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青年期
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~前略~
お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。
こちらは元気にやっております。相変わらず奥様は美しく、リュカ様は麗しく、ロット君は元気にリュカ様のストーカーをしております。今のところロット君の様子に怪しい動きはないです。
最近は、リュカ様の新しいスチルが見られてですね!とても麗しかったのですがそれを見つめるロット君がっ!
とても良くてですね!何そのまなざしっみたいなっ!
絶対リュカ様も気づいてる気がするんですよね!それもいいっ!小悪魔系リュカ様!ゲームではリュカ様受けでしたけど……これは逆もあり寄りのありです!
さすがの神絵師って感じだったんです!もうゲームまんまで!もうよだれが止まらんという感じで――
――
うるさっ。
オタクがなんか言ってるわ。
――
一人で苦労はされてないですか?「彼」を助ける準備は進んでいるでしょうか。
必ず!お願いしますね!
それからロット君のご家族の件ですが、無事救出しました。今は、安全な場所で身を隠してもらっています。この件は、まだロット君には伝えておりません。どうぞ、シルヴァ様の口から伝えてあげてください。
これでロット君が敵になる可能性は、下がりました。
ロット君を向かわせたのは、シルヴァ様ならなんとかできるかもしれないと踏んだからです。
ロット君の首についている首輪を外してほしいんです。シルヴァ様ならきっとできます。
それが取れない限りロット君は私たちを裏切ります。
最悪、ロット君が殺される、又はリュカ様かシルヴァ様か。
以前、ゲームのロット君の話はしましたよね。ゲームのロット君は、完全に敵の操り人形でした。家族を人質に取られ、隷属の首輪をつけられたら……まあしょうがないかもですけど。
ちなみに私は、ゲームで知っていたので最初から見えていたのですが、さすがに怪しまれるので……
周りは誰も気にした素振りがなかったのでなんでかなとは、思っていたのですが、あれは存在を認知していると見えるらしいです。どんな仕様かは分かりませんが。
……これで見えましたか?
――
ちょこちょこ突っ込みたいところはあれど今は問題の首輪とやらだ。
いつの間にかネロの隣に座っていたロット君に視線を向ける。
おお!!
さっきまでなかった首輪がロット君の首にっ!
どうなってるんだ。
突然現れた首輪をまじまじと凝視していたらロット君に怪訝な顔をされた。
別にロット君を見ていたわけじゃないよ。
黒の分厚い首輪の周りにごてごてしたルビーみたいな宝石がついている。
何をするにも邪魔そうだ。
見えなかっただけでずっとあんな首輪してたの?
趣味悪いね。さすがに同情するわ。
――
ロット君のご家族は、ゲーム通り子爵家の地下に幽閉されていました。
大変だったんですからね?!侵入するの。
使用人として入ろうとも思ったのですが、それだと時間がかかりすぎますし、やっぱり侵入するのが手っ取り早いですよね。
――
笑顔でサムズアップするステラの姿が目に浮かぶ。
きっと向かい来る敵もバッタバッタと倒していたに違いない。
おーこわ。
んー、今までロット君には、いろいろとそれはもういろいろとお世話になってるしなぁ。
あの時のように裏切られでもしたら面倒だ。
殺されるのもごめんだし。
ネロにちょっかいをかけようとしているロット君に声をかける。
「ねえロット君」
「なんだ。……というかどこで拾ってきたんだ。ペット感覚なら他に連れていった方がこの子のためだぞ。お前、魔法も使えないくせに。そもそも初めてこんな真っ黒なのを見た。もしや魔物の類じゃないだろうな。だとしたら――」
余計なことを口走るロット君の言葉にかぶせるように口を開く。
「言いすぎだよ。それより聞きたいことがあるんだ」
ネロの方を向いているロット君に問いかける。
「ロット君……君、誰に飼われてるの?」
は、しまった。首輪だのペットだのいうから飼われてるとか言っちゃった。
別に、怒って言ったわけじゃないぞ。
「……は」
案の定ロット君は何を言われているのかわからないという顔をしている。
さすがに飼われてるは、言い過ぎたか。
でも、言ってしまったものはしょうがない。
言葉は取り消せないからな。
「俺と兄上どっちを殺す気だった?」
その言葉になぜか、ネロまで反応してこちらを見た。次いでロット君の顔を見る。
ネロったら初めてロット君の顔見たんじゃない?
