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第15話 鶴峰宮の金美人とその女官達
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「聞いて! さっき金美人様付きの女官がお亡くなりになっているのが見つかったって……!」
「うそでしょ? 怖くない……?」
「これはあやかしの仕業じゃ……!」
「そ、そうだわ! これはあやかしの仕業よ……!」
(これは!)
桃玉は急いで雑炊をかきこむと、声がした方へと飛び出していった。
「すみません! その話、詳しくお聞かせしても構いませんか?」
外で会話をしていたのは、下女達だった。ややぼさついた髪に簡素な服、目元のクマなど顔には少々疲れの色が見え隠れしている。
「お、おはようございます、李昭容様……!」
「あ、良かったらどうぞこちらに!」
桃玉は下女達を自身の部屋に招き入れたのだった。
◇ ◇ ◇
「それで、女官が亡くなったって話、本当なんですか?」
皇太后への朝の挨拶までまだ時間がある為、桃玉は下女達から聞き取り調査を行う事にした。
下女達は照天宮で勤務している主に炊事の仕事をしている者達で、ちょうど夜勤明けだったと言う。
「私達もさっき、鶴峰宮の人達から聞いたばっかりなのですが……」
「なるほど。亡くなっていたのが見つかった時の状況は知っていますか?」
「肌が真っ青になってたとは聞きました。それと、右の首元に虫に噛まれたような跡が……」
(なるほどね)
桃玉は下女達から聞いた内容を紙に書く。下女の1人から私達が言ったと言う事は内密にしていただきたいです。と頼まれた桃玉は勿論。と返す。
「申し訳ありません、李昭容様……」
「気にしないで大丈夫ですよ、それで……その方は」
「おそらくですが、今、医者の方々による調査が入るのではないかと……」
「わかりました。教えていただきありがとうございました。もう持ち場に戻って大丈夫ですよ」
下女達はそれぞれ持ち場へと戻っていった。桃玉は書いた紙に記された文字が乾くのを待ってから、綺麗に折りたたむ。
「あの、皇帝陛下のいらっしゃる場所へと行ってきます……!」
「ですが、皇太后陛下へのご挨拶が……!」
(そうだよね、時間が……とはいえ、私が行った方が……いや、皇太后陛下の朝のご挨拶に遅れるとなるとまずい)
「すみません。この文を皇帝陛下にお渡し願えますか? 中は絶対に開けないでくださいね」
桃玉は書き終えた文を中年くらいの女官に手渡した。
「かしこまりました。必ず届けてまいります」
「すみません、急ぎでお願いします……!」
女官は駆け足で照天宮を後にし、龍環のいる居住区へと向かっていった。
「桃玉様、参りましょう」
「はい」
◇ ◇ ◇
皇太后がいる朱龍宮の大広間に到着した桃玉達は、決められた定位置に立ち、皇太后達が来るのを待つ。
「皇太后陛下のおなりでございます」
美しい装いに身を包んだ皇太后が現れ、椅子に座る。
「皆さん、おはようございます」
おはようございます。と一糸乱れぬ妃達の挨拶が広間中に響きわたった。
「今日も一生懸命、励んでくださいね」
皇太后からの挨拶が終わり、朱龍宮から妃達が退出していく。その中には桃玉の姿もある。
(えっと、このまま鶴峰宮へ……あ、金美人は誰だろ。女官に聞いてみようか)
「あの、金美人はどなたかわかりますか?」
「あの左前を歩いていらっしゃる、水色の服を着た方が金美人様にございます」
(あの方ね)
桃玉は金美人の元へと駆け寄った。
「あの、金美人様で……すか?」
「あ、えっと、李昭容様でございますか?!」
振り返った金美人は、驚きの周り大きな声を出してしまったのだった。
「うそでしょ? 怖くない……?」
「これはあやかしの仕業じゃ……!」
「そ、そうだわ! これはあやかしの仕業よ……!」
(これは!)
桃玉は急いで雑炊をかきこむと、声がした方へと飛び出していった。
「すみません! その話、詳しくお聞かせしても構いませんか?」
外で会話をしていたのは、下女達だった。ややぼさついた髪に簡素な服、目元のクマなど顔には少々疲れの色が見え隠れしている。
「お、おはようございます、李昭容様……!」
「あ、良かったらどうぞこちらに!」
桃玉は下女達を自身の部屋に招き入れたのだった。
◇ ◇ ◇
「それで、女官が亡くなったって話、本当なんですか?」
皇太后への朝の挨拶までまだ時間がある為、桃玉は下女達から聞き取り調査を行う事にした。
下女達は照天宮で勤務している主に炊事の仕事をしている者達で、ちょうど夜勤明けだったと言う。
「私達もさっき、鶴峰宮の人達から聞いたばっかりなのですが……」
「なるほど。亡くなっていたのが見つかった時の状況は知っていますか?」
「肌が真っ青になってたとは聞きました。それと、右の首元に虫に噛まれたような跡が……」
(なるほどね)
桃玉は下女達から聞いた内容を紙に書く。下女の1人から私達が言ったと言う事は内密にしていただきたいです。と頼まれた桃玉は勿論。と返す。
「申し訳ありません、李昭容様……」
「気にしないで大丈夫ですよ、それで……その方は」
「おそらくですが、今、医者の方々による調査が入るのではないかと……」
「わかりました。教えていただきありがとうございました。もう持ち場に戻って大丈夫ですよ」
下女達はそれぞれ持ち場へと戻っていった。桃玉は書いた紙に記された文字が乾くのを待ってから、綺麗に折りたたむ。
「あの、皇帝陛下のいらっしゃる場所へと行ってきます……!」
「ですが、皇太后陛下へのご挨拶が……!」
(そうだよね、時間が……とはいえ、私が行った方が……いや、皇太后陛下の朝のご挨拶に遅れるとなるとまずい)
「すみません。この文を皇帝陛下にお渡し願えますか? 中は絶対に開けないでくださいね」
桃玉は書き終えた文を中年くらいの女官に手渡した。
「かしこまりました。必ず届けてまいります」
「すみません、急ぎでお願いします……!」
女官は駆け足で照天宮を後にし、龍環のいる居住区へと向かっていった。
「桃玉様、参りましょう」
「はい」
◇ ◇ ◇
皇太后がいる朱龍宮の大広間に到着した桃玉達は、決められた定位置に立ち、皇太后達が来るのを待つ。
「皇太后陛下のおなりでございます」
美しい装いに身を包んだ皇太后が現れ、椅子に座る。
「皆さん、おはようございます」
おはようございます。と一糸乱れぬ妃達の挨拶が広間中に響きわたった。
「今日も一生懸命、励んでくださいね」
皇太后からの挨拶が終わり、朱龍宮から妃達が退出していく。その中には桃玉の姿もある。
(えっと、このまま鶴峰宮へ……あ、金美人は誰だろ。女官に聞いてみようか)
「あの、金美人はどなたかわかりますか?」
「あの左前を歩いていらっしゃる、水色の服を着た方が金美人様にございます」
(あの方ね)
桃玉は金美人の元へと駆け寄った。
「あの、金美人様で……すか?」
「あ、えっと、李昭容様でございますか?!」
振り返った金美人は、驚きの周り大きな声を出してしまったのだった。
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