愛のカタチ

三杯のカルピス

冷たいカルピスが口の中で爽やかに溶けていく。優子がカウンターに立つと、彼女の向こう側にいる男、高橋が微笑んでいた。

「もう一杯どうだい？」

二杯目のカルピスは、優子が彼の中にある何かに気づき始めるときだった。温和な彼の目、彼の優しい言葉。高橋は彼女の心に柔らかく触れた。

それは夏の終わり、彼らが共に過ごした最後の夜だった。キャンドルの灯りが彼の顔を柔らかく照らしていた。高橋は再びカルピスを注いだ。それは、彼らの間に漂う甘い緊張を和らげるためだった。

「これで三杯目だね」と優子が言った。「でもなぜカルピスなの？」

「ほら、恋っていうのは、最初は甘酸っぱくて、でも時間が経つと甘さが増してくるような感じだろう？」高橋は言った。「カルピスってそんな感じだよね。」

その夜、彼らは初めてキスを交わした。カルピスの甘さが彼らの唇に残って、その瞬間は永遠に続くように感じられた。

時は流れ、彼らの恋は甘酸っぱさから甘さへと変わり、カルピスのように深い感情が生まれた。
それは、彼らの愛の始まりを告げる甘い、しかし短い一瞬だった。