「何言ってんだ。殺すとか……冗談だろ」
顔を真っ青にして何言ってんだか。
「俺、ちゃんとロット君の口から聞きたいんだけど」
ステラからの話じゃ三人称視点過ぎてよくわからない部分もあったんだよな。
子爵家、というのは知っているが本人から直接聞いておきたいところ。
あと、本当に殺す気だったのかも。
「……」
なかなか口を割らないロット君に「ネタは上がってんだよ!」と昭和の刑事ものみたいに怒鳴ってみようかと思案していたところ突然ロット君が静かに立ち上がった。
椅子がキィッと音を立てる。
なんだよ、一芝居打ってやろうと思ったのに。
「その手紙に書いてあったのか?そんなのを信じてるのか?一緒に過ごした俺より?」
おおっと?ごまかしに入ったぞ。
言葉のわりに声は震えてるし、視線も定まっていない。
思い切り動揺している。
ロット君のどこに信じられる要素があるってんだ。
「落ち着きなよ。別に責めてないよ。ただ、知りたいんだ。何があったのか。答え次第によっては……その首輪外してあげるよ」
できるかわかんねぇけどな。
「――え」
思わずといったふうに首輪に触れるロット君。
その瞳は不安と恐れが入り混じっていた。
うーん、まだ喋ってくれないか。あと一押しってところかな。
「ああ!もしかしてご家族のことが不安なのかな。それなら安心してよ。ステラがとっくに救出済みだ」
パンと手を打って笑顔で言った。
「――は」
意地悪だって?今までロット君にはしてやられてきたからなぁ。
ちょっとくらいの意趣返しは許してほしい。
お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。
こちらは元気にやっております。相変わらず奥様は美しく、リュカ様は麗しく、ロット君は元気にリュカ様のストーカーをしております。今のところロット君の様子に怪しい動きはないです。
最近は、リュカ様の新しいスチルが見られてですね!とても麗しかったのですがそれを見つめるロット君がっ!
とても良くてですね!何そのまなざしっみたいなっ!
絶対リュカ様も気づいてる気がするんですよね!それもいいっ!小悪魔系リュカ様!ゲームではリュカ様受けでしたけど……これは逆もあり寄りのありです!
さすがの神絵師って感じだったんです!もうゲームまんまで!もうよだれが止まらんという感じで――
――
うるさっ。
オタクがなんか言ってるわ。
――
一人で苦労はされてないですか?「彼」を助ける準備は進んでいるでしょうか。
必ず!お願いしますね!
それからロット君のご家族の件ですが、無事救出しました。今は、安全な場所で身を隠してもらっています。この件は、まだロット君には伝えておりません。どうぞ、シルヴァ様の口から伝えてあげてください。
これでロット君が敵になる可能性は、下がりました。
ロット君を向かわせたのは、シルヴァ様ならなんとかできるかもしれないと踏んだからです。
ロット君の首についている首輪を外してほしいんです。シルヴァ様ならきっとできます。
それが取れない限りロット君は私たちを裏切ります。
最悪、ロット君が殺される、又はリュカ様かシルヴァ様か。
以前、ゲームのロット君の話はしましたよね。ゲームのロット君は、完全に敵の操り人形でした。家族を人質に取られ、隷属の首輪をつけられたら……まあしょうがないかもですけど。
ちなみに私は、ゲームで知っていたので最初から見えていたのですが、さすがに怪しまれるので……
周りは誰も気にした素振りがなかったのでなんでかなとは、思っていたのですが、あれは存在を認知していると見えるらしいです。どんな仕様かは分かりませんが。
……これで見えましたか?
