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幼少期
31~ステラの話2~
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突然始まったステラ劇場。
臨場感たっぷりに演じてくれるのはありがたいが、まず何の話なのか説明してほしい。
母上を見た感じ、知っていそうなので初めて聞く話じゃないのだろう。
「ステラ?あのなんの話を…」
「シっ、今いいところなので」
人差し指を口元に持ってくるステラに若干イラっとしつつ、言われるがままに黙ることにする。
ゴホンと咳払いするステラに「どうぞ、続けて」と手のひらをステラに向ける。
――意識を失う直前、最後に見えたのは緑色の瞳だった。
パチパチという音に目を覚ました彼は、自分が寝ていることに気が付いた。
頭上には青い空が広がっており、どうやら一夜明けたようである。
上体を起こし、あたりを見回すと人の気配はなく、すぐ近くに焚火が燃えていた。
この音で目を覚ましたのだろう。
屋敷を出たはいいものの、これからどうすればいいのか全く分からない。
体力も魔力も有り余っている。だが、彼はその場から動けなかった。
困った彼はそのうち人が戻ってくるだろうと、待つことにした。
何時間経ったのか彼には知るすべがなかった。
ただ、空がだんだんと暗くなっていくので随分と経っているのだろう。
どれだけ経っても人も、動物も姿を現さない。
あれだけ空を覆うように魔物がいたというのに今は物音ひとつしない。
空は暗くなっていくのに焚火の火はすでに消えている。
あたりがすっかり暗くなったころ、がさりと葉の踏まれた音がした。
その音のする方に振り向くとぼんやりと明かりが見えた。
「うわっ、びっくりしたぁ。心臓が止まるかと思ったよ。君、真っ黒だから人がいると思わなかったよ。もう少し気配を出してもらえると助かるなぁ」
ははは、と笑いながらその男は現れた。
手にはランタンを持っており男の手元だけがうすぼんやりと見える。
「ずっとここにいたのかい?」
彼はこくりとうなずいた。
「そうか、それは悪いことをしたな。君、どこか行くところは?」
彼は首を振った。
「それなら、うちに来るかい?」
手を差し出す男の手におずおずと自分の手を伸ばした。
「といっても、大きな家じゃないんだ。小さな小屋みたいなところだけど我慢してほしいな」
二人手をつなぎながら男の少し後ろを歩いていく。
10分ほど歩いていくと明かりが見えた。
と言っても、まだ森の中だ。
どうやらそこに住んでいるらしい。
男は小さな家だと言っていたが、彼にとっては大きな家に見える。
彼のいたところに比べればどこだって立派な家だろう。
男は道中いろいろ話しかけてきた。
…が、生まれてこの方外に出たこともない彼は、聞いていることしかできなかった。
ただ、彼の心には何か温かいものが生まれていた。
胸に手を当ててみるが、怪我をしたわけではなさそうだ。
それが何なのかわからなかったが嫌ではなかった。
「さ、ここだよ」
男が扉を開けるとキィっと、木のきしむ音がした。
部屋の中は家具が少なく必要最低限という感じだ。
魔道具によって部屋の暖かさは一定に保たれているようで、木の家だというのに中は温かかった。
彼が部屋に入った瞬間、家中の魔道具が一瞬点滅した。
そのことに男は不思議そうな顔をしたものの、声には出さなかった。
初めて男の全体を見た。
やはり、気を失った時に見たのは彼で間違いないだろう。
新緑色の髪と瞳を持つ美しい男だった。
――
ちょっと待ってくれ。緑色の髪と瞳を持つ男に見覚えがありすぎるんだが。
さすがに流せず待ったをかける。
「ちょっと待ってくれないか。誰の話をしているんだ?」
「シルヴァ様、お分かりになりましたか? そうです、今出てきたのはリュカ様です」
リュカの未来ということか?
