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《第二部》一途なΩの新しい旅立ち
フォンテン村の悲劇(2)
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ルーク兄は優しく、冷静に話しを続けた
「カール元帥にクリスを渡したことでひとまず安心した父だったが、暗部はいつかフォンテン村に来ると思っていた。だから、村人に退避する様に言って聞かせてきた。収穫前の畑を捨てる村人は中々いなかった。『私は、オーデンスに反いてこの地を出る。次にこの土地に来る領主は、地も涙もない極悪だから罰を受けることになる』と言った。最後は『私達はここから出ていくこの後の責任は取れない』とまで言って、とりあえず村人を教会に行かせようとしていた」
「俺とルークは、父から命令で数日前から家の中の様々な書類やクリスのいた痕跡を処分していた。母は家にあるお金は勿論の事お金になる物を教会に寄付する為に村人のこれからの為にと教会に持って行っていた」
ルカ兄は、声を震わせて話す。
「ルカ兄は兄弟達の世話もしていたし、俺は父と一緒に身体不自由な人や年寄りの所に行って教会に送ったりしていた。もう一か月有ればよかったかもしれんないが、一週間ほどで、暗部達が村を襲いに来てしまった。先ずは父にリュウール様を匿ったのかを聞いた。父は国王陛下に頼まれてマルクって子供を1人預かっただけだと言ってた。その子は旅の導師様が攫っていった。そんなことで暗部が信じる訳ないが、家にはリュウールがいた痕跡もなくて証拠がない勿論金目の物も無かったので家を荒らして出て行った。それこそ残り少ない蝋燭や食糧も根こそぎ奪って行った。最後は父親を連れて行った。母は、父が帰って来ない事と俺達の事が心配で、何もない家にいるのも危険だと思い俺とルカ兄にチビ達を教会に連れて行って待つようと頼んだ」
ルークが、一気に話す。
「俺達はチビ達を馬車に乗せて教会に連れて行った。夕方教会に我が家の異変に気づいた村人が少しづつ集まって来ていて食事の準備を手伝っていた時に、アリスが、お昼寝していた筈のマークが家に帰るって言って出て行ったと言ってきた。俺とルークは探しに行く事になった」
「マークを探して家に帰ると母がいたがマークはいなかった、それで、3人で捜していた時に奥側の麦畑が燃え始めた。
始めはどうしてって思ったけど、その後すぐ父が帰って来てあいつら火を付けてのか、と言って俺とルークに『村人に知らせて教会に行くようにと言ってまわれ、無理はするな残った子供達をちゃんと育てるのはお前たちだから危険な事はするな無駄に死ぬ事は許さない』と言うと母を連れてマークを探しに行った」
「あの日は風も吹いていたので、あっと言う間に燃広がってしまい俺とルークは教会に行くしか出来なかった」
キャサリン夫人が引き継いで話始めた。
「私がオーデンスのフォンテン村に着いた時は、火事があって4日目だった。村は焼け野原になって行って、高台の教会が唯一の建物だった。それも東側は焼け落ちてしまっていた。教会にいる人から事情を聞くと、村がみるみる間に炎に包まれたそうよ。火事から逃げて来た人が言ったのは、火事場泥棒が来て金目の物をぶん取って火を付けて回っている。若い女の子たちはどこかに連れて行かれた。歯向かう者は簡単に殺されてしまって、命からがら逃げて来たと言う、聞くに絶えないものだったの。
2日目にやっと火の勢いが収まって大雨が降ってそれでやっと鎮火した事を聞いた。人々は力なく茫然としてするしかなかった様よ。私は、村を視察して周り、生きている人やご遺体を集めて回った。私の目の前の村は無残な姿を見せて、逃げ遅れた村人の焼けこげた遺体や斬られて死んでしまった遺体がたくさん様々の所から見つかった。その中には村人を守る為に戦った老騎士もいた。それを助かった村人で教会の下の焼けこげた楠の下に集めた。ご遺体は30以上もあって悲しみより怒りで震えてしまった。そのご遺体をこの楠の下に埋めて鎮魂祭を行った。それから残った村人をオーデンスの他の村に移住させて、フォンテン男爵の子供達を私の孤児院に連れて行った。教会にはハーツ牧師が残って、鎮魂のミサを毎日行っていたが、身体を悪くして空気の良いオークの教会に行く事になった」
「ジョナ父さん達もその楠木の下に居るの?」
リュウールは、心が痛くて仕方なかったが、思い切って聞いた。
「父と母とマークの遺体は見つからなかった。特に俺達の家の周りは激しく燃えていたので、人か何かわからない程燃え尽きてしまったかもしれない」
ルーク兄が言う。
キャサリン夫人は、静かに話す。
「全ての手配を終えて、王都に戻った。ロンとボブは子供達を引き取って育てると言っていたが、騎士見習いとして騎士団で修行を始めたロンとトーマスと一緒にトルベール学園に入学したロブの2人に子供達の世話をする事はできないから私がちゃんと育てるから、今は家の再興を目指して今やるべき事をやる、それが、ご両親の一番の願いだからと頑張る様に諭した」
