40 / 71
第三章 神戸の盟友との決戦
12話
しおりを挟む
12
十分が経過した。スコアに動きはなかった。バルサは得点の匂いはしていたが、ゴールのバーに弾かれたりと運がなかった。
天馬が中にパスした。敵5番がカットした。すぐに前方に目をやって、大きく蹴り出す。バルサは両サイドバックが攻撃参加したため、自陣は手薄だった。
神白は瞬時に決断し、地を蹴って前に加速。頭から飛び込み、ボールを弾き返した。
低い軌道で飛んでいき、8番へのパスになった。しかし、猛然と走ってきた暁が8番の前に出た。腿でトラップし、右足で収めて前へとドリブルを始める。
(遼河!)神白は危機感を抱き、後ろ走りで引き始めた。
暁がモーションに入った。神白はいよいよ危険を感じ、ゴール側に向き直り疾走する。
後ろでボールが蹴られる音がした。神白は五歩行ってから、首だけで振り返る。案の定、暁の超ロングシュートがバルサのゴールに向かっていた。
(~~間に合え!)神白は焦燥に駆られつつ、全力で足を動かし駆け続ける。
落ちてきたボールがワンバウンドした。そのままゴールへと跳ねていく。
神白は、スライディングの要領で跳んだ。ボールがゴールラインを割る直前で、どうにか右足の甲に当てた。
カンッ! 斜め上に軌道が変わり、ボールはクロスバーに当たった。(くっ! 外に出せなかった!)神白が悔やんでいると、ゴールネットが超速で近づいてきた。止まれるわけもなく、神白はネットに衝突した。
(まだボールは生きてる!)神白は焦った。すばやく足をネットから抜いて、振り返りつつ立ち上がった。
9番とアリウムが並走していた。だが9番がわずかに早い。アリウム、足を出すも9番のシュートを防げない。
地を這うシュートがゴールに迫る。神白は跳んだ。左手に当たり、真横に転々と進んでいった。
「OK!」駆け寄ってきたアリウムが叫び、左足でボールを蹴った。ラインを割り、ヴィライアのスローインとなる。
神白はすうっと立ち、暁に目を向けた。暁は貪欲な笑みを浮かべていた。
「楽しいなぁ、樹! 俺は本当に楽しい! セットプレーで一点取って、それから前半はうまく守り切れて。このまま逃げ切れるんじゃねえかと思ったら、本性を発揮したバルサに数分で振り出しに戻されて! ヴィライア、大ピンチだ! ここから俺が決勝点でも決めてみろ! 俺はスターだ、英雄だ! 想像しただけで武者震いが止まらねえよ!」
心の底から愉快げに、暁は熱弁を振るった。
暁を見据えつつ、神白は負けじと言い返す。
「悪いけど、遼河の野望は叶わないよ。ここからずうっとうちの独壇場だ!」
大声の宣言を聞き届け、暁は笑顔をいっそう大きくした。
(油断のないようにしていかないとな。今の遼河は、絶好調の時の雰囲気に近い。本当に点を取られかない)
神白が気を引き締める一方で、ヴィライア5番がスローインを行いボールが再び動き出した。
十分が経過した。スコアに動きはなかった。バルサは得点の匂いはしていたが、ゴールのバーに弾かれたりと運がなかった。
天馬が中にパスした。敵5番がカットした。すぐに前方に目をやって、大きく蹴り出す。バルサは両サイドバックが攻撃参加したため、自陣は手薄だった。
神白は瞬時に決断し、地を蹴って前に加速。頭から飛び込み、ボールを弾き返した。
低い軌道で飛んでいき、8番へのパスになった。しかし、猛然と走ってきた暁が8番の前に出た。腿でトラップし、右足で収めて前へとドリブルを始める。
(遼河!)神白は危機感を抱き、後ろ走りで引き始めた。
暁がモーションに入った。神白はいよいよ危険を感じ、ゴール側に向き直り疾走する。
後ろでボールが蹴られる音がした。神白は五歩行ってから、首だけで振り返る。案の定、暁の超ロングシュートがバルサのゴールに向かっていた。
(~~間に合え!)神白は焦燥に駆られつつ、全力で足を動かし駆け続ける。
落ちてきたボールがワンバウンドした。そのままゴールへと跳ねていく。
神白は、スライディングの要領で跳んだ。ボールがゴールラインを割る直前で、どうにか右足の甲に当てた。
カンッ! 斜め上に軌道が変わり、ボールはクロスバーに当たった。(くっ! 外に出せなかった!)神白が悔やんでいると、ゴールネットが超速で近づいてきた。止まれるわけもなく、神白はネットに衝突した。
(まだボールは生きてる!)神白は焦った。すばやく足をネットから抜いて、振り返りつつ立ち上がった。
9番とアリウムが並走していた。だが9番がわずかに早い。アリウム、足を出すも9番のシュートを防げない。
地を這うシュートがゴールに迫る。神白は跳んだ。左手に当たり、真横に転々と進んでいった。
「OK!」駆け寄ってきたアリウムが叫び、左足でボールを蹴った。ラインを割り、ヴィライアのスローインとなる。
神白はすうっと立ち、暁に目を向けた。暁は貪欲な笑みを浮かべていた。
「楽しいなぁ、樹! 俺は本当に楽しい! セットプレーで一点取って、それから前半はうまく守り切れて。このまま逃げ切れるんじゃねえかと思ったら、本性を発揮したバルサに数分で振り出しに戻されて! ヴィライア、大ピンチだ! ここから俺が決勝点でも決めてみろ! 俺はスターだ、英雄だ! 想像しただけで武者震いが止まらねえよ!」
心の底から愉快げに、暁は熱弁を振るった。
暁を見据えつつ、神白は負けじと言い返す。
「悪いけど、遼河の野望は叶わないよ。ここからずうっとうちの独壇場だ!」
大声の宣言を聞き届け、暁は笑顔をいっそう大きくした。
(油断のないようにしていかないとな。今の遼河は、絶好調の時の雰囲気に近い。本当に点を取られかない)
神白が気を引き締める一方で、ヴィライア5番がスローインを行いボールが再び動き出した。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
私の守護霊さん
Masa&G
キャラ文芸
大学生活を送る彩音には、誰にも言えない秘密がある。
彼女のそばには、他人には姿の見えない“守護霊さん”がずっと寄り添っていた。
これは——二人で過ごした最後の一年を描く、かけがえのない物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる