38 / 56
第38話 ローフェンVSセバスチャン
しおりを挟む
次の日──。
ついにローフェンと、謎のゲルドンの秘書、セバスチャンが闘うことになった。
2回戦第4試合。
ゲルドンの秘書の闘いぶりを観ようと、たくさんの客がスタジアムに入っている。
「ついに、セバスチャンをぶっとばす時がやってきましたよーっと」
ローフェンはすでに武闘リングに上がり、軽い柔軟体操をしている。
いつも通り、軽口を叩いているようだ。
「お、おいっ! 気を引き締めろ、ローフェン」
俺はローフェンのセコンドを申し出て、リング下からアドバイスするつもりだ。
俺の側には、ミランダさんもいる。彼女もセバスチャンの試合を近くで観たいらしい。
エルサも娘のアシュリーと一緒に、セバスチャンの試合を観ると言い出した。観客席に座っている。
「相手はどんな技術を持っているか、さっぱり情報がないんだ。気を付けろ」
俺はローフェンに注意した。
「情報? いらねーよ、そんなモン。俺が蹴り飛ばしてやるさ」
ローフェンは余裕の表情だ。
一方のセバスチャンの武闘リングに上がり、ローフェンをじっと見ている。
何をやってくるのか? それとも、たいしたことないヤツなのか?
セバスチャン──この試合で、彼の実力が明らかになる!
カーン
試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
「あーらよっ!」
ローフェンはいきなり走り込んで、上段回し蹴りだ! よ、よし、いきなり大技だが、いいぞ!
セバスチャンは薄く笑って、スウェーでそれを避ける。
ローフェンはそのまま後ろ回し蹴りに移行した。
スッ
セバスチャンはすずしい顔で、後退。これも見事に避ける。
「だッ」
ローフェンのパンチ──左ジャブ!
セバスチャンは顔を傾けて、それを避けた。
「いいね。君、なかなか良い蹴りだよ。ローフェン君」
セバスチャンは笑って言った。
「君は我が武闘家養成所、『G&Sトライアード』では、中級クラスで学ぶといい」
「中級クラスだとおおおお? バカにすんだ!」
ローフェンの右ストレートパンチ、左ジャブ、そして右中段回し蹴り!
セバスチャンは二回のパンチを手で叩き落し、回し蹴りは左スネでカット。
「どらあっ!」
ローフェンの大振りのパンチ──左フック! 速い! これはもらったか?
シュパッ
「あっ……!」
「見ろ」
「何だ?」
観客たちは声を上げた。
セバスチャンは、そのローフェンのパンチ──拳をいとも簡単に、手で掴んでいた。
ゆるり
その時──そんな音がしたような気がした。セバスチャンはムダのない動きで、ローフェンの背後に回り込んだ!
そ、そして、ローフェンの鼻を──。
セバスチャンは自分の手で、ローフェンの鼻をふさいだ?
「お、う?」
ローフェンは後ろに回り込まれてあわてた。
するとセバスチャンは、ローフェンの膝裏を、右足で踏んだ!
すると、セバスチャンは、ゆっくりとリング上に座らされてしまったのだ。
まるであやつり人形のように……。
な、なんだ、この技術は?
「あれは軍隊格闘技の技術よ!」
ミランダさんが声を上げた。
ぐ、軍隊格闘技? 戦場で使う格闘術ってことか?
「相手の力を制圧する、超実戦的な格闘技よ」
セバスチャンはローフェンの首に、自分の右腕をかける。
やばい! 首絞め──チョークスリーパーだ!
「だらあっ!」
ローフェンは肘を振り回し、セバスチャンの頬に当て、あわてて立ち上がった。そしてチョークスリーパーから、逃れた……! あ、危ない、危ない……。
「ふふっ」
セバスチャンは肘が当たった頬を手でこすって、ローフェンと対峙した。
セバスチャンは深追いしない。
──二人はまたスタンディング──立ったままで、にらみあった。
「君、なかなかしぶといね」
セバスチャンはひょうひょうと言った。
「あいにく、優勝ねらってるんで──」
ローフェンは答えた。
「って、おい! てめー、さっきから上から目線でムカつくな」
ローフェンはそう言いつつ、またしても右ジャブを繰り出し、今度は接近して──左ボディーブロー! セバスチャンの腹を狙った。
し、しかしだ!