僕は涙が出て来ない、僕があの家に居たからってなんで村を燃やさなくてはならなかったのかがわからなかった。
「カール元帥にクリスを渡したことでひとまず安心した父だったが、暗部はいつかフォンテン村に来ると思っていた。だから、村人に退避する様に言って聞かせてきた。収穫前の畑を捨てる村人は中々いなかった。『私は、オーデンスに反いてこの地を出る。次にこの土地に来る領主は、地も涙もない極悪だから罰を受けることになる』と言った。最後は『私達はここから出ていくこの後の責任は取れない』とまで言って、とりあえず村人を教会に行かせようとしていた」
「俺とルークは、父から命令で数日前から家の中の様々な書類やクリスのいた痕跡を処分していた。母は家にあるお金は勿論の事お金になる物を教会に寄付する為に村人のこれからの為にと教会に持って行っていた」
ルカ兄は、声を震わせて話す。
「ルカ兄は兄弟達の世話もしていたし、俺は父と一緒に身体不自由な人や年寄りの所に行って教会に送ったりしていた。もう一か月有ればよかったかもしれんないが、一週間ほどで、暗部達が村を襲いに来てしまった。先ずは父にリュウール様を匿ったのかを聞いた。父は国王陛下に頼まれてマルクって子供を1人預かっただけだと言ってた。その子は旅の導師様が攫っていった。そんなことで暗部が信じる訳ないが、家にはリュウールがいた痕跡もなくて証拠がない勿論金目の物も無かったので家を荒らして出て行った。それこそ残り少ない蝋燭や食糧も根こそぎ奪って行った。最後は父親を連れて行った。母は、父が帰って来ない事と俺達の事が心配で、何もない家にいるのも危険だと思い俺とルカ兄にチビ達を教会に連れて行って待つようと頼んだ」
ルークが、一気に話す。
「俺達はチビ達を馬車に乗せて教会に連れて行った。夕方教会に我が家の異変に気づいた村人が少しづつ集まって来ていて食事の準備を手伝っていた時に、アリスが、お昼寝していた筈のマークが家に帰るって言って出て行ったと言ってきた。俺とルークは探しに行く事になった」
「マークを探して家に帰ると母がいたがマークはいなかった、それで、3人で捜していた時に奥側の麦畑が燃え始めた。
始めはどうしてって思ったけど、その後すぐ父が帰って来てあいつら火を付けてのか、と言って俺とルークに『村人に知らせて教会に行くようにと言ってまわれ、無理はするな残った子供達をちゃんと育てるのはお前たちだから危険な事はするな無駄に死ぬ事は許さない』と言うと母を連れてマークを探しに行った」
「あの日は風も吹いていたので、あっと言う間に燃広がってしまい俺とルークは教会に行くしか出来なかった」
キャサリン夫人が引き継いで話始めた。
「私がオーデンスのフォンテン村に着いた時は、火事があって4日目だった。村は焼け野原になって行って、高台の教会が唯一の建物だった。それも東側は焼け落ちてしまっていた。教会にいる人から事情を聞くと、村がみるみる間に炎に包まれたそうよ。火事から逃げて来た人が言ったのは、火事場泥棒が来て金目の物をぶん取って火を付けて回っている。若い女の子たちはどこかに連れて行かれた。歯向かう者は簡単に殺されてしまって、命からがら逃げて来たと言う、聞くに絶えないものだったの。
2日目にやっと火の勢いが収まって大雨が降ってそれでやっと鎮火した事を聞いた。人々は力なく茫然としてするしかなかった様よ。私は、村を視察して周り、生きている人やご遺体を集めて回った。私の目の前の村は無残な姿を見せて、逃げ遅れた村人の焼けこげた遺体や斬られて死んでしまった遺体がたくさん様々の所から見つかった。その中には村人を守る為に戦った老騎士もいた。それを助かった村人で教会の下の焼けこげた楠の下に集めた。ご遺体は30以上もあって悲しみより怒りで震えてしまった。そのご遺体をこの楠の下に埋めて鎮魂祭を行った。それから残った村人をオーデンスの他の村に移住させて、フォンテン男爵の子供達を私の孤児院に連れて行った。教会にはハーツ牧師が残って、鎮魂のミサを毎日行っていたが、身体を悪くして空気の良いオークの教会に行く事になった」
「ジョナ父さん達もその楠木の下に居るの?」
リュウールは、心が痛くて仕方なかったが、思い切って聞いた。
「父と母とマークの遺体は見つからなかった。特に俺達の家の周りは激しく燃えていたので、人か何かわからない程燃え尽きてしまったかもしれない」
ルーク兄が言う。
キャサリン夫人は、静かに話す。
「全ての手配を終えて、王都に戻った。ロンとボブは子供達を引き取って育てると言っていたが、騎士見習いとして騎士団で修行を始めたロンとトーマスと一緒にトルベール学園に入学したロブの2人に子供達の世話をする事はできないから私がちゃんと育てるから、今は家の再興を目指して今やるべき事をやる、それが、ご両親の一番の願いだからと頑張る様に諭した」
僕は涙が出て来ない、僕があの家に居たからってなんで村を燃やさなくてはならなかったのかがわからなかった。
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