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独立
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敬介は、祖父の家で陶芸を作り始めた。ひとりでは回らない事もあるが、そこは家族が色々と手伝ってくれた。
「敬介、お前ノベルティを作れるよね」
「ノベルティ?」
「うん、前勤めていた銀行で、年金の振込口座の手続きをしてくれた人に湯呑みやコップを渡しすけど、いまいちダサいのよね、絶対に使わないで食器棚の奥に入るぐらい」
「姉ちゃん、銀行やめたんだろ」
「辞めたよ、だけど友人はまだいるしその中に銀行のノベルティを管理している課長がいるのその人に持ちかけたら結構良い反応だったから、どうかなぁって思ってどうせ敬介の事だからノープランんだろ」
「はぁ、ご想像通りです」
「先ずはサンプルがいる、お前のあの山のような陶器の中からコップと茶碗を探して置いて、それとその他にも色々とお願いしたいから、よろしくね」
それを皮切りにその子供も手が離れて暇にしていた姉は、次々と仕事を取ってきてくれた。帳簿は、県庁を退社してぶらぶらしていた父親に姉が、簿記検定を受けさせた、父親はあっという間に簿記一級と税理士試験に受かったので、全面的にお世話になっている。姉の顔の広さは兎に角広くて、地元企業のノベルティにつかってもらったり、フリーマーケットで販売したり、夏休みには、少人数の焼き物体験などを開催するワークショップを立ち上げるなどを展開した。
ネットでの販売は、弟の奥さんが、インターネットサイトを利用して自分が作った髪飾りやアクセサリー等の販売をしていたので、彼女が、いろいろと教えくれた。その上、敬介の器の写真を品良く取ってくれてサイトの敬介の店に載せた。
その甲斐あって、敬介は、独立して間もない新人陶芸家なのだが、結構忙しく制作していた。姉は、マネジメント業が板について、敬介だけでなく義妹の商品も手掛け出した。
敬介が、道の駅で置いていた作品やインターネットサイトの敬介の店の売り上げが上がり始めた頃に、新聞社の工芸展に参加して、新人賞を受賞した。独立から3年目が過ぎていた。
祖父の家には、お祝いの花が飾られた。今日は地方放送局の取材でカメラマンやインタビュアーなど様々な人が来ていた。インタビューの前には敬介が、土を練っている所やろくろを挽いている所などをカメラに納められて、そのあとに敬介はひとりで作品を見せながらインタビュアーの質問に答えていた。
ー本日は、S新聞社主催の工芸展で見事新人賞を受賞された、東山敬介先生にお話を聞きます。東山先生は、東山地区で工房をお持ちです。
それでは、まずは、先生が陶芸と出会った時はいつですか?
都立H大のサークル紹介の時です。
ーそれまでに陶芸はされてなかったのですか?
はい、僕は物を作ることが苦手で、何を作っても上手くいった事がなかったんです。だから陶芸なんてとんでもないと思っていました
ーそれでは、どうしてしてみようと思ったのですか?
サークル紹介の時に僕の入っていた都立H大学の陶芸部ではろくろを回すパフォーマンスをするんです。3年生が中心で、大きな皿や首の長い一輪挿しなどを作るんです。僕はろくろも見た事がなかったし、皿があんな風に作られるとも知らなかったんです。それを見て自分がやっているようなイメージがしたところに3年生の先輩に声をかけられて、陶芸部に入りました。やってみると見ているより難しくて大変でした
ーそれでは、始めは苦労されたんですね
はい、始めは手捻りでコップを作ることから始めますが、まず、コップの大きさなんてあまり無関心に生きていたので、底の大きさがでかい、手捻りだから、縄状に土を積んでいくんですが、縄状に土が一定じゃないからがたがたになってだんだん膨らんでくる。本当に自分の不器用さに呆れました。いつもならそこでもう無理だと諦めてしまうんですが、ある人から「ここで終わればこれ以上は何も作れないだろう」そう言われてそれまでの自分に反省して、次こそはと思いながらがんばったんです。市民講座の受講生さんからは、時間があり、土がそこにある環境って羨ましいと言われました。だから大学時代が1番製作しました。
ー今回、新人賞を受賞された作品ですが、うす紫が墨色とのコラボレーションが素敵だと思いましたが、ご自身ではいかがですか?
今回のこれのは、大学時代に偶然の産物でできて、それを同じ感じになるまで、何回も焼きました。土、釉薬、練りをひとつひとつ変えながら本当に何回も挑戦し続けて納得できる物が出来ました。しかし、陶芸は同じ様に見えても同じ感じに上がる事って稀なので、まだまだ精進していきます
ーこれからの展望は?
