夕里真奈です。ここへ搬送された野口秀人と大山佑太という男性2名と私たちと同じJSIAに所属する中野院恵さんという女性の治療を担当された先生はいらっしゃいますか?」
その問いに間を空けることなく返答する。
「はい、先ほどその先生の姿が見られたのでお呼びするまで空いている席でお待ちください」
「わかりました」
互いに礼をして看護師は担当の先生に電話して、真奈たちは空いている席に座る。
少しの間、沈黙が続いたが、やがて志穂が口を開く。
「ねえマナちゃん、トキちゃんの様子はどうだった?」
真奈は首を横に振って答える。
「かなり気がまいっちゃっているみたいだったわ。相手を怯ませるどころか重傷を負わせた上に意識不明の状態にさせたからね。それだけじゃなく恵を早く助けられなかったことも相当気にしていたみたいで声すらかけられなかったわ…」
それに続き修助も口を開く。
「俺も何か一声かけようと思ったんだけどさすがにあの表情を見るとね…」
今度は舞香が自分を責めるような口調で、
「やはりあの時、私が捕らえていれば!」
「いいえ、貴女は最善を尽くしたんだから落ち度はなかったわ。むしろ私が全体の状況を見てつけ入るところがあればサポート出来たはず!」
後半につれて声を荒げて悔しそうに自分に言い聞かせる。
自分たちの声量に周囲にいた患者や看護師が見ていることに綾菜が気付き、舞香と真奈に急いでフォローを入れる。
「2人とも、反省するのはいいけど後悔はよくないよ。それに自分の出来ることを精一杯やったんだからグチグチあれこれ言っちゃ駄目だよ。次同じ失敗しないようにまた頑張ればいいんだから。ね?」
綾菜は2人の気持ちを落ち着かせ、それが確認出来たところで周囲に頭を下げる。
次に志穂と美穂の近くに行って肩に手を置き自分のところにきゅっと抱き寄せる。
「志穂ちゃんも美穂ちゃんも後で本部に戻って治療しようね。本当にお疲れ様」
「「あ、ありがとう」」
普段のエロボケとは考えられない優しく心温まる態度にドキッとしながらも2人は口を揃えてお礼を述べると、綾菜はその表情に満足してニコッと微笑み空いている席に座る。
ここで担当の先生に電話をした女性看護師が先生の姿が見えたのを確認出来て「あちらに座っている方たちです」と場所を示して礼をする。
その先生は「ありがとう」と言って真奈たちのいる場所に向かう。
「遅くなってごめんね真奈ちゃん。患者さんの診察が長引いちゃって」
紺色のスーツに白衣を着て首元にはワインレッドのスカーフが巻かれていて、見た目30代前半と言っても通じる若々しい女性である。
背中あたりまで伸ばした髪はヘアゴムで束ねていて、フレンドリーな口調をしているところから初対面ではなさそうである。
「絵実先生、ご無沙汰しております。お忙しい中お呼び立てして申し訳ございません。その中でも時間を割いていただきありがとうございます」
「ううん。大丈夫だよ」
真奈は頭を下げ、絵実と呼ばれた先生は頭を上げるように真奈を促す。
ここで志穂と美穂が尋ねる。
「マナちゃんの知り合い?」
「一体何処で?」
その疑問にフフッと笑って答える。
「こちらの方は森園絵実さん。この医療機関の主任をされている方よ。世界でも指折りの名医で時光の母親でもあるの。私は幼い頃から知って怪我や病気をした時にお世話になったことがあるのよ」
そう解説し終えると2人は口をポカンと開けて、それを見た絵実が口元を抑えて上品に笑い名乗る。
「改めてこの医療機関の主任であり、時光の母親の森園絵実です。時光のことをいつもありがとうね」
「倉ノ葉志穂です。こちらこそトキちゃんと親しくさせていただいています」
「倉ノ葉美穂です。トキ君にいつも助けていただいています」
「「「先生ご無沙汰しています」」」
2人は緊張して慣れない言葉で挨拶した後に、口を揃えて挨拶した修助、舞香、綾菜は真奈と同じく絵実のことを知っていた。
挨拶が済んだところで早々に真奈が要件を言う。
「絵実先生、早速ですが野口と大山という男性2名と私たちと同じJSIAに所属する恵さんの状況はどうですか?」
尋ねられた絵実は真っ直ぐ目を見据えて答える。
「まず恵ちゃんだけど、かなりの力でがんじがらめにされていたようだけど、目立った外傷や炎症は診られなかったわ。もちろん骨も折れていなかったし、ヒビも入っていなかったわ。体力と魔力の消耗が激しかったことは否めなかったけど今日一日安静すれば明日の朝に退院出来るように処置を尽くしたわ」
