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幼少期
32~ステラの話3~
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「まず、大前提としてこの世界は私が前世やっていたゲーム「呪われた運命と禁じられた恋」略して呪恋《のろこい》の世界なのです」
のろ?なんだって?
突っ込みどころがありすぎるぞ。
ステラが話し始めてからなんとなくわかってはいたが…
「つまりこの世界はその…呪恋の世界で?…転生者は母上ではなく、ステラなんだな?」
「はい、そういうことです」
「話を戻してもよろしいですか?」
「ああ、うん。というか、同じ転生者ならそんなかしこまらなくても」
前世何歳で死んだのか知らないけど。
「いいえ!この世界に生まれたからには世界観を大事にしなければ」
「ああ、そう」
ステラが言うのなら何も言うまい。
ステラは前世よほどオタクだったのだろうな。
「先ほどもお話ししましたが、彼を助けたのはリュカ様です」
「そうだ、兄上はそのゲームでどのポジションなんだ?」
重要そうな彼を助けるということは兄上もまた、メインキャラなのだろう。
まさか、主人公なのだろうか。
「リュカ様は攻略対象です」
「ん?攻略対象?乙女ゲームなのか?」
「いいえ、BLです」
うん?今、なんと?
「もう一回言ってくれるか?」
幻聴が聞こえたようだ。
「リュカ様は受けです」
いいよ。そういう情報は!
聞きたくねぇわ。身内のそういう話は。
母上もどんな顔して聞いてるんだ。
自分の息子がBLゲームの攻略対象だなんて。
と、母上の顔を見ると…無だった。
悟りを開いたような顔をしている。
はぁ、落ち着け俺。
兄上のことは捨てよう。
攻略対象って決まってるんだ。
俺だけ逃げられるならそれでいいじゃないか。
「ちなみにだけど僕は…」
唾をごくりと飲み込む。
そこまで言ったとき、前に座る母上が緊張したように顔を強張らせた。
?どうしたんだろうか。
「シルヴァ様はゲームには出てきません」
首を振るステラに思わず小さくガッツポーズをしてしまった。
これはモブってことか?
いいぞ、全然モブでいい。
むしろモブであってくれ。
――
背を向けていた男がゆっくりとこちらを振り向いた。
バチッと視線が合う。
彼は、自分を見る男に驚いた。
今まで会った人たちは彼を道具のように扱った。
愛情などあるわけなく、同情などという感情すら見えなかった。
あるのは無関心だ。ときおり現れる使用人や外からやってくる者たちには彼の姿に恐れや神格化するものもいた。
だが、どうだろう。
目の前の男は彼を恐れるどころか、労わるような優しい瞳で見ている。
その瞳を見た瞬間、言いようのない感情に襲われた。
恐怖?焦り?幸福感?
そのどれもが初めて感じるものであり、彼は自分の感情に名前が付けられなかった。
男の瞳をいつまでも見ていたいような、逆にこの場から逃げてしまいたいような。
相反する感情が彼の中を渦巻いて彼の動きを封じてしまった。
いつまでも動かない彼に男は笑った。悲しそうな顔で。
「君を見ていると思い出すな。弟のことを」
「弟もよく君みたいな顔をしていたよ。困っているような、何か言いたげな」
「弟は、あの時もそんな顔をして…だけど何も言ってくれなくて…そのまま死んでしまったんだ」
――
ちょっと待てぇーーい!
死んだ?死んだの俺?いつ?なんで?
ゲームに出ないってそういう?
「どういうこと…ステラ。俺、死ぬん」
母上の前では、と被っていた猫がどこかに行ってしまうくらいには動揺した。
慌てる俺にステラは「落ち着いてください」と着席を促してくる。
「あくまでもゲームのシルヴァ様です。確かに作中ではリュカ様がそのように話すシーンがありましたがすでにそうなる未来は潰えたはずです」
「…へ?」
のろ?なんだって?
突っ込みどころがありすぎるぞ。
ステラが話し始めてからなんとなくわかってはいたが…
「つまりこの世界はその…呪恋の世界で?…転生者は母上ではなく、ステラなんだな?」
「はい、そういうことです」
「話を戻してもよろしいですか?」
「ああ、うん。というか、同じ転生者ならそんなかしこまらなくても」
前世何歳で死んだのか知らないけど。
「いいえ!この世界に生まれたからには世界観を大事にしなければ」
「ああ、そう」
ステラが言うのなら何も言うまい。
ステラは前世よほどオタクだったのだろうな。
「先ほどもお話ししましたが、彼を助けたのはリュカ様です」
「そうだ、兄上はそのゲームでどのポジションなんだ?」
重要そうな彼を助けるということは兄上もまた、メインキャラなのだろう。
まさか、主人公なのだろうか。
「リュカ様は攻略対象です」
「ん?攻略対象?乙女ゲームなのか?」
「いいえ、BLです」
うん?今、なんと?
「もう一回言ってくれるか?」
幻聴が聞こえたようだ。
「リュカ様は受けです」
いいよ。そういう情報は!
聞きたくねぇわ。身内のそういう話は。
母上もどんな顔して聞いてるんだ。
自分の息子がBLゲームの攻略対象だなんて。
と、母上の顔を見ると…無だった。
悟りを開いたような顔をしている。
はぁ、落ち着け俺。
兄上のことは捨てよう。
攻略対象って決まってるんだ。
俺だけ逃げられるならそれでいいじゃないか。
「ちなみにだけど僕は…」
唾をごくりと飲み込む。
そこまで言ったとき、前に座る母上が緊張したように顔を強張らせた。
?どうしたんだろうか。
「シルヴァ様はゲームには出てきません」
首を振るステラに思わず小さくガッツポーズをしてしまった。
これはモブってことか?
いいぞ、全然モブでいい。
むしろモブであってくれ。
――
背を向けていた男がゆっくりとこちらを振り向いた。
バチッと視線が合う。
彼は、自分を見る男に驚いた。
今まで会った人たちは彼を道具のように扱った。
愛情などあるわけなく、同情などという感情すら見えなかった。
あるのは無関心だ。ときおり現れる使用人や外からやってくる者たちには彼の姿に恐れや神格化するものもいた。
だが、どうだろう。
目の前の男は彼を恐れるどころか、労わるような優しい瞳で見ている。
その瞳を見た瞬間、言いようのない感情に襲われた。
恐怖?焦り?幸福感?
そのどれもが初めて感じるものであり、彼は自分の感情に名前が付けられなかった。
男の瞳をいつまでも見ていたいような、逆にこの場から逃げてしまいたいような。
相反する感情が彼の中を渦巻いて彼の動きを封じてしまった。
いつまでも動かない彼に男は笑った。悲しそうな顔で。
「君を見ていると思い出すな。弟のことを」
「弟もよく君みたいな顔をしていたよ。困っているような、何か言いたげな」
「弟は、あの時もそんな顔をして…だけど何も言ってくれなくて…そのまま死んでしまったんだ」
――
ちょっと待てぇーーい!
死んだ?死んだの俺?いつ?なんで?
ゲームに出ないってそういう?
「どういうこと…ステラ。俺、死ぬん」
母上の前では、と被っていた猫がどこかに行ってしまうくらいには動揺した。
慌てる俺にステラは「落ち着いてください」と着席を促してくる。
「あくまでもゲームのシルヴァ様です。確かに作中ではリュカ様がそのように話すシーンがありましたがすでにそうなる未来は潰えたはずです」
「…へ?」
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