そうですね、今はガス窯で作っていますが、いつかは登り窯で焼き物を作りたいと思います。ガス窯が、能力がないのではなく、陶芸家としての欲がいつかは登り窯で焼きたいと思わせてるのだと思うのです。ガス窯の良さと登り窯の良さをもっと引き出せるようになるまで生涯修行中と思って良いものを皆様に提供したいです
ー本日はありがとうございました
ありがとうございました
姉は、敬介のマネジメントを一切仕切っているので、テレビ局のプロデューサーとの打合せに忙しく動き回ってくれていた。
「敬介、お前ノベルティを作れるよね」
「ノベルティ?」
「うん、前勤めていた銀行で、年金の振込口座の手続きをしてくれた人に湯呑みやコップを渡しすけど、いまいちダサいのよね、絶対に使わないで食器棚の奥に入るぐらい」
「姉ちゃん、銀行やめたんだろ」
「辞めたよ、だけど友人はまだいるしその中に銀行のノベルティを管理している課長がいるのその人に持ちかけたら結構良い反応だったから、どうかなぁって思ってどうせ敬介の事だからノープランんだろ」
「はぁ、ご想像通りです」
「先ずはサンプルがいる、お前のあの山のような陶器の中からコップと茶碗を探して置いて、それとその他にも色々とお願いしたいから、よろしくね」
それを皮切りにその子供も手が離れて暇にしていた姉は、次々と仕事を取ってきてくれた。帳簿は、県庁を退社してぶらぶらしていた父親に姉が、簿記検定を受けさせた、父親はあっという間に簿記一級と税理士試験に受かったので、全面的にお世話になっている。姉の顔の広さは兎に角広くて、地元企業のノベルティにつかってもらったり、フリーマーケットで販売したり、夏休みには、少人数の焼き物体験などを開催するワークショップを立ち上げるなどを展開した。
ネットでの販売は、弟の奥さんが、インターネットサイトを利用して自分が作った髪飾りやアクセサリー等の販売をしていたので、彼女が、いろいろと教えくれた。その上、敬介の器の写真を品良く取ってくれてサイトの敬介の店に載せた。
その甲斐あって、敬介は、独立して間もない新人陶芸家なのだが、結構忙しく制作していた。姉は、マネジメント業が板について、敬介だけでなく義妹の商品も手掛け出した。
敬介が、道の駅で置いていた作品やインターネットサイトの敬介の店の売り上げが上がり始めた頃に、新聞社の工芸展に参加して、新人賞を受賞した。独立から3年目が過ぎていた。
祖父の家には、お祝いの花が飾られた。今日は地方放送局の取材でカメラマンやインタビュアーなど様々な人が来ていた。インタビューの前には敬介が、土を練っている所やろくろを挽いている所などをカメラに納められて、そのあとに敬介はひとりで作品を見せながらインタビュアーの質問に答えていた。
ー本日は、S新聞社主催の工芸展で見事新人賞を受賞された、東山敬介先生にお話を聞きます。東山先生は、東山地区で工房をお持ちです。
それでは、まずは、先生が陶芸と出会った時はいつですか?
都立H大のサークル紹介の時です。
ーそれまでに陶芸はされてなかったのですか?
はい、僕は物を作ることが苦手で、何を作っても上手くいった事がなかったんです。だから陶芸なんてとんでもないと思っていました
ーそれでは、どうしてしてみようと思ったのですか?
サークル紹介の時に僕の入っていた都立H大学の陶芸部ではろくろを回すパフォーマンスをするんです。3年生が中心で、大きな皿や首の長い一輪挿しなどを作るんです。僕はろくろも見た事がなかったし、皿があんな風に作られるとも知らなかったんです。それを見て自分がやっているようなイメージがしたところに3年生の先輩に声をかけられて、陶芸部に入りました。やってみると見ているより難しくて大変でした
ーそれでは、始めは苦労されたんですね
はい、始めは手捻りでコップを作ることから始めますが、まず、コップの大きさなんてあまり無関心に生きていたので、底の大きさがでかい、手捻りだから、縄状に土を積んでいくんですが、縄状に土が一定じゃないからがたがたになってだんだん膨らんでくる。本当に自分の不器用さに呆れました。いつもならそこでもう無理だと諦めてしまうんですが、ある人から「ここで終わればこれ以上は何も作れないだろう」そう言われてそれまでの自分に反省して、次こそはと思いながらがんばったんです。市民講座の受講生さんからは、時間があり、土がそこにある環境って羨ましいと言われました。だから大学時代が1番製作しました。
ー今回、新人賞を受賞された作品ですが、うす紫が墨色とのコラボレーションが素敵だと思いましたが、ご自身ではいかがですか?
今回のこれのは、大学時代に偶然の産物でできて、それを同じ感じになるまで、何回も焼きました。土、釉薬、練りをひとつひとつ変えながら本当に何回も挑戦し続けて納得できる物が出来ました。しかし、陶芸は同じ様に見えても同じ感じに上がる事って稀なので、まだまだ精進していきます
ーこれからの展望は?
そうですね、今はガス窯で作っていますが、いつかは登り窯で焼き物を作りたいと思います。ガス窯が、能力がないのではなく、陶芸家としての欲がいつかは登り窯で焼きたいと思わせてるのだと思うのです。ガス窯の良さと登り窯の良さをもっと引き出せるようになるまで生涯修行中と思って良いものを皆様に提供したいです
ー本日はありがとうございました
ありがとうございました
姉は、敬介のマネジメントを一切仕切っているので、テレビ局のプロデューサーとの打合せに忙しく動き回ってくれていた。
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