ニッチなまーったりな、異世界、楽々のーんびり通販生活♪

さよなら。TOYBEE

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ep.18 わがまま公爵令嬢のお願い

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 いえい! いえい!

 わはは~♪

 わがままな女ぁーーーー!!! ワガママな女~~~~ッッ♪

 せるふぃしゅ・ぅおーーーめーーーーん~♪

 Selfish woman~♪ Selfish woman~~~っ♪



 朝、ギルドの店にメルティちゃんとルフラちゃんのために、ズボンと、こんにゃくゼリー、バランスビタミンを卸しに行くと、そこにきれいに着飾った女の子が立っていたッッ☆彡

 なぜか、そのきれいな女の子は怒っている。メルティちゃん、大丈夫かな?

 僕はメルティちゃんを見守った。心配だけど、助けを求めたときにしか助けないようにしなくちゃ。

 メルティちゃんの仕事だもんね。

 仕事をする自発性大事だ。


 冒険者ギルドは今日も大勢の冒険者でにぎわってる。なんかいいよね? ギルドの雰囲気って。

 おっ、今、冒険者のひとりが立てカンバンを見たぞ。



 チラリと冒険者ギルドのカンバンが目に入った。



ダンジョン情報

上級ダンジョン2F

大地のフロア

出現モンスター サイクロプス、イビルマンワン

サイクロプスは巨大で、大変危険です。目を潰すのが弱点です。イビルマンワンは魔族のモンスターで、魔法攻撃が危険です。魔法を撃たせないようにしましょう。

 リアルのダンジョン情報だな。こういう情報って、冒険者たちに大切だよね。



 おっ、冒険者の掲示板がある。観てみよう~。

――――

冒険者の掲示板 自由に書いてください。3日で消します。チョークは設置してあります。

> 上級ダンジョンのサイクロプスはでかいよなあ。どうやって倒してる?

> 俺たちは竜騎士30人で、巨大なヤリを付き込んで倒している。

> 騎士団前!!! 空を飛び、巨大な敵にひるむな!!!! ドラゴンナイツアタック!!!

> ↑↑↑ドラゴンナイツアタック好き。私、ファンです。ドラゴンソード。

> 僕、ドラゴンソードに憧れて冒険者になりました!!!

> ドラゴンソードはかっこいい。みんなヨロイが青で統一されてる。

> ↑↑↑ヨロイの色にお金掛けられる金持ち冒険者は嫌い。

> 強くなれ。

> 上級冒険者の話はどうでもいい。正直、オーク狩りして稼ぐのが賢くて正しいぜ。

> オーク肉うまいんだよなあ。

> 肩の肉がとくにな~。遠火で焼いて塩かけてテリテリにすると、最高オーク肉。

> 俺はやっぱ、脂身だよ。脂身。

> 脂身うまいよなあ。高カロリーで太るのにやめられん。

> 肉祭り。肉祭り。

> 肉祭りやりたいよなあ。

> 対戦バレー女子チーム募集。冒険者体育館でバレーやりましょ。

> 女子冒険者がバレーやってるの見るとなごむ。

> 確かになごむ。

> おっぱいがバインバイン揺れるんだよな。むふふ。

> サイクロプスは集合で30人で、クランで倒す感じだよな? 俺たちは魔法だ。ウィンドの連発。

> ↑↑↑クラン。マジック・ウィンド。動ける魔道士だけの集団。クール。

> ウィンドっ! ウィンドっ! ウィンドっ! ウィンドぉおおおおお。

> なんか、上級冒険者すげえな。あこがれる。

> 我がクラン「サイクロプス・エアコンズ」は参加冒険者をいつでも募集している。上級冒険者募集。

> ↑↑↑「サイクロプス・エアコンズ」はやばい。新人を前線に出して使い潰す。注意!!!!!

> ↑↑↑うるさい。金は弾んでる。

> つっこめえええええ。死ぬ気でサイクロプスにいどめえええええ。それがエアコンズじゃあああああ。死ぬ気じゃなきゃ金なぞ掴めるかぁああああああ。

> エアコンズの玉砕根性論はふざけんな。ただ死ぬ。

> 俺は単独でサイクロプスやるぜ。儲けを一人締めするためによお。

> ↑↑↑巨大剣のグロスだろ? お前は人間じゃない。なんで、20メートルの剣を振り回せる???

> 獣人のハーフ。身体能力も身体のでかさも異常。ゴリラとライオンの人間のハーフ。

> 弟の方が強いゾ。海外にいるが。

> 戦闘エリートむかつく。やっぱ、ナタリーがいい。孤児からの雑種。

> ナタリーは戦闘勘が違うよ。あれを雑種というのは違う気がする。有名な冒険者の孤児だろ? たぶん。身体も女なのにすごいでかいし。

> 冒険者エリートだな。グロス。何世代も掛けて強くなるためだけに血を残した。

> ナタリーは美形だぜ? たぶん、上級冒険者エリートの大型の愛人が捨てたガキだろ?

> 大型の愛人か。むふふだな。すげえおっぱいでかいしな。ナタリー。

> いや、意外に美形冒険者襲った巨大女の落とし子かも知れん。ナタリー。

> ただの俺たちには巨大剣は振れないな。

> 夢がない。最強の小型の雑種いないのか?

