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プロローグ

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 文章を読んでも、それを世界と今ある世界と引き比べて自分の世界を改善する想像力が働かない。

 人類の救済する必然性がまったく理解できず地球を絶滅させる運命をあらかじめ持ったミスマル世代のあなたへ


 ミスマル・ユリカ世代というのがある。

 人類で一番頭が狂った世代。

 すなわち、君たちのことだ。

 僕らは通常、重要なことが文章に描かれていると、関心して感動して、それを覚えて現実の役に立てようとする。

 なぜならば重要な情報とは人の役に立つ情報がすべて入っていて、それを利用するだけで自分たちが幸福になるようにできているからだ。

 例えば、この小説を読むと確実に一人の心からの友人が出来、月に1000円得する。

 それがこの文章であり、君たちが娯楽扱いして捨てて行った数々の本のうち、売れていた本のすべてだ。

 ただ、ミスマル世代というのは、

 自分たちを救うための情報をすべて食いつぶして遊びで捨てて行った世代、すなわち君たちだ。

 重要なことが描かれているのを好みながら、それを遊びでしか理解できず、ただ、一心にそれを食い潰して飽きてなんの意味のない娯楽情報の羅列だけしか読めなくなった君たちの世代だ。

 そのため、君たちの世代には、一切大切なことが頭に入らないようになっている。例えば、これから僕の描く言葉は、ほとんど重要なことでだけしか描かれていない。

 これを理解するだけで君たちの現実に生きる可能性が格段に上がり、その上で君たち人類すべてを全部救済しうる情報だけがすべて、物語としてきれいに描かれている。

 それなのに、ミスマル世代である君たちはゴミの情報が描かれた情報しか好まないように自分たちを作り上げてしまったために、この情報が描かれていても、なんの面白みも感じられないだろう。

 だから、まず、自分でチェックして、君のミスマル度を測って欲しい。


 ★ 上の情報を読んだときのあなたの感想。

 以下に記されたレベル判定を行い、自分の状態を確かめてください。レベルによって、あなたの人生はその地獄に確実に落ちるようにできています。地獄に堕ちないように、丁寧に人生を歩んでください。

レベル1・上の文章を読んでもくだらない文字の羅列にしか見えない。

そんなあなたは、サイアク度 無限地獄クラス 5ミスマル。気をつけよう。無限の地獄を回避する手を考えて。

レベル2・上の文章を読んでも苦痛を感じる。拒否したくなる。

そんなあなたは、サイアク度 火炎地獄クラス 4ミスマル。気をつけよう。炎で燃やされない手を考えて。

レベル3・この文章を読んでもところどころわかる。ただ面白くない

そんなあなたは、サイアク度 氷結地獄クラス 3ミスマル。気をつけよう。氷で凍えないで済むラッキーアイテムを探して。

レベル4・この文章を読んでちょっと面白いと思う。

サイアク度 空腹地獄クラス 1ミスマル。空腹を我慢する手、なんとかする手を考えよう。

レベル5・この文章を読んで重要だと思うが苦痛だ。

サイアク度 空腹地獄クラス 2ミスマル。近くに鶏がいたら、必ず家畜として保護しよう。

レベル6・この文章を読んで全部面白いと思う。

あなたはミスマル・ユリカ世代ではありません。あなたの地獄は削減されます。











 あなたが神だったらどうする?

 この質問で僕の言うことを理解できなければ、絶対にあなたは神でいられない。

 神の資格がない。

 あなたは選ばれた自由の力を持ち、完全な力を持ち、すべてのものを自由に出来、

 なにをやっても自由だ。

 あなたは社会システムで完全に守られ、機械によって守られ、あなたを守る役割をなされた存在に守られ、

 万物に守られ、完全に好き放題が可能だ。あなたはそれだけの力を持っている。

 そこであなたがやるのは無制限の快楽と、自分以外の存在を遊び殺すことと、

 自らの気に入った言いなりの愛人を増やすことだろう。

 そこであなたに問いかけたい。

 そこであなたが、ただ高い地位にあって、

 強い力を持ち、遊んで好き放題に他者を遊び殺し、そして無制限に数を増やしたらどうなる?

