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彼女が彼の出番を奪ったのだ…。
しおりを挟む「ぐわっ!」
「リュインッ! くそっ! 卑怯だぞ! ソルシエール! 姿を表せ!」
「ホホホホっ! もっと苦しめっ! もっと足掻けっ!
アスタロト様の無念、こんなものではすまなくってよっ!」
「…マルス。 少しばっかし時間稼ぎをしてくれ…。」
「リュイン!? 手だてがあるのか?!」
「ふっ…。 オレは格闘家だぜ。
『気』の流れを読むことなんざおてのもんよ…。」
そう言うと、リュインは静かに目を閉じた…。
辺りに一瞬静寂が訪れる…。
どんな生き物にも、『気』の流れは存在する。
僅かな呼吸。
命の息吹き。
心の気配。
『捉えた…!』
「そこだ「ソルシエール、覚悟!!」
深紅のドレスを翻し、目にも止まらぬ速さで駆け出すやいなや、空中をバッサリと『切』る『暗視ゴーグル』を身につけたセレスティン。
瞬間、空間からしとどに鮮血が溢れ、褐色の肌に銀髪の、妖艶な魔女の姿が露になった。
「ああ…。 アスタロト様……。 今…、お側に……。」
「やった! やりました! ソルシエールを倒せました!」
晴れやかな笑みをうかべるセレスティンとは対照的に、呆然と立ち尽くすリュインの姿が…。
すまんな、本当にすまん。
またもや見せ場奪っちゃって……。
そして皆一様に、深紅の豪奢なドレスに『暗視ゴーグル』を身につけたセレスティンの奇っ怪な姿にドン引きしている中、またもや1人真顔で拍手をするクロウリー。
…すごい漢だ。
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