> シュルツ。首都にいる。身長150センチなのに、一人でドラゴンやれる。武器は素手。必殺菩薩掌。

> グロス。お前、普通に生活できないだろ? マグカップ握ると粉々にする。

> ↑↑↑うるせえっ。女にマグカップ持たせればいいんだよお。俺はそうやって生きて来た。戦うためだけに。ふざけんなっ。弟より俺の方が強ええ。有名じゃないだけだっ

> ↑↑↑このメッセージも愛人に書かせてる。グロス暇人。

> 酒飲み行こうぜ。安い立ち飲みみつけた。10ギルで、おちょこで飲める。

> おちょこで、ちびちび。

> けっこう安い酒でもちびちび飲むとうまい。

> 冒険やった後、立ち飲みだよなぁ。やっぱ。

> ↑↑↑生きてる。そのためだけに俺は生きてる。

> 単独でサイクロプス?

> イビルマンワンとやるのがいい。頭はいいが、体格が普通だからな。

> 単独でサイクロプスはムリがあるだろ?

> だが、実入りはでかい。身体は売れないが、ヤツの血液は冷化剤になる。

> イビルマンワンは頭がいい。魔族のモンスターで魔法を連発してくるが、油断しなけりゃやられない。

> イビルマンワンやるなんて・・・。上級冒険者強すぎる。

> 魔法連発してくるモンスターなんてどうやって倒すの?

> ↑↑↑ヤツは頭が良すぎる。

> えっ? エアコンってサイクロプスの血でできてるの?

> 他にもあるが、水や酸素で作るより効果は低いが、安くて長持ちする。

> 水で作ったら水がなくなる。飲み水の方が大事。

> 酸素で作ったら酸素がなくなる。空気の方が大事。

> ↑↑↑で、魔道国の賢者がサイクロプスの血のエアコンを3世代掛けて開発。共和国で演劇になってる。

> 賢者「酸素を使って作るエアコンは気が触れてる。私がサイクロプスでエアコンを作るのは間違ってるのか?」

> 妻「・・・あなた。誰にも理解されなくても、私はあなたを支え続ける。例えこのままの貧乏暮らしでも」

> 息子「それでも、父さん。僕はお金が欲しいんだよ。水や酸素で作るエアコンを作るよ。僕は父さんの意志は継がない。僕は頭がいいんだ」

> ↑↑↑王国じゃサイクロプス・ブラッド売れない。輸出してる。王がエアコン禁止してる。

> なんで王はエアコン禁止してるの?

> 輸出に使う資源を食い過ぎるからだそうだ。共和国だと、年間3%以上の紙幣がサイクロプスの冷化剤に使われてる。貿易のため。王国伝統。

> エアコンの燃料になるのか? サイクロプス。

> 共和国は夏それほど熱くないだろ? 王国のが暑いのに。王のバカ。

> サイクロプスの血で、王国は貿易黒字だ。

> ドラゴンだろ? ドラゴンガソリン。

> ああ。ドラゴンの血は燃えるからな。いい燃料になる。

> ↑↑↑だが、王はそれも制限。なぜか、王国にはドラゴンがいるのに、ドラゴン馬車が王族しか乗れない。

> 王、市ね。

> 王の姿勢は正しい。人間は水があり食糧があれば、十分なのだ。

> ↑↑↑だが、王はエアコンを使いながら、よく冷えた室内でそれを言うのであった。 つづく。



 へえええええええ。

 サイクロプスの血って、他のなにかとあわせると冷えてエアコンの冷化剤になるんだって。

 ファンタジーの世界って、すごいなぁ。

 ただ、王はエアコン使ってるのか。僕も使いたいゾ。



 あっ、メルティちゃんが怒ってる女の子の対応ができなくて、助けを求めて来た。

 なにか、女の子は本当に怒ってる。どうしたの?


「あの・・・店長・・・。なにか、このお客様、怒ってらして」

 メルティちゃんが恐る恐る僕に言って来る。僕がメルティちゃんのために、そのきれいなお嬢様の相手をすることにしたッッ☆彡









「あの、なにかございましたか? クレームは懇切丁寧にお答えします。我々は誠意あるお店を目指しておりまして。なにかご要望がありましたら、お答えしますが?」

 すると、そのきれいな令嬢は言った。





「このこんにゃくゼリーは美味しすぎるのです。私が全部買いたいと言ったら、他のお客様の分もあるから、全部は売れないと言われましたのよ?」

「全部とはいかほど?」

「あるだけ買うとわたくしは言っているのです」

「じゃあ、1000個とか?」

「もっと多くです」

「じゃあ、2000個」

「もっと多くです」

「じゃあ1万個」

「それだけ用意できますの?」

「・・・すぐにご用意いたします」



 うはは。すごい大量注文が来たぞ。こんにゃくゼリー1万個でいくらだ? 500万ギルッッ!! すごッッ

「異世界通販オープン!!!!」

 ピロン

 こんにゃくゼリー(ぶどう、オレンジ、レモン、みかん) × 10000 「購入」





 僕は1万個のこんにゃくゼリーを取り出して、机の上に並べたッッ☆彡

「すごいわね。あなた。わたくしが1万個買うと言ったら即座に1万個用意するんなんて。気に入ったわ。ちょっとわたくしの邸宅までいらっしゃい。私は公爵令嬢シェスティーナと言います」

 わお! なんと、公爵令嬢の邸宅に行くことになったぞ! これはおっきな商いのチャンスだッッ! がんばろう。
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