お伽噺のカケラ

ちちまる

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月光の約束

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昔々、ある遠い国に、月の光が輝く美しい村がありました。その村のはずれに、一人の少年が母と共に小さな家で暮らしていました。少年の名前はユウトで、彼には特別な力がありました。月の光の下でしかその力を使うことができず、月夜になると、彼は幻想的な景色を描くことができたのです。

しかし、その力はある秘密を抱えていました。ユウトの力は、彼の母が若い頃、月の女神に願いを込めて得たものだったのです。母は、病に苦しむユウトを救うために、月の女神に彼の命を長らえさせることを願いました。女神はその願いを受け入れましたが、代わりに彼にこの特別な力を与え、ある約束をさせました。ユウトが十六歳になるまでに、自分の真の力を見つけ出し、それを人々のために使うこと。そうしなければ、彼の命は月と共に消えてしまうというものでした。

時が流れ、ユウトは十六歳の誕生日を迎えようとしていました。彼は、自分の力が何のためにあるのか、どのようにして人々の役に立てるのかをまだ見つけ出せずにいました。ある夜、村が突然、暗闇に包まれました。月が消え、星も見えなくなり、ユウト以外の誰もが深い眠りについたのです。

ユウトは、これが自分の試練であると悟りました。彼は家を出て、消えた月を探しに行く決意をしました。長い旅の末、ユウトは高い山の頂に辿り着きました。そこで彼は、暗闇を打ち払い、再び月を輝かせるための鍵を見つけました。それは、彼の心の中にある無限の愛と創造力でした。ユウトは、自分の絵を使って人々に希望と夢を与えることが、自分の真の力であると気づきました。

月の女神はユウトの成長と決意を見て、約束を果たしたと認めました。月は再び輝きを取り戻し、村には平和が戻りました。ユウトは、その後も月の下で絵を描き続け、その絵は世界中の人々に希望を与えました。

そして、ユウトが描いた絵は、月光の下で特別な力を持ち、見る者の心を癒し、夢を育む力があると伝えられています。月光の約束は、世代を超えて語り継がれることとなりました。

そして、ユウトと彼の母は、月の女神の恩恵を永遠に感謝し、美しい村で幸せに暮らし続けたと言われています。
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