セバスチャンは右ジャブを避け、しかも左ボディーブローを避けたと思ったら──。
ローフェンの左腕を、自分の脇に挟んで、フック──固定した!
「なっ!」
ローフェンは驚く。
この超近距離のまま、セバスチャンはローフェンに、パンチで打撃を加えた。
ガスッ
ゴスッ
そんな音が聞こえる。セバスチャンは、ローフェンの顔、胸、腹に、器用にパンチで超接近の打撃を与えていく。ローフェンの左腕は、固定したままだ!
あ、あんな打撃技があるのか? そ、そうか。これも軍隊格闘技ってヤツの技術か!
「まるでタコね」
ミランダさんは腕組みをしながら言った。
俺もうなずいた。セバスチャン──まさしくタコのようにからみつくような戦術!
ああっ……! 超近距離のパンチをくらったローフェンから、鼻血が!
すると、セバスチャンはその接近状態を解き、ローフェンの首と腰に腕をかけて──。
「投げ──!」
俺は声を上げた。
セバスチャンは、ローフェンを後ろに投げ捨てたのだ!
ベキイッ
「グヘッ」
ローフェンは右あばらから落ちて、声を上げる。し、しかし声を上げる直前に、へ、変な音がしたぞ?
ウオオオオッ
観客がセバスチャンの投げに興奮している。
「今の音!」
俺はミランダさんを見た。
「ええ、私も聞いたわ。まずいわね。──セバスチャンの放った投げは、『裏投げ』よ」
ミランダさんは静かに言った。あ、あれが裏投げか! 噂には聞いたことがあったが……。
「軍隊格闘家が得意とする投げ技の一つね。そのまま寝技に移行できる! そして──ローフェン君はあばら骨を折ったわね……」
セバスチャンはニー・オン・ザ・ベリーの状態になった。
ローフェンが仰向けに寝ている状態だが、セバスチャンは片膝をローフェンの胸の上に乗っけている状態。これがニー・オン・ザ・ベリーだ。
一見不安定だが、この状況はある意味で馬乗りよりも危険だ!
するとセバスチャンは、何とローフェンが痛めているあばら骨を、もう片方の膝で蹴りだした。
ガスッ
バキッ
ドゴッ
くっ……エグい攻撃だ! ローフェンは……! 痛みで失神しかかっている!
俺は……俺は我慢できなかった。
「のやろおおおおっ!」
「ゼント君!」
ミランダさんが声を上げる!
俺はリングに上がった……! 上がってしまった。
そして、ローフェンの上で攻撃しているセバスチャンに向かって、突進し──。
ドガッ
セバスチャンに体当たりをかました。
セバスチャンは俺の体当たりで吹っ飛ぶ。彼はすぐに状態を起こし、ニヤリと俺を見た。
ウオオオオオッ
観客たちが声を上げる。
「うおおっ! 何だ?」
「あれ、ゼントってヤツじゃねえのか?」
「乱闘じゃん! セコンドが入ってきちゃダメだろうが~!」
何を言われてもいい! これ以上、ローフェンを攻撃させない!
