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迫り来る危機
しおりを挟む最近、森の様子がおかしい。
モンスターや魔物が頻繁に出現するようになった。
騎士団たちは出現したモンスターと魔物の討伐に向かっていった。
討伐に向かった騎士団の中には大けがをしたり、戦死者も出ていた。
この国はターニヤ王国と呼ばれている。
ターニヤ国王は森の不穏な動きを鑑みて、三日後に大規模の兵を森に侵攻させ、調査及び、討伐に向かうことを決めた。
出発の前日にエリスと話しをした。
エリスは討伐部隊には参加せず、城や街の警護として残るように命じられたようだった。
「私が討伐部隊に参加できないのは残念だけど、街の治安は私が守るから任せてちょうだい」
そう意気込むエリスを見て、街は大丈夫だと俺は安心していた。
討伐隊が出発する日、俺は討伐隊にみつからないように、こっそり隠れて後を付けていた。
森の深くに入っても異様な程に静かであり、討伐隊員の気持ちが緩んでいた。
リーダーである指揮官の一人が「油断するな、気を引き締めろ」と警戒の号令を掛けた。
その時だった。
「うっ」
指揮官の身体を何かが巻き付き始め、その締め付ける力は徐々に強くなり、ボキっという音と共に指揮官の身体をへし折ってしまった。
指揮官の上を見上げると、巨大な大蛇が顔をのぞかせていた。
その光景を見て恐怖に悲鳴をあげる者がいた。
指揮系統が閉ざされた隊列は混乱の渦にあり、逃げ出す者もいれば、大蛇に立ち向かう隊員もいた。
さらに誰かが別の異変に気付いた。
雲一つなく晴れ渡っていたにもかかわらず、隊員十人分を覆う影ができたのだ。
上空を見上げると、天災級のドラゴンが王国に向かって飛翔しているのだ。
そして、遠くから街に向かって爆炎の炎を吐いたのだ。
「もう、終わりだ・・」
誰かがそう呟いた
逃げ出そうとしていた隊員がその光景を見た途端に膝が崩れ、逃走意欲さえも奪ったのだ。
ドラゴンが街に上陸しようとしている。
エリスが危ない。だが、ここにいる隊員も気がかりだった。
逡巡の末、姿が見られないように大蛇を重力魔法で押し潰して、エリスがいる街へと向かった。
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