「そうでしたか。ありがとうございます」
ホッと胸を撫でおろす真奈を見て続けて絵実は説明する。
「話を続けると、大山という男の方は左手首にヒビに右腕が軽い炎症、肋骨が2本折れていて背中には大きな掠り傷を負っていたけど、肋骨2本を修復したところ以外はあえて全回復させず痛みを噛みしめてもらおうと思って生活に影響しない程度まで施したわ。他にも違法薬を服用していたようだからその副作用となるものも処置したから全身に効果が及ぶことはないわ。意識もハッキリしていたからすぐに警視庁に引き渡して、JSIAの本部でも取り調べをしてもらうように依頼もしたからね」
大山の状況を説明した後に、これから真奈がやろうとしていたことを見越して絵実は手筈を整えていた。
その言葉の最後にウィンクしてみせて真奈たちを安心させた。
「ありがとうございます。お手を煩わせるようなことをさせてしまって…」
真奈は申し訳なさそうに慌てて礼を述べる。
「いいのよ真奈ちゃん。それに必要だったんでしょ?私なら大丈夫だから」
「先生…」
絵実はニコッと言ってみせて真奈はホッとする。
ここまでは良かったが問題はこの先で絵実は目を閉じて一息ついて話を続ける。
「そして最後に野口という男の方は、全身に打撲と両腕を骨折、背中もどうやら壁に強く打ちつけたようで内出血していたわね。両足も立てないくらいに炎症という結果だったけど、大山という男と同じくらい生活に影響しない程度まで治療を施したわ。当然、違法薬の副作用もね」
メンバーがここで本当に安堵し、絵実もここから気を緩めて補足する。
「ただし今日一日入院して取り調べなどは、どんなに早くても明日の朝になりそうね。その取り調べについても私の方からJSIA本部を優先にしておくように警視庁に伝えておくわ」
「そ、そんな何から何までありがとうございます」
至れり尽くせりのことに今まで以上に真奈が深々と頭を下げると、それに習ってメンバーも頭を下げる。
「そう何度も頭を下げなくて大丈夫よ。話が変わるけど、志穂ちゃんと美穂ちゃん、もしよければ治療しようか?」
絵実が尋ねると2人は驚き手をブンブン振って答える。
「「いえ、アヤナちゃんにやってもらうので大丈夫です」」
絵実と目が合った綾菜は目礼して胸に手をあて告げる。
「志穂ちゃんと美穂ちゃんの治療は私にお任せください」
「そう?それじゃあ綾菜ちゃんよろしくね」
「はい」
ここで一旦話がまとまり今一度改めて絵実が尋ねる。
「今更だけど、今ここにいない時光は何処にいるの?」
「絵実先生そのことですけど…」
真奈が代表して今に至るまでのことを全て話した。
途中で絵実が少し質問を挟みながらも真奈が答え、話が進むにつれて絵実はじっと話を聞いた。
真奈が話終えてからゆっくり頷き、
「そうだったの。通りで来ていないわけか。相変わらず変に真面目なところがあるから一体誰に似たのかしらね」
「そこは先生に似たのでは?」
真奈が遠慮がちに言うと絵実はフフッと笑って答える。
「私?私は変に自分を追い込むようなことはしないよ。比較的大雑把な方だから私には似ていないかな」
そう言い切って改めてこう告げる。
「でもまあそんな変に真面目なところがある迷惑な時光だけどこれからもお願いね」
「はい絵実先生。ありがとうございました」
真奈が俺を述べた後にメンバーがそれぞれ言葉を紡ぐ。
「「絵実先生お会い出来て良かったです」」
「いいえ。私もよ志穂ちゃん、美穂ちゃん」
口を揃えて微笑む2人に絵実はニコッと返す。
「先生これからもお願いします」
「こちらこそね、舞香ちゃん」
舞香の正々堂々の挨拶に絵実は手を握る。
「困ったことがあれば支援いたします」
「修助君、その時はお願いね」
力篭った言葉に絵実は修助の肩をポンっと叩く。
「お体を壊さないように気を付けてくださいね」
「綾菜ちゃんも気を付けてね」
綾菜に労われた絵実は綾菜と抱き合う。
「それじゃあ絵実先生また」
「うん、皆またね」
真奈がそう言うと絵実は手を振って真奈たちを見送った。
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