「早くローフェンを治療してください! あばらが折れている!」
俺はリング外にいる白魔法医師たちに向かい、叫んだ。
白魔法医師たちは何やら審判員と相談していたが、あわててリングに上がってきた。すぐに、ローフェンを診察し始めた。
「ククク……」
セバスチャンは立ち上がって、リング上にいる俺に言った。
「ダメじゃないか、ゼント君。セコンドが試合中に上がってきちゃあ」
「うるさい! ローフェンのあばらは折れている! お前、折れているのが分かっていて、あばらに追撃しただろう!」
「フフフ……。相手の怪我をした箇所を狙うのも、戦術の1つではないか」
「バカ言うな! もう勝負は決まっていた! ローフェンの選手生命を奪う気か?」
その時、白魔法医師長はリング外に向かい、手でバツの字を作った。
カンカンカン
とゴングの音がした。試合終了か……。
『4分20秒、ドクターストップおよび、反則勝ちでセバスチャン選手の勝ち! なお、反則の原因となったゼント・ラージェントには、何らかのペナルティが課せられます!』
ペナルティ? そんなものどうだっていい。
ローフェンは? 俺は仰向けに寝ているローフェンに近寄った。
「ゼ、ゼントのバカヤローが」
ローフェンは真っ青な顔で、俺に言った。
「お前のせいで、反則負けだろーが……。これから俺が、ヤツをぶちのめすところだったのに……」
「後で色々、聞いてやる。あまりしゃべるな、ローフェン! あばらにひびくぞ」
俺は言った。
ローフェンは悔しそうな顔をしながら、白魔法医師たちが用意した、タンカに乗せられて武闘リング外に出された。
セバスチャンも、さっさとリング外に降りてしまっている。
俺も審判長に注意されて、リングを降りた。
すると──武闘リング下で見たものは、意外な光景だった。
サユリがセバスチャンの前に立っている。
「セバスチャン先生、準決勝は私と勝負しましょう」
「トーナメント上ではそうなるね。だが、君は棄権《きけん》したまえ」
セバスチャンは首を横に振りながら言った。
「教え子を傷つけたくはない」
「あなたが間違っていることに気付きました」
「……何?」
「傷ついた相手を叩きのめすのは、武闘家の精神に反すると思います。私がそれを身をもって示すために、私は、先生と──いえ、セバスチャン、あなたと闘います」
セバスチャンは眉をひそめて、サユリに、「お前」と言った。
「考え直せ。今からでも遅くない、棄権《きけん》しろ」
セバスチャンはそう言って、花道をさっさと歩いていった。
ついにローフェンと、謎のゲルドンの秘書、セバスチャンが闘うことになった。
2回戦第4試合。
ゲルドンの秘書の闘いぶりを観ようと、たくさんの客がスタジアムに入っている。
「ついに、セバスチャンをぶっとばす時がやってきましたよーっと」
ローフェンはすでに武闘リングに上がり、軽い柔軟体操をしている。
いつも通り、軽口を叩いているようだ。
「お、おいっ! 気を引き締めろ、ローフェン」
俺はローフェンのセコンドを申し出て、リング下からアドバイスするつもりだ。
俺の側には、ミランダさんもいる。彼女もセバスチャンの試合を近くで観たいらしい。
エルサも娘のアシュリーと一緒に、セバスチャンの試合を観ると言い出した。観客席に座っている。
「相手はどんな技術を持っているか、さっぱり情報がないんだ。気を付けろ」
俺はローフェンに注意した。
「情報? いらねーよ、そんなモン。俺が蹴り飛ばしてやるさ」
ローフェンは余裕の表情だ。
一方のセバスチャンの武闘リングに上がり、ローフェンをじっと見ている。
何をやってくるのか? それとも、たいしたことないヤツなのか?
セバスチャン──この試合で、彼の実力が明らかになる!
カーン
試合開始のゴングが打ち鳴らされた。
「あーらよっ!」
ローフェンはいきなり走り込んで、上段回し蹴りだ! よ、よし、いきなり大技だが、いいぞ!
セバスチャンは薄く笑って、スウェーでそれを避ける。
ローフェンはそのまま後ろ回し蹴りに移行した。
スッ
セバスチャンはすずしい顔で、後退。これも見事に避ける。
「だッ」
ローフェンのパンチ──左ジャブ!
セバスチャンは顔を傾けて、それを避けた。
「いいね。君、なかなか良い蹴りだよ。ローフェン君」
セバスチャンは笑って言った。
「君は我が武闘家養成所、『G&Sトライアード』では、中級クラスで学ぶといい」
「中級クラスだとおおおお? バカにすんだ!」
ローフェンの右ストレートパンチ、左ジャブ、そして右中段回し蹴り!
