オーデンスのΩの物語《I》

風鈴

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《第一部》一途なΩは幼馴染のαに恋をする

アリスとジャック(3)

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 ルカが、いろいろと考えていたら、アリスと会う時間になった。
「こ、こんにちはルカ師範代」
 ジャックが、緊張しながら挨拶をする。
「アリスはちょっとだけここにいて」
 とルカは、挨拶もせずにジャックと2人になりたい為に借りていた奥の部屋に入っていきなり、ジャックを殴っていた。
 ジャックは、受け身も取らずに殴られた。
「気が済みましたか?」
 ジャックは、殴られた頬をさすりながら言う。ルカは、少し興奮した様子で話す。
「気が済む訳ないだろう。よりにもよってクラーブの手の者にアリスを取られるなんて、クラーブの笑い顔が浮かぶ。リュウール様の事にしても俺とは血がつながって無くても可愛い弟で大切なのにあの腹黒なあいつの番にすると、トーマス様から言われた時も俺らの兄弟は誰一人として賛成したくなかった。リュウール様が、『オーデンスのΩ』これから彼の方を支える人物が他にはいない事実があるから渋々納得したが、アリスまでクラーブの元に行くなんて、おまえ、心して臨まないと俺の兄弟のあの3人は、俺よりタチが悪い」
「あぁ、そうですよね。俺だってアリスが師範代の妹だと言われて度肝抜かれましたから、クラーブ様はとうの昔に知ってた感じでした。多分あの主人が、自分が使っている者達の事で知らない事は殆ど無くて、それで何か不都合が有れば全力で潰して来ます。特に今のグランデール侯爵家の親子は、守ってもくれますが、洗練さに関しては非常に厳格なんで、下に仕える者は身綺麗にしてそそくさ仕事をこなしてと情報を集めるしかなんです」
 と、皮肉な顔で言うと、ルカも少し落ち着いてきた。
「お前も大変な家に使われているな。だけど、昨日先週会った時はお前は知らん顔してたよな!とぼけて俺を組手の相手にしていたくせに、本当グランデールのカラスは食えない。だが、アリスはまだまだリュウール様の侍女として使える。それは、リュウール様に孤立感を持たさない為だ」
「了解致しました。俺はとりあえずクラーブ様に付き合って王都を脱出します。グランデール領を中心に北の動向を商団を組んで渡り歩く事になると思います、まだ、クラーブ様の考えが見えて来ない。リュウール様が留学先に着き、落ち着くまで余談はできないので変更が続くかと思います。夫婦にはまだまだなれないですが、アリスさんを愛しています。クラーブ様がリュウール様を一番にされているのでアリスも守っていける筈です。王都に戻れるには多分時間かかると思います。ただ、これは未確定がたぶんに含まれているので、お分かりだと思いますが人使いだけは粗いグランデール家なので、だけどルカ様ももう動かれるのですよね」
「まぁな今は、トーマス様よりカール元帥の意向が強いかな、リュウール様のオーデンス入城までは俺の仕事はなさそうだが、その後は追って沙汰を待て状態なので、急に俺も王都から姿を消す可能性がある」
「ねぇ、まだ?えぇ、ルカ兄ーぃ、ジャックを殴ったでしょう、だから会わせたくなかったのに」
「大丈夫だ、手加減はした。アリス、もうジャックと幸せにおなり、リュウール様の侍女仕事しっかりやっておいで」
「本当にいいの?リュウール様に付いて帝国まで行っていいのね」
「あぁ良いよ、ジャックと良いパートナーにおなり、ロンやボブ、ルークには多分リュウール様に付いて行けば会えるからその時にアリスが直接に言った方がいい。とりあえず兄ちゃんとルークには伝えておくから」
「ありがとうお兄ちゃん。ジャックと幸せになるから」
 と言って2人は幸せそうに帰って行った。
 それを見つめるルカは、『リュウール様について行くか、あいつがリュウール様のアキレス腱にならないように検討して置かなくては』と思う。
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