 あなたには世界を統べる管理能力がないのに、そんなあなたが無制限に数を増やすのだ。

 その上であなたはあなた以外のものを好きに遊び殺す願望を持っている。

 そのあなたが無制限に増えたら、あなたはあなたに遊び殺される。従ってあなたのいる場所は

 神のいられる世界ではなく、痛みとあなたを遊び殺す存在がいる永遠の地獄となる。


 すなわち、神よ。

 僕があなたにコンビニ的に簡単に第1に言いたいのは、―――――「数の制限」






 学校で小学生がクラスでセックスをしている。

 僕からしたらあり得ない話だった。

 小学生というのはエッチをすると、女子は妊娠しても流産して

 すごい痛みを伴って死ぬ場合が多い。

 それに男子が性欲を好き放題にすると、そのまま大人になって、

 女性を襲う性質が出来て、それがまん延すると日本は崩壊してしまう。

「はははっ。何を言ってるんだ。君は? それで君はまともな教師かね?」

 学園で一番美人の小学校6年の生徒にペニスを弄らせながら、教頭が笑う。

 この学園の教師たちはみんなこんなものだ。

 女子教師はとっくに学校に来なくなって、給料だけもらって生きている。

 小学校崩壊。

 これが確かな現実で、最悪の作られてはならない世界だ。

 なのに生徒も教師も学校で授業などせずに好き放題に遊びながら、

 セックスをしまくって、果ては女生徒を襲っている生徒までいる状態だ。

「危険なんです。校長。学校で性崩壊を起こせば、そこにヤクザがやって来ます。
 学校に住みついて組事務所の代わりに使うんです。
 なぜって、表ざたにできない行為を学校がやるから、
 それを理由に学校を支配するんです。今すぐ学校をまともに正常化してください」

「何を言ってるんだ。そんなことが起こるかね? ここは法律のある世界だよ」

「法律のある世界でも簡単に壊れるんです。親も大人も危機意識を持って自覚しなければならない。
 例えば、ハローワークや、警察、病院、職場でも、
 性乱交を好き放題に繰り返せば、ヤクザが襲って来て、ヤクザに居場所を奪われます。
 それで、ヤクザも世界を保つことができずに、世界は性乱で崩壊するんです。
 そのことをちゃんと世界の人間がすべて認識してなければならない。
 それを好きにすると、簡単に世界が壊れるってみんなわかってないとならないんです」

 だが、僕の言った意見は通らなかった。

 校長は小学校6年の女生徒にきゃーきゃー囲われながら、僕に笑った。

「私はロリコンだから校長になったんだよ。君もその口じゃないのかい?
 君みたいな教師が学校にいると邪魔だね。君はクビだよ。出て行きなさい」

 校長にクビを宣告されて、僕は学校を後にした。

「きゃはは。校長とエッチするの楽しい」

「授業をやろうとした真面目バカ教師がクビになったよ。死んじゃえっ。あはは」

 学校を出るときに、女生徒たちが僕を嘲笑った。

 そして、次の瞬間、校門に木刀を持ったヤクザの集団が突っ込んで来た。

 ギラギラしたヤクザの集団が学校を襲って、それに校門で巻き込まれて僕は

 ズタズタに殺されてそこで撲殺されて死んだ。

 ぐしゃぐしゃぐしゃ

 魔王撃

 ヤクザが人間に使う最悪の技。ヤクザが存在する世界で魔王撃はなくならないんだ。

 学校が滅茶苦茶にヤクザに壊されて、教頭や校長、笑いながら教師とセックスしてた女生徒、

 男子生徒とセックスしていた生徒、生徒を襲っていた生徒がヤクザに襲われるのを見ながら、

 僕は暗い闇の中に落ちて行った。





 気づくとすべてが潰されて壊れる世界の中にあった。

 ぐしゃぐしゃ

 僕は何度も何度も圧壊の中でつぶされて跡形もなくぐちゃぐちゃになる。

 ぐしゃぐしゃ

 地球というのは、いつでも重力でつぶされる世界なんだ。

 ぐしゃぐしゃ

 宇宙にある重力というのは、強烈に回る星たちの軌道に振り回される形で出来てる。

 ぐしゃぐしゃ

 高速に回る星の重力の中で、地球は確かにあって、それに振り回されて、

 その重力にへばりついているのが僕らだ。

 ぐしゃぐしゃ

 だとしたら、星の重力というのは微妙なバランスの中でなんとか保ってるのが分かるはず。

 ぐしゃぐしゃ

 その重力が壊れて地球を襲う確率はどれほど高いだろう。

 ぐしゃぐしゃ

 人が生き死にを繰り返す世界で、無限に地球が廻ってるなら、僕らは何度重力に潰される?