セバスチャンは二回のパンチを手で叩き落し、回し蹴りは左スネでカット。
「どらあっ!」
ローフェンの大振りのパンチ──左フック! 速い! これはもらったか?
シュパッ
「あっ……!」
「見ろ」
「何だ?」
観客たちは声を上げた。
セバスチャンは、そのローフェンのパンチ──拳をいとも簡単に、手で掴んでいた。
ゆるり
その時──そんな音がしたような気がした。セバスチャンはムダのない動きで、ローフェンの背後に回り込んだ!
そ、そして、ローフェンの鼻を──。
セバスチャンは自分の手で、ローフェンの鼻をふさいだ?
「お、う?」
ローフェンは後ろに回り込まれてあわてた。
するとセバスチャンは、ローフェンの膝裏を、右足で踏んだ!
すると、セバスチャンは、ゆっくりとリング上に座らされてしまったのだ。
まるであやつり人形のように……。
な、なんだ、この技術は?
「あれは軍隊格闘技の技術よ!」
ミランダさんが声を上げた。
ぐ、軍隊格闘技? 戦場で使う格闘術ってことか?
「相手の力を制圧する、超実戦的な格闘技よ」
セバスチャンはローフェンの首に、自分の右腕をかける。
やばい! 首絞め──チョークスリーパーだ!
「だらあっ!」
ローフェンは肘を振り回し、セバスチャンの頬に当て、あわてて立ち上がった。そしてチョークスリーパーから、逃れた……! あ、危ない、危ない……。
「ふふっ」
セバスチャンは肘が当たった頬を手でこすって、ローフェンと対峙した。
セバスチャンは深追いしない。
──二人はまたスタンディング──立ったままで、にらみあった。
「君、なかなかしぶといね」
セバスチャンはひょうひょうと言った。
「あいにく、優勝ねらってるんで──」
ローフェンは答えた。
「って、おい! てめー、さっきから上から目線でムカつくな」
ローフェンはそう言いつつ、またしても右ジャブを繰り出し、今度は接近して──左ボディーブロー! セバスチャンの腹を狙った。
し、しかしだ!
セバスチャンは右ジャブを避け、しかも左ボディーブローを避けたと思ったら──。
ローフェンの左腕を、自分の脇に挟んで、フック──固定した!
「なっ!」
ローフェンは驚く。
この超近距離のまま、セバスチャンはローフェンに、パンチで打撃を加えた。
ガスッ
ゴスッ
そんな音が聞こえる。セバスチャンは、ローフェンの顔、胸、腹に、器用にパンチで超接近の打撃を与えていく。ローフェンの左腕は、固定したままだ!
あ、あんな打撃技があるのか? そ、そうか。これも軍隊格闘技ってヤツの技術か!
「まるでタコね」
ミランダさんは腕組みをしながら言った。
俺もうなずいた。セバスチャン──まさしくタコのようにからみつくような戦術!
ああっ……! 超近距離のパンチをくらったローフェンから、鼻血が!
すると、セバスチャンはその接近状態を解き、ローフェンの首と腰に腕をかけて──。
「投げ──!」
俺は声を上げた。
セバスチャンは、ローフェンを後ろに投げ捨てたのだ!
ベキイッ
「グヘッ」
ローフェンは右あばらから落ちて、声を上げる。し、しかし声を上げる直前に、へ、変な音がしたぞ?
ウオオオオッ
観客がセバスチャンの投げに興奮している。
「今の音!」
俺はミランダさんを見た。
「ええ、私も聞いたわ。まずいわね。──セバスチャンの放った投げは、『裏投げ』よ」
ミランダさんは静かに言った。あ、あれが裏投げか! 噂には聞いたことがあったが……。
「軍隊格闘家が得意とする投げ技の一つね。そのまま寝技に移行できる! そして──ローフェン君はあばら骨を折ったわね……」
セバスチャンはニー・オン・ザ・ベリーの状態になった。
ローフェンが仰向けに寝ている状態だが、セバスチャンは片膝をローフェンの胸の上に乗っけている状態。これがニー・オン・ザ・ベリーだ。
一見不安定だが、この状況はある意味で馬乗りよりも危険だ!