――
ちょこちょこ突っ込みたいところはあれど今は問題の首輪とやらだ。
いつの間にかネロの隣に座っていたロット君に視線を向ける。
おお!!
さっきまでなかった首輪がロット君の首にっ!
どうなってるんだ。
突然現れた首輪をまじまじと凝視していたらロット君に怪訝な顔をされた。
別にロット君を見ていたわけじゃないよ。
黒の分厚い首輪の周りにごてごてしたルビーみたいな宝石がついている。
何をするにも邪魔そうだ。
見えなかっただけでずっとあんな首輪してたの?
趣味悪いね。さすがに同情するわ。
――
ロット君のご家族は、ゲーム通り子爵家の地下に幽閉されていました。
大変だったんですからね?!侵入するの。
使用人として入ろうとも思ったのですが、それだと時間がかかりすぎますし、やっぱり侵入するのが手っ取り早いですよね。
――
笑顔でサムズアップするステラの姿が目に浮かぶ。
きっと向かい来る敵もバッタバッタと倒していたに違いない。
おーこわ。
んー、今までロット君には、いろいろとそれはもういろいろとお世話になってるしなぁ。
あの時のように裏切られでもしたら面倒だ。
殺されるのもごめんだし。
ネロにちょっかいをかけようとしているロット君に声をかける。
「ねえロット君」
「なんだ。……というかどこで拾ってきたんだ。ペット感覚なら他に連れていった方がこの子のためだぞ。お前、魔法も使えないくせに。そもそも初めてこんな真っ黒なのを見た。もしや魔物の類じゃないだろうな。だとしたら――」
余計なことを口走るロット君の言葉にかぶせるように口を開く。
「言いすぎだよ。それより聞きたいことがあるんだ」
ネロの方を向いているロット君に問いかける。
「ロット君……君、誰に飼われてるの?」
は、しまった。首輪だのペットだのいうから飼われてるとか言っちゃった。
別に、怒って言ったわけじゃないぞ。
「……は」
案の定ロット君は何を言われているのかわからないという顔をしている。
さすがに飼われてるは、言い過ぎたか。
でも、言ってしまったものはしょうがない。
言葉は取り消せないからな。
「俺と兄上どっちを殺す気だった?」
その言葉になぜか、ネロまで反応してこちらを見た。次いでロット君の顔を見る。
ネロったら初めてロット君の顔見たんじゃない?
「何言ってんだ。殺すとか……冗談だろ」
顔を真っ青にして何言ってんだか。
「俺、ちゃんとロット君の口から聞きたいんだけど」
ステラからの話じゃ三人称視点過ぎてよくわからない部分もあったんだよな。
子爵家、というのは知っているが本人から直接聞いておきたいところ。
あと、本当に殺す気だったのかも。
「……」
なかなか口を割らないロット君に「ネタは上がってんだよ!」と昭和の刑事ものみたいに怒鳴ってみようかと思案していたところ突然ロット君が静かに立ち上がった。
椅子がキィッと音を立てる。
なんだよ、一芝居打ってやろうと思ったのに。
「その手紙に書いてあったのか?そんなのを信じてるのか?一緒に過ごした俺より?」
おおっと?ごまかしに入ったぞ。
言葉のわりに声は震えてるし、視線も定まっていない。
思い切り動揺している。
ロット君のどこに信じられる要素があるってんだ。
「落ち着きなよ。別に責めてないよ。ただ、知りたいんだ。何があったのか。答え次第によっては……その首輪外してあげるよ」
できるかわかんねぇけどな。
「――え」
思わずといったふうに首輪に触れるロット君。
その瞳は不安と恐れが入り混じっていた。
うーん、まだ喋ってくれないか。あと一押しってところかな。
「ああ!もしかしてご家族のことが不安なのかな。それなら安心してよ。ステラがとっくに救出済みだ」
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