 ぐしゃぐしゃ

 今のこの瞬間に、巨大な惑星という石でムチャクチャにぶんまわされた重力で
 人類まるごとスイカ割りの可能性は高い。

 ぐしゃり

 それを圧壊という。

 ぐしゃぐしゃ

 その圧壊はいつ起きるとも限らないから、僕らは圧壊をなんとかしなきゃならない。

 ぐしゃぐしゃ

 なんとかしないと、ずっと転生を繰り返す中で僕らはずっと潰れ続けるんだ。

 ぐしゃぐしゃ

 圧壊は止まらない。痛みがものすごい。重力で一瞬でつぶされながら。

 ぐしゃぐしゃ

 僕は100憶回繰り返される転生の中でつぶされて死に続けてる。

 ぐしゃぐしゃ

 そして、そんな中で、僕はイジ川にあったんだ。

 ぐしゃぐしゃ

 イジ川は、小学校のときに僕をイジメて、クラスで仲間外れにしてくれた同級生。

 ぐしゃぐしゃ

 女生徒なのにすごくイジが悪くて、クラスの中心人物だった女生徒。

 ぐしゃぐしゃ

 そのイジ川はなぜか、小学校5年のとき、僕を交通事故から守って死んだ。

 ぐしゃぐしゃ

 圧壊に引きつぶされる中で小学生5年生の姿のまま、イジ川が僕に近づいて来る。

 ぐしゃぐしゃ

 イジ川は僕をかばって、僕に覆いかぶさって僕の代わりにつぶれた。

 ぐ

 イジ川が言った。

「重力でつぶされている間に意識を集中しな。慶瞬。あたしがかばうから、
 イメージの中で世界を想像してそこに逃げ込むんだ」

 イジ川が僕の代わりに潰され続ける。

 その間に僕は気持ちにゆとりが出来た。

 イジ川の言ってることってどういうことだろう?

 イメージの中で世界を想像してそこに逃げ込む。それで僕は助かるのか?

「なんにせよ、科学で星が世界を潰す重力を止める方法をあたしたちは作らないとならない」

 イジ川は僕の代わりにつぶれる。

 ぐしゃぐしゃ

「そうしないとあたしたちは死んだときにいつでも圧壊でつぶれ続ける。それを止めるために、
 あたしは慶春、あんたの代わりに小学校のときに死んだんだ。
 凄まじい数の転生の中で、あんたが圧壊と地獄を止める可能性だと気づいたから」

 ぐしゃぐしゃ

 イジ川、何を言ってる? 僕が圧壊を止める可能性?

「いずれにせよ、世界は普通に生きてたら、破滅してサイアクなことになる。
 すべての人間がなんとかしなきゃならないのに、みんな、バカみたいに遊ぶんだよ。
 あたしはそのツケを食らって行き止まりのどうにもならない場所に来た」

 イジ川? なにを言っている。

「そこでアタシは自分で考えてどうにかする方法をやってるんだ。
 そこで見つけたのがアンタという可能性だよ。慶瞬。あんたはすべてを救うんだ」

 僕はイジ川がなにを言ってるのか分からないままに、
 イジ川の言ったことをやってみることにした。

 僕はつぶれる地球の世界の中でイジ川に助けられた一個の可能性。

 だとしたら、僕はつぶれる世界の中で今できることをするんだ。

 すべての重力で物理的につぶれる世界なら、圧倒的な重力質量の先に、
 物理を越えた精神の世界があるはず。

 精神の世界では、重力で世界は潰れない。

 だとしたら、僕はその精神の世界に行こう。

 重力で圧壊しないで形を保ってるなんらかの世界に精神で行こう。

 ぐしゃぐしゃ

 ぐしゃぐしゃ

 イジ川と一緒につぶされる世界の中で、僕は僕が生きられて、僕の可能性を
 作れる世界を想像し、そして扉を開いた。

 ファンタジーワールド。

 魔法の世界。科学と現実の世界とは別の、僕が、すべての可能性を持てる場所。

 今こそ僕はその世界に転生する。

 そこは、シャルトヘイヴァという世界。

 大陸がいくつもあって、そこで、竜騎士がまるで、解放された絨毯爆撃機のように

 世界を襲って崩壊がはじまっている世界。

 その世界のひとつの大陸、3つの王たちが、

 まるで中国、ロシア、アメリカのように制御できない暴力の力、竜騎士の力を使って、

 大陸の王となろうと愚かに破滅に向かって走っている世界。

 そこにある31歳の父親がなんとか自力でシアルフィという領地を刈り取って、

 なんとか一時的にせよ平和を保っている瞬間に僕は転生した。

「産まれました。領主さま。男の子です。あなたの跡取りさまが誕生しました。アークさまです」

 僕はそこで、アークという名の0歳児に転生した。
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