するとセバスチャンは、何とローフェンが痛めているあばら骨を、もう片方の膝で蹴りだした。
ガスッ
バキッ
ドゴッ
くっ……エグい攻撃だ! ローフェンは……! 痛みで失神しかかっている!
俺は……俺は我慢できなかった。
「のやろおおおおっ!」
「ゼント君!」
ミランダさんが声を上げる!
俺はリングに上がった……! 上がってしまった。
そして、ローフェンの上で攻撃しているセバスチャンに向かって、突進し──。
ドガッ
セバスチャンに体当たりをかました。
セバスチャンは俺の体当たりで吹っ飛ぶ。彼はすぐに状態を起こし、ニヤリと俺を見た。
ウオオオオオッ
観客たちが声を上げる。
「うおおっ! 何だ?」
「あれ、ゼントってヤツじゃねえのか?」
「乱闘じゃん! セコンドが入ってきちゃダメだろうが~!」
何を言われてもいい! これ以上、ローフェンを攻撃させない!
「早くローフェンを治療してください! あばらが折れている!」
俺はリング外にいる白魔法医師たちに向かい、叫んだ。
白魔法医師たちは何やら審判員と相談していたが、あわててリングに上がってきた。すぐに、ローフェンを診察し始めた。
「ククク……」
セバスチャンは立ち上がって、リング上にいる俺に言った。
「ダメじゃないか、ゼント君。セコンドが試合中に上がってきちゃあ」
「うるさい! ローフェンのあばらは折れている! お前、折れているのが分かっていて、あばらに追撃しただろう!」
「フフフ……。相手の怪我をした箇所を狙うのも、戦術の1つではないか」
「バカ言うな! もう勝負は決まっていた! ローフェンの選手生命を奪う気か?」
その時、白魔法医師長はリング外に向かい、手でバツの字を作った。
カンカンカン
とゴングの音がした。試合終了か……。
『4分20秒、ドクターストップおよび、反則勝ちでセバスチャン選手の勝ち! なお、反則の原因となったゼント・ラージェントには、何らかのペナルティが課せられます!』
ペナルティ? そんなものどうだっていい。
ローフェンは? 俺は仰向けに寝ているローフェンに近寄った。
「ゼ、ゼントのバカヤローが」
ローフェンは真っ青な顔で、俺に言った。
「お前のせいで、反則負けだろーが……。これから俺が、ヤツをぶちのめすところだったのに……」
「後で色々、聞いてやる。あまりしゃべるな、ローフェン! あばらにひびくぞ」
俺は言った。
ローフェンは悔しそうな顔をしながら、白魔法医師たちが用意した、タンカに乗せられて武闘リング外に出された。
セバスチャンも、さっさとリング外に降りてしまっている。
俺も審判長に注意されて、リングを降りた。
すると──武闘リング下で見たものは、意外な光景だった。
サユリがセバスチャンの前に立っている。
「セバスチャン先生、準決勝は私と勝負しましょう」
「トーナメント上ではそうなるね。だが、君は棄権《きけん》したまえ」
セバスチャンは首を横に振りながら言った。
「教え子を傷つけたくはない」
「あなたが間違っていることに気付きました」
「……何?」
「傷ついた相手を叩きのめすのは、武闘家の精神に反すると思います。私がそれを身をもって示すために、私は、先生と──いえ、セバスチャン、あなたと闘います」
セバスチャンは眉をひそめて、サユリに、「お前」と言った。
「考え直せ。今からでも遅くない、棄権《きけん》しろ」
セバスチャンはそう言って、花道をさっさと歩いていった。
0
あなたにおすすめの小説
職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる