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第5話 バトラーと鉢合わせと新たな波乱
コーディ様が朝食を食べ終えて、私達は一緒に荷物も持って馬車へと乗り込む事にした。
「さあ、行こうか」
「はい」
コーディ様に連れられて馬車に乗りこもうとした時だった。石造りの道を歩く1人の男に目が行く。バトラーだ。
「……イヴ?」
「あ……」
「それにコーディ。イヴ、お前こんな所で何してたんだ?」
バトラーに問われ、私は口を閉ざしてしまう。一緒にいたなんて言えない。
「ああ、勉強会をしていてね」
するとコーディ様が口を開いた。勉強会。私とコーディ様は勉強していたという設定で行くようだ。
「勉強会? イヴとコーディが?」
「ああ、近々テスト期間になるじゃないか。我々貴族は良い成績を残さないといけない。良かったら今日の放課後バトラーもどうだ? 一緒に勉強しよう」
コーディ様から誘いを受けたバトラー。うーーんとうなりながら腕を組んで考えた後、ぜひ。と返事をした。
「ああ、そうだ。ユミアも連れてっていいか?」
「え」
突如ユミアも連れていきたいと言い出したバトラー。コーディ様は教室が違うから無理だ。と言って制する。
「ああ、確かにそうだな……」
「それにユミアは成績も良い。たとえわからない部分があっても教室の誰かに聞いてもらえるだろう」
「そうだよな……じゃあ、今日の夕方よろしく頼むよ」
そう言ってバトラーは1人道を歩いていくのだった。よくよく彼の姿を思い直すと首元や頬のあたりが赤く染まっていた。まさか……。
「あれ、ユミアとそういう事してたんだろうね」
「……っ! やっぱり、そうですか」
「見た? 首元にキスマークあったの」
「ええ、はい……」
「ひどい男だ……」
コーディ様のつぶやきが私の心の中に石のように降り注いだ。
それから一度家に戻り再度馬車に乗って貴族学校へと向かう。正門では相変わらずバトラーがユミアといちゃついていた。
「バトラー様。今日も一緒に帰りましょう!」
「ああ、でも今日は用事が……」
「ええーーっ! ユミアよりも大事な用事があると言うの?! まさか……」
「うう……仕方ないな。じゃあ、ユミアと一緒に帰ろう」
やっぱりユミアの前ではこうなった。それを物陰から2人にバレないように見ていた私はすかさず教室へと早歩きで向かいコーディ様に話す。
「そうか。なら仕方ないな。じゃあイヴ……今日も一緒に帰ろうか」
「いいんですか?」
「勿論。勉強だって教えるよ」
「じゃ、じゃあ……お願いします」
「いいよ。イヴが困ってるとこは見過ごせないから」
コーディ様と話していると、教室にバトラーとユミアが入って来た。ユミアは教室が違うのに。
「皆さん! 今日はこのバトラー様がいらっしゃる教室で授業を受けさせて頂きますわ! ふふっよろしくお願いしますわね!」
そう高らかに宣言するユミアの声が、私の頭の中できいーーんと響く。
「さあ、行こうか」
「はい」
コーディ様に連れられて馬車に乗りこもうとした時だった。石造りの道を歩く1人の男に目が行く。バトラーだ。
「……イヴ?」
「あ……」
「それにコーディ。イヴ、お前こんな所で何してたんだ?」
バトラーに問われ、私は口を閉ざしてしまう。一緒にいたなんて言えない。
「ああ、勉強会をしていてね」
するとコーディ様が口を開いた。勉強会。私とコーディ様は勉強していたという設定で行くようだ。
「勉強会? イヴとコーディが?」
「ああ、近々テスト期間になるじゃないか。我々貴族は良い成績を残さないといけない。良かったら今日の放課後バトラーもどうだ? 一緒に勉強しよう」
コーディ様から誘いを受けたバトラー。うーーんとうなりながら腕を組んで考えた後、ぜひ。と返事をした。
「ああ、そうだ。ユミアも連れてっていいか?」
「え」
突如ユミアも連れていきたいと言い出したバトラー。コーディ様は教室が違うから無理だ。と言って制する。
「ああ、確かにそうだな……」
「それにユミアは成績も良い。たとえわからない部分があっても教室の誰かに聞いてもらえるだろう」
「そうだよな……じゃあ、今日の夕方よろしく頼むよ」
そう言ってバトラーは1人道を歩いていくのだった。よくよく彼の姿を思い直すと首元や頬のあたりが赤く染まっていた。まさか……。
「あれ、ユミアとそういう事してたんだろうね」
「……っ! やっぱり、そうですか」
「見た? 首元にキスマークあったの」
「ええ、はい……」
「ひどい男だ……」
コーディ様のつぶやきが私の心の中に石のように降り注いだ。
それから一度家に戻り再度馬車に乗って貴族学校へと向かう。正門では相変わらずバトラーがユミアといちゃついていた。
「バトラー様。今日も一緒に帰りましょう!」
「ああ、でも今日は用事が……」
「ええーーっ! ユミアよりも大事な用事があると言うの?! まさか……」
「うう……仕方ないな。じゃあ、ユミアと一緒に帰ろう」
やっぱりユミアの前ではこうなった。それを物陰から2人にバレないように見ていた私はすかさず教室へと早歩きで向かいコーディ様に話す。
「そうか。なら仕方ないな。じゃあイヴ……今日も一緒に帰ろうか」
「いいんですか?」
「勿論。勉強だって教えるよ」
「じゃ、じゃあ……お願いします」
「いいよ。イヴが困ってるとこは見過ごせないから」
コーディ様と話していると、教室にバトラーとユミアが入って来た。ユミアは教室が違うのに。
「皆さん! 今日はこのバトラー様がいらっしゃる教室で授業を受けさせて頂きますわ! ふふっよろしくお願いしますわね!」
そう高らかに宣言するユミアの声が、私の頭の中できいーーんと響く。
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