それなら、どうして一人で森の中にいるんだ。次期伯爵だぞ。
俺は?どうなっているんだ。
臨場感たっぷりに演じてくれるのはありがたいが、まず何の話なのか説明してほしい。
母上を見た感じ、知っていそうなので初めて聞く話じゃないのだろう。
「ステラ?あのなんの話を…」
「シっ、今いいところなので」
人差し指を口元に持ってくるステラに若干イラっとしつつ、言われるがままに黙ることにする。
ゴホンと咳払いするステラに「どうぞ、続けて」と手のひらをステラに向ける。
――意識を失う直前、最後に見えたのは緑色の瞳だった。
パチパチという音に目を覚ました彼は、自分が寝ていることに気が付いた。
頭上には青い空が広がっており、どうやら一夜明けたようである。
上体を起こし、あたりを見回すと人の気配はなく、すぐ近くに焚火が燃えていた。
この音で目を覚ましたのだろう。
屋敷を出たはいいものの、これからどうすればいいのか全く分からない。
体力も魔力も有り余っている。だが、彼はその場から動けなかった。
困った彼はそのうち人が戻ってくるだろうと、待つことにした。
何時間経ったのか彼には知るすべがなかった。
ただ、空がだんだんと暗くなっていくので随分と経っているのだろう。
どれだけ経っても人も、動物も姿を現さない。
あれだけ空を覆うように魔物がいたというのに今は物音ひとつしない。
空は暗くなっていくのに焚火の火はすでに消えている。
あたりがすっかり暗くなったころ、がさりと葉の踏まれた音がした。
その音のする方に振り向くとぼんやりと明かりが見えた。
「うわっ、びっくりしたぁ。心臓が止まるかと思ったよ。君、真っ黒だから人がいると思わなかったよ。もう少し気配を出してもらえると助かるなぁ」
ははは、と笑いながらその男は現れた。
手にはランタンを持っており男の手元だけがうすぼんやりと見える。
「ずっとここにいたのかい?」
彼はこくりとうなずいた。
「そうか、それは悪いことをしたな。君、どこか行くところは?」
彼は首を振った。
「それなら、うちに来るかい?」
手を差し出す男の手におずおずと自分の手を伸ばした。
「といっても、大きな家じゃないんだ。小さな小屋みたいなところだけど我慢してほしいな」
二人手をつなぎながら男の少し後ろを歩いていく。
10分ほど歩いていくと明かりが見えた。
と言っても、まだ森の中だ。
どうやらそこに住んでいるらしい。
男は小さな家だと言っていたが、彼にとっては大きな家に見える。
彼のいたところに比べればどこだって立派な家だろう。
男は道中いろいろ話しかけてきた。
…が、生まれてこの方外に出たこともない彼は、聞いていることしかできなかった。
ただ、彼の心には何か温かいものが生まれていた。
胸に手を当ててみるが、怪我をしたわけではなさそうだ。
それが何なのかわからなかったが嫌ではなかった。
「さ、ここだよ」
男が扉を開けるとキィっと、木のきしむ音がした。
部屋の中は家具が少なく必要最低限という感じだ。
魔道具によって部屋の暖かさは一定に保たれているようで、木の家だというのに中は温かかった。
彼が部屋に入った瞬間、家中の魔道具が一瞬点滅した。
そのことに男は不思議そうな顔をしたものの、声には出さなかった。
初めて男の全体を見た。
やはり、気を失った時に見たのは彼で間違いないだろう。
新緑色の髪と瞳を持つ美しい男だった。
――
ちょっと待ってくれ。緑色の髪と瞳を持つ男に見覚えがありすぎるんだが。
さすがに流せず待ったをかける。
「ちょっと待ってくれないか。誰の話をしているんだ?」
「シルヴァ様、お分かりになりましたか? そうです、今出てきたのはリュカ様です」
リュカの未来ということか?
それなら、どうして一人で森の中にいるんだ。次期伯爵だぞ。
俺は?どうなっているんだ。
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