よくある悪役令嬢転生物語

ひろ

文字の大きさ
1 / 15

姉妹で死亡

しおりを挟む
私「楽しかったね。」
妹「ホントそれな!」
私妹「「キラ恋イベント」」

 私の名前は、佐藤レナで妹の名前は佐藤ルナ。今日は乙女ゲーム『キラキラしている恋をしよう』通称『キラ恋』のイベントに妹と一緒に行ってきた。

 キラ恋とは所謂剣と魔法の世界だ。スキルやステータスが出てくる。ヒロインの名前は、リリアーナ⋅ムーン。私の名前に似ている、ヒロインの恋路を邪魔するのが悪役令嬢、レイリーナ⋅ムーン。そして、攻略対象者は複数いる。そして、悪役令嬢のレイリーナには、血の繋がらない弟がいる。その弟はヒロインと双子らしい。

 私はヒロインの姉の悪役令嬢、レイリーナに似ている。嫌がらせがルーナを海に溺れさせたり、ルーナの部屋を母親に頼んでボロボロな家にさせたり、もっと酷かったのは、ルーナの友人の家を没落させるなどなど、数えたらきりがないほどだ。だけど、私に悪役令嬢が重なってしまった。私は、妹が好きだけど、レイリーナは気に入らなかったのだろう。もし、私が妹のことが嫌いだったら、レイリーナと同じになっていたのかなとも思った。だから、私は、レイリーナを憎めない。

 レイリーナの人生は悲惨だった。生まれてからすぐはレイリーナも愛されていた。レイリーナは実の母親と浮気相手との子供だった。それが分かったら父親はレイリーナを愛さなくなった。子供に罪はないのに。それに加えて実の母親は産まれたばかりのレイリーナを残して、浮気相手と駆け落ちしていった。父親と再婚相手との子のルーナが生まれたらレイリーナはさらに愛されなくなった。それに反感をもったレイリーナはルーナのことが気に入らなかった。レイリーナは愛されたかった。愛されたかっただけなのに、ほぼ全てのルートで断罪され、処刑された。

 そんなことを考えながら歩いていると、私達は轢かれて、死亡した。

私妹「「.................................ここは何処なの?」」
???「この質問に答えてあげましょう。」
私「うわ、上から目線。」
妹「こういう人まだいるんだねー」
私妹「「ねー」」
???「ごほん。私は神です。」
私妹「「うわ!痛い人だ!」」
(自称)神「...私は神です。」
私妹「「嘘はいけないよー!」」
(自称)神「......私は神です。」
私「しょうがない。そういうことにしておいてあげよう。」
(自称)神「そっちも十分上から目線じゃない?」
妹「まぁまぁ細かいことは気にせずに」
(自称)神「それ言うとしたら私じゃない?!」
私妹「「まあまあそんなピリピリせずに」」
(自称)神「うーんまあいいかぁ...」
私妹「「そうそう...で?この場所は何なの?」」
(自称)神「生と死の間?みたいな感じかな。」
私「ふーんというか口調変わってない?」
(自称)神「まあ無理してたからね。」
妹「他には何かあるの?」
(自称)神「君達は寿命で亡くなるはずだったのに時空の歪みか何かで本来より70年早く轢かれて死んじゃったんだよね。」
私「分かったような...分からないような...。」
(自称)神「だからそのまま死んだらあまりにも可哀想じゃん?」
妹「そりゃねぇ」
(自称)神「じゃけえ神々の間で話し合って君達が望むことをできる範囲で叶えてあげることになったんよ。」
私「じゃあ乙女ゲームの悪役令嬢、レイリーナに転生したい。」
妹「え?マジで?」
(自称)神「いいよ叶えてあげる。いつでも呼び出してね。」
妹「じゃあ私はレナと同じ世界の冒険者になりたい。」
(自称)神「二人ともヒロインじゃなくていいの?」
私妹「「いいよ」」
(自称)神「じゃあペンダントあげるからいつでも呼び出してね。」



 ということで転生しました。キャラクターを悪役令嬢にした訳は、リリアーナに会いたいから。私は断罪はされてもいい。ただ誰も傷つけたくはない。

 あっ生まれた。

私「オギァオギァ」

 これくらいか?

母親「あまり泣かないのね。」

 もっとだったか。それでこいつが母親か。あの最低の。

父親「まぁまぁ。それよりこの子の名前はどうするんだ?」
母親「そんなことどうでもいいわ。あなたが決めて。」
父親「そんなことって...じゃあこの子の名前はレイリーナ。レイリーナ⋅ムーンだ。」

 うわぁ赤ちゃんにこんなこと言える人がいるんだ。というか乙女ゲームでよくあるご都合設定、一瞬で名前が決まる。

???「旦那様、それではお嬢様に服を着せさせていただきますね。」
父親「ああマミ。よろしく頼む。」
マミ「はい承りました。」
母親「ねえマミ?旦那様は私のものだからあなたが気軽に話しかけちゃダメなの。わかる?」

 私の母親こっわ。執着心エッグ。それで本人浮気してるんだよ?怖すぎる。

 まあ服はありがたい。

 ......で、今夜居なくなりました。屋敷の中はバタバタです。私の部屋には誰もいません。お腹が空きました。何か食べたいです。産まれてから何も食べてないのに。お腹すいた。

私「ふ、ふえぇふえぇひぐふえぇぇ。」
???「あの!お嬢様の乳母になりました。伯爵夫人セナ⋅ビヘイビアです。」
私「へあ、おああういあ(セナ、お腹すいた)」
セナ「はい承りました。」

 え?分かったの?スゴッ

 こうしてレイリーナはミルクを手にいれた。

 たくさん飲んだら眠くなってきた。

私「おあうい。えあああ(おやすみ。セナ様)」
セナ「お休みなさいませ。お嬢様。」

 一日目終了
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

処理中です...