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第10話 皇太后への挨拶
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「勿論でございます。ご不安でしたらここでもう1度拝見させていただきます」
「あっ……おっお願いします」
女官の圧に屈した桃玉の目の前で、女官達が運ばれたお膳をお箸でつまむ。
「大丈夫でございますね。ちなみに過敏症はございませんか?」
「いえ、無いと思います」
「把握いたしました。それではごゆっくりどうぞ」
にこやかに笑う女官達へありがとうございます。と感謝の気持ちを伝えた桃玉は早速、陶器製の白い匙で鳥肉と卵のスープを味わう。
「! 美味しい……!」
「良かったです……!」
桃玉の反応に、女官達はほっと安堵の表情を浮かべた。
一方桃玉は、これまで両親や自分、おじらが作って来た料理とは風味や食感が全く違う事に驚きを感じながら食事を堪能している。
(スープも美味しいし、他のおかずも風味がしっかりしていて本当に美味しい……!)
もごもごと宮廷料理を味わった桃玉は、沸き上がる食欲のままに全ての品を平らげたのだった。
「ごちそうさまでした! とても美味しかったです……!」
「美味しくお召し上がりになられてとても良かったです……! ではお膳をおさげいたしますね」
空になったお膳を女官達がさげる。満腹になった桃玉は部屋の周囲をあちこち見渡していた。
(すんごい……いつ見ても豪華)
「桃玉様。夕方の皇太后様へのご挨拶までまだ少しお時間がありますので、何かなされますか?」
「皇太后様へのご挨拶?」
「はい。朝と夕方の2回行われます」
皇太后とは、龍環の養母であり前帝の皇后である。この後宮の全てを取り仕切る存在であり、政治にも強い影響力を与えている人物だ。
「あれ? 皇太后様がこの後宮の頂点に位置する存在なのですか?」
「そうでございます。今、皇后の位は空位となっておりますので、皇太后様が後宮の全てを取り仕切っております」
「そうなのですね、教えてくださりありがとうございます」
「くれぐれも皇太后様のご気分を害する事のないよう、お気をつけくださいませ」
(うっわ、やっぱりそう来るよね……)
女官達と話しながら彼女達が用意してくれた新たな装いに着替えた桃玉。あっという間に皇太后への挨拶へと赴く時間がやって来た。
「皇太后様がいらっしゃるのは朱龍宮にございます。私達も同行いたしますのでご安心ください」
「ありがとうございます……道案内よろしくお願いします」
桃玉は手鏡で自身の姿をもう一度確認すると、行きましょう。と女官達に告げたのだった。
(はあ……すんごい緊張してきた……!)
朱龍宮へと歩き出す桃玉の顔は、緊張のせいか徐々に引きつってきたのだった。
「あっ……おっお願いします」
女官の圧に屈した桃玉の目の前で、女官達が運ばれたお膳をお箸でつまむ。
「大丈夫でございますね。ちなみに過敏症はございませんか?」
「いえ、無いと思います」
「把握いたしました。それではごゆっくりどうぞ」
にこやかに笑う女官達へありがとうございます。と感謝の気持ちを伝えた桃玉は早速、陶器製の白い匙で鳥肉と卵のスープを味わう。
「! 美味しい……!」
「良かったです……!」
桃玉の反応に、女官達はほっと安堵の表情を浮かべた。
一方桃玉は、これまで両親や自分、おじらが作って来た料理とは風味や食感が全く違う事に驚きを感じながら食事を堪能している。
(スープも美味しいし、他のおかずも風味がしっかりしていて本当に美味しい……!)
もごもごと宮廷料理を味わった桃玉は、沸き上がる食欲のままに全ての品を平らげたのだった。
「ごちそうさまでした! とても美味しかったです……!」
「美味しくお召し上がりになられてとても良かったです……! ではお膳をおさげいたしますね」
空になったお膳を女官達がさげる。満腹になった桃玉は部屋の周囲をあちこち見渡していた。
(すんごい……いつ見ても豪華)
「桃玉様。夕方の皇太后様へのご挨拶までまだ少しお時間がありますので、何かなされますか?」
「皇太后様へのご挨拶?」
「はい。朝と夕方の2回行われます」
皇太后とは、龍環の養母であり前帝の皇后である。この後宮の全てを取り仕切る存在であり、政治にも強い影響力を与えている人物だ。
「あれ? 皇太后様がこの後宮の頂点に位置する存在なのですか?」
「そうでございます。今、皇后の位は空位となっておりますので、皇太后様が後宮の全てを取り仕切っております」
「そうなのですね、教えてくださりありがとうございます」
「くれぐれも皇太后様のご気分を害する事のないよう、お気をつけくださいませ」
(うっわ、やっぱりそう来るよね……)
女官達と話しながら彼女達が用意してくれた新たな装いに着替えた桃玉。あっという間に皇太后への挨拶へと赴く時間がやって来た。
「皇太后様がいらっしゃるのは朱龍宮にございます。私達も同行いたしますのでご安心ください」
「ありがとうございます……道案内よろしくお願いします」
桃玉は手鏡で自身の姿をもう一度確認すると、行きましょう。と女官達に告げたのだった。
(はあ……すんごい緊張してきた……!)
朱龍宮へと歩き出す桃玉の顔は、緊張のせいか徐々に引きつってきたのだった。
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