魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫

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幼少期

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「それでは、代わりに兄上の学んだことを私に教えてください」

そういってから、二時間後。俺はリュカの部屋の扉をたたいていた。

はっや、と思うだろ。違うんだ。俺はちゃんと後日でと言ったんだ。
なのにリュカは、先ほどまでの捨てられた子犬のような顔から一変張り切ったような顔をして告げた。

「では、二時間後に来てくれ」

「ああ、はい。二時間…二時間後?!ちょっと待ってください。さすがに急すぎるでしょう。兄上にだってなにか用事が」

「あいにく、家庭教師がいなくなったからな。今は暇なんだ。ちょうど良かったな。すべてを教えるには時間がいくらあっても足りない」
そういって、颯爽と去っていった。
俺の返事も聞かずに。

俺の言葉をさえぎって話すリュカはなんだかすっきりした顔をしていた。
あいつ、絶対二重人格かなんかだろ。態度変わりすぎて怖いわ。話し方も大人っぽくなってるし。



こうして始まった勉強会。開始一時間で俺は悲鳴を上げた。
スパルタとか難しすぎるとかいう理由じゃない。

勉強内容が俺には衝撃だったんだ。
というのも、この世界、なんとすべての人間が魔力があって当たり前らしい。
そしてその魔力がゼロになると人間は段々と身体機能が弱っていって死に至るらしい。

恐ろしいっ
そんなこと教えてもらってないんだが?!

どおりで時折すれ違う使用人たちがひそひそしてくると思ってたよ。
勝手に魔力が少なくなることってないのね?!

あいつ何にもしてないくせにだんだん色薄くなってんなってこと?!

なんてやつらだ。そんな大事なことを教えてくれないなんて。



普通は魔力が減るのは魔法を使った時のみで減った魔力も自然回復したり、食べ物からでも回復するらしい。
極端に減った場合は魔力回復薬があるとのこと。
うん、それも聞いてない。
なんで俺は、魔法を使ってもいないのに、減ってるわけ?

あれか、たまにベッドの中でルーモスとか言ってたせいか。
何も変わらなかったけどね。
というか、この世界の奴らの魔法だって見たことないんだけど?!
本当にこの世界って魔法あるわけっ?

といったら、隣にいたロット君に鼻で笑われました。
ちくしょう。また、あれか。嫌がらせか。魔法だって見せてやんないぜってこと?
ぶつぶつ文句を言っていたらリュカに窘められた。

「もしかしたら、シルヴァの前では使わないようにしてたのかもね。悲しませると思って」

悲しませるぅ?いいや、あいつらは意地悪でやってたね。だって俺、何回も魔法を見せてくれって言ってたんだ。
見るだけでもいいから見たいんだって。

だって、普通見たいだろ?!夢にまでみた魔法だぞっ?映画やアニメなんかで見る魔法が目の前で見れるとあっちゃ諦められないだろっ!

だというのに、あいつら必死に懇願する俺を見てなんて言ったと思う?
笑いながら「可哀想ね。こんな簡単なこともできないなんて」って、そういったんだ。
しかも見せてくれなかった!なんて酷いやつらなんだ。

そう言ってぷりぷりしていたらなんとロット君が魔法を見せてくれるという。
なんと!あのロット君が!

感激していたら笑いながら「哀れだからな」とか、言ってきた。